リムペット爆雷を非電磁的に吸着させる方法として、キャビテーションを利用できるのではなかろうか。

 敵船舶の船体に密着させた状態でフロッグマンがヒモを引くと、真空のあぶくが生じ、それが潰れるときに、爆雷端部の粘着物質が、対象平面に強く密着する……という。

 次。
 Thomas Newdick 記者による2021-1-29記事「The Russian Navy Has Gotten Its First New Electrically-Powered Torpedo Since The Cold War」。
   ロシア海軍はソ連崩壊後は電気魚雷を新開発してこなかったが、近ごろでは、風向きが変わった。
 数種類、作っている。ひとつは、最大レンジは15.5マイル、最大速力は45ノットだという。

 ひとつの特徴。魚雷の頭部ソナーを切ってしまい、プラットフォームの潜水艦側からだけの有線誘導に切り替えることができる。これはデコイを突き破るために必要。

 ウェイク・ホーミングは、海水の密度の差を検知する。それによって音響のデコイが無効化される。

 メリットは何なのか。
 電池魚雷は、18ヶ月、魚雷庫におきっぱなしできる。また魚雷発射管の中に6ヶ月入れっぱなしにしておいても、必要なときは機能してくれる。

 電気魚雷の最大のメリットは、安全性。化学反応を利用する動力源の魚雷は、火災事故の原因になってしまう。2000-8月にオスカー級SSGN『クルスク』がバレンツ海に沈没して118人が死亡した事故の原因は、ケミカル動力の魚雷推進部火災→他の魚雷の実用頭部誘爆 であった。

 電気魚雷のもうひとつの強みは、発射管から出た瞬間に50ノット近くまで加速できること。スタート時のトルクが段違いなのである。

 また電動式にするならば、魚雷をモジュラーに分けて、バリエーションを好きなように増やせる。全長の短い、近距離用にもできるし、全長の長い、長距離用にもできる。バッテリーの直列数を変えればスピードも自在。逆に並列つなぎにして低速化して長射程を狙うこともできる。

 魚雷じしんが出すノイズも、電池式魚雷の方が、すくない。

 ※たぶん、米国のケミカル式最新魚雷があまりにも静かになってしまったので、それに対抗するには、もう電気式に戻す以外に手がなくなっている、というのが、真相ではないのか?