レッカー・ボーイズ

 Thomas Newdick記者による2020-10-29記事「Taiwan disguises armored vehicles as cranes and scrapheaps during urban warfare maneuvers」。

 ※昨日読んで感心した記事だ。台湾の防衛は市街戦が天王山になるであろう。とすればAFVには都市偽装が必要である。このたびの演習で台湾陸軍は、AFVの着ぐるみを考えついてしまった。8輪APCにはペラペラのこしらえものの巨大なクレーン車の上構(リアルなアーム付き)をすっぽりかぶせて、黄地に黒縞で塗装し、建設会社名のロゴも描き入れる。M48戦車には、植物偽装ではなく、工場のスクラップ置き場の屑鉄を山のように貼り付ける。天才かよ! かねてわたしは、陸自の地対艦ミサイル発射車両の外観があまりにも特徴的すぎて、人工衛星から見れば配置がバレバレになるから、アルミパネルで上構全体を四角く覆い、民間の運送会社の大型トラックと区別がつかないようにするべきだと思っていた。しかしこの記事を見てちょっと考えを変えた。なにかにとけこませて隠そうとするのではなく、むしろ、全く異なるモノとして堂々と最初から目立たせてしまった方が偽装効果が佳良となる場合があるのだ。それから、この記事に添えられている昔の写真により、1942年の北阿にて英軍のクルセダー戦車が、トラックの幌をかぶってトラックに化けおおせ、上空の敵偵察機から轍痕が見えてはいても、それが戦車であるとは思われないようにする工夫をしていたことを知った。エンジンルームと乗員は幌で日陰ができて涼しいし、一石二鳥だろうね。



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