テラスーツ

 Roxana Tiron、Anthony Capaccio、Billy House 記者による2020-12-11記事「Board Job Likely Bars Biden Pentagon Chief From Some Arms Deals」。
   オースティンは、F-35のエンジンをつくっているレイセオンテクノロジー社と関係が深いので、セクデフとしては不適任である。(プラットはレイセオンに買収されてその子会社となっている。)

 オースティンは2016からレイセオンの重役だった。ということは前例により、MDや造船からみの多くの案件について、彼は長官としての決定権を発揮してはならんという「忌避義務」条項を上院から課される。

 マティスはGD社に再就職していたので、同社関係の契約についてこの忌避義務を課されていた。
 またエスパーはレイセオンのトップロビイストであったので、やはり同社がらみの案件は忌避義務の対象にされているのだ。

 次のセクデフが仕切る最初の大きな軍事契約はF-35のフルスケール量産。エンジン部門はウハウハだ。
 オースティンは2016いらいレイセオンから140万ドルもの総収入を得ている。これには株券も含む。

 エスパーは2019に長官に就任するとき、軍需企業の株式を売らねばならなかった。倫理規定により。
 それでも退職後の2022以降、彼は保留されていた株式報酬を100万ドルから500万ドルも受け取れる見込みである。

 またオースティンは2020にパインアイランドキャピタルパートナーズという個人資産運用会社のパートナー経営者に就任している。ここには次の国務長官のブリンケンも世話になっている。
 まさにこいつら、「回転ドア」資本主義の見本だ。

 次。
 Tyler Rogoway and Joseph Trevithick 記者による2020-12-11記事「Here Is What Each Of The Navy’s Ship-Launched Missiles Actually Costs」。
  FY2021の公式文書を根拠として、ミサイルの単純単価を試算した。したがって昔の値段ではないし、ランニングコストも開発費用も含まれていない。

 SM-2の最新バージョン Block IIIC は、1発が234万9000ドルする。
 レイセオンのSM-3の最新バージョン Block IIA は、1発3638万7000ドル。なんと1発38億円。

 シースパローの改良型 ESSM Block I and Block II は、1発が179万5000ドルである。
 RAMは、1発が90万5330ドルである。
 戦術用トマホークミサイル TACTOM  Block V は、153万7645ドルである。

 ハープーンの単価はわからない。というのも もう米海軍は発注しないからだ。
 グリフィン・ミサイルは12万7333ドルである。対舟艇用。レイセオン製。レンジが6.5kmしかない。おそらくイランの小型高速艇を念頭したもの。

 次。
 Joseph Trevithick 記者による2020-2-18記事「Here Is What Each Of The Pentagon’s Air-Launched Missiles And Bombs Actually Cost」。
 サイドワインダーは、1発47万2000ドルである。
 AMRAAMは、1発109万5000ドルである。

 ヘルファイアは各種あるが、リーパーから発射するやつは1発7万ドルする。
 海軍ヘリから発射するやつは、4万5409ドルである。

 安いといわれるJDAMも2万1000ドル。無誘導の500ポンド爆弾は4000ドル。2000ポンドの無誘導爆弾は1万6000ドル。

 ※他の弾種に興味のある人は元記事を参照すべし。いろいろ出ている。



兵頭二十八の防衛白書2014