米国民の過半は空軍が大金を投じてICBMを新しくしようという計画に反対。固定基地のICBMなどもう有害資産だとみなされているのだ。

 Peter Keller 記者による2021-2-2記事「The Outlook for LNG as a Marine Fuel」。
    現在、新造発注商船の燃料としてLNGが選ばれる率は13%で、これはますます増えると予想されている。
 2020年には、「バイオLNG」で走る外航船も、初登場した。

 国際商船協会IMOは、2030年までにカーボン排出を21%減らせ、という方針。これはウェル(油井)からウェーク(航走)までの全過程が対象なので、地下からLNGを採掘するのでは理想的ではない。
 だから バイオLNGの次は 合成LNGが実用化されることが期待されている。2050年までに。

 しかし合成LNGができるようになるには最低10年かかるだろう。そのくらいに、見通しが立っていない。

 銀行はグリーンファイナンスに傾いているので、LNG船の建造資金を融資してくれという申し込みは、受け入れられやすい。

 バイオLNGは、食料廃棄物や畜産業廃棄物、森林にうっちゃられているバイオマスを原料とするので、「カーボン・ニュートラル」である。つまり、もともとは大気中に存在していた二酸化炭素が、燃やされて、ふたたび大気中に帰るだけ。

 ナタネ油とかパーム油だと、食料生産活動と競合したり、森林破壊を助長してしまう。今考えられているバイオLNGは、そうした競合や自然破壊を最初から回避するのである。

 しかもバイオLNGは化学成分としては化石LNGと同じなので、エンジンも、貯蔵施設も、これまでのLNG用のものでOK。すべて今のもので、対応できる。

 現行のLNG専焼エンジンは、メタンガス漏出はゼロである。しかしLNG供給網の途中で、メタンの大気中への漏出をゼロにはできまい。このメタンは、二酸化炭素以上に、地球を温暖化するガスである。

 最終的には太陽光や風力で発電した電力によって合成LNGをつくるところまでいかないと、「ゼロエミッション」とはならない。それはいつの日であろうか。

 ※核融合炉なんてものができたとしても、そのマシンの内部には中性子線が飛び交うので、内部の機械類は強烈な放射性を帯びてしまう。それが古くなれば、それらはすべて、高放射性の廃棄物となるしかないのである。

 次。
 Antonio Regalado 記者による2021-2-5記事「The next act for messenger RNA could be bigger than covid vaccines」。
    メッセンジャーRNAはなぜ、使い物になるのか。それは新コロの「スパイク」部分の「模型」のようなものであり、人の細胞内で増殖したりはできない。が、ヒトが正しい抗体を作り出すための正確な病的刺激は、しっかりと人体に加えてやることができるからである。これを注射すればいいんじゃ、と発想したのが、「mRNA」利用のワクチン。すなわちモデルナとかファイザーである。

 今後、この技法は、ヘルペス患者やマラリヤ患者の治療薬として適用をひろげるだろう。
 インフルエンザ予防ワクチンにも必ず応用される。
 また、新コロが将来どれほど変異し続けようとも、「mRNA」を使うワクチンは、今回のように、1年くらいのディレイで追随して行けるのである。

 2019末、中共当局は、武漢肺炎について世界にひた隠そうとした。しかし2020-1-10に、上海の一人の義士が、武漢ウィルスの遺伝子コードを、豪州の研究者へ、オンラインで伝えた。
 このDNA情報が「マイクロソフト・ワード」ファイルの形で世界的に共有されたおかげで、マインツのバイオテック社(ファイザーの開発センター)や、米東部のモデルナ社が、メッセンジャーRNAを利用するワクチン設計に、ただちにとりかかることができた次第である。

 モデルナ社では、新ワクチンの「設計」をたった48時間で了えることができた。それは、北米で最初の新コロ発症者が確認されるよりも11日も前だったのである。

 1990年にはじめて、合成したメッセンジャーRNAを鼠に注射したウェイスマンの回想。あきらかにネズミたちは病状を呈した。量が多いと、死んでしまった。わたしどもは、こりゃ~使えんぜよ、と、当時は思った。

 免疫分子のサイトカインが一挙に大量につくられすぎれば、それが却って本体を殺してしまう。そういうことが、何年も調べるうち、だんだんわかってきた。

 そしてウェイスマンとカリコの2人が、ついに、この危険を回避できる方法をみつけた。それでワイスマンはモデルナ社を創立しようと思った。2010年であった。

 RNAはデリケートで、外気にさらされれば数分で失活する。
 なにかでこれを包まなければならない。
 40種類以上のモノが試された。エジソンが電球フィラメントの最適素材を模索したように。
 最終的に、脂肪の組み合わせに落ち着いた。これはしかし、特許あらそいになっている。

 2017年、マウスと猿を使い、mRNAワクチンがズィカ・ウィルス熱の予防注射になることが示された。

 mRNAの書き変えは、会社にとっては、わけもないので、これからは、どんなワクチンもすぐできるようになる。
 しかし2020年時点では、多くの人が、18ヶ月以内に新ワクチンができるなんて嘘だ、と思った。
 わたしたちは、《ワクチン革命》を、まのあたり目撃しているところなのである。

 ウェイスマンの夢はひろがる。すべてのインフルエンザに対応できるユニバーサル予防注射が可能なのではないか。すべての「コロナ系」ウィルスに対応できる新薬も可能なのではないか。

 ※ウィルス変異の話を聞くと、こういう想像をする。もしウィルス並のスピード感で「進化」する宇宙人がいたらどうなるだろうかと。おそらく彼らはさっさとガンマ線や中性子利用のドゥームズデイ兵器をこしらえてしまい、さっさと自滅するのではないかと。その自滅の痕跡が宇宙の彼方からときどき届くのではないかと。