このGW中に店を畳んだ飲食店は多いはず。それは賢明ではないか。

 Graham Warwick & Thierry Dubois 記者による2021-4-30記事「What Are The Electric-Propulsion Challenges In Commercial Aviation?」。
   民航機を電力で飛翔させようとする場合の最大の難関は、バッテリーのエネルギー密度が旧来の航空燃料よりも桁違いに希薄であること。
 航空用ジェット燃料は、1kgの中に、1万2000ワット・アワーのエネルギーを内包している。
 しかるに、民需用に流通しているリチウムイオンバッテリーは、セルの中味1kgあたり250ワット・アワーしか充電はできない。
 しかもジェット燃料は燃やすにつれてタンクが軽くなって行くのに、バッテリーは放電後も死重がそのまま機体に残る。現状、飛行機のエネルギー源としては、不利すぎるのだ。

 リチウムイオンバッテリーは、セルの周囲を、断熱・耐圧の頑丈なケースで密封しておかないと、空中で破裂したり燃えたりして、航空機に対して危険である。このケースの重量が、さらに「重量あたりのエネルギー密度」を2割も悪くする。

 電動旅客機のパイオニアたちは、19座席以下で、片道250マイルまでしか飛ばさない「小型近距離」機ならば、電動でもなんとかできるという手ごたえを得ている。

 バッテリー技術も日進月歩だ。だいたい1年で5%から8%ずつ、効率が向上しているという。
 NASAによる技術予想では、2030年までには、1kgあたり350ワット・アワーのエネルギー密度を、セルの中味に関しては実現できるであろう(安全外殻であるバッテリー・ケースの重量は別)。
 そのような電池が使えるのならば、30シートの近距離旅客機を運航できる。

 遠い将来、1kgあたり500ワット・アワーのエネルギー密度が電池で実現したら、50座席のリージョナル機や、通路1列で150座席ある旅客機も、設計可能になるだろう。

 NASAの見通しでは、今のバッテリー・ノウハウで実現ができそうなのは、おそらく1kgあたり400ワット・アワーくらいまで。そこが壁だ。もし、それよりも高性能な電池をこしらえたくば、まったく斬新な新技法が発見される必要がある。

 では液体水素と大気中の酸素を原料として化学反応で発電させる「燃料電池」はどうか。
 液体水素は、同じエネルギーを内包する「ジェットA1」灯油よりも、軽量だ。

 ところが、タンク容積は余計に必要になる。ケロシンよりも液体水素の方が、重量密度が低いからだ。

 エアバス社が考えているのは、燃料電池と内燃機関のハイブリッド推進。すなわち積んでいる水素の一部を、ガスタービンエンジンの中で燃焼させようというもの。水素を燃やすガスタービンエンジンの効率は、燃料電池で動かす電気モーターよりも悪いのだが、パワーは大きい。
 離陸と上昇のときは、燃料電池で起電した電力でモーターを回し、プロペラもしくはファンの回転をアシストする。すなわちガスタービンと電池モーターの併用。
 巡航時は、水素でガスタービンだけをちびちび燃やすという。
 すくなくとも二酸化炭素はまったく出さない方式である。

 もうひとつは電気モーターやパワートランジスターの効率。今の電気モーターは電力を回転力に転換する効率がよくなくて、不必要な「熱」を発生してしまう。途中の回路も同様である。熱は除去しなくてはならず、冷却システムが余計に必要になり、ますます無駄が嵩む。

 たとえば1メガワットの電気モーターに1%の無駄があるとすると、1キロワットもの無駄な熱を生産し排出することになる。

 ケーブル途中の電力損失を減らすには、電圧を高めて、アンペアを減らせばいい。そうすればケーブルは細く軽くし得る。

 この同じ理由で、従来28ボルトであった旅客機の配電電圧は、270ボルト化しようとしているわけである。
 全電化飛行機の場合、現状では500ボルトくらいを使うが、数十人の旅客を運ぶとなれば、できれば3000ボルトには高めたいところだ。

 しかしそうなると、気圧の低いところでは、絶縁部材内部での「部分放電」とか、コロナ放電が起き易くなるから、悩ましい。

 そこでエアバス社では、超電導モーターや超電導ケーブルの採用を模索している。これなら発熱しないが、そのかわり冷却をどうやって保つのかの難題が……。

 そのためには、液体水素の低温を使ったヒートポンプ冷凍機が有望かもしれない。

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 Meredith Roaten 記者による2021-5-3記事「Analysts Question Uniqueness of Hypersonic Weapons Capabilities」。
    さきごろ『サイエンス・アンド・グローバル・セキュリティ』誌が「Modeling the Performance of Hypersonic Boost-Glide Missiles」という研究論文を掲載し、ハイパーソニック弾が旧来式のミサイルより迎撃困難かどうかには疑問があるとした。マッハ5ぐらいでは、古い弾道ミサイルよりもはるかに低速だからと。

 2000年代に、トライデントSLBMに、落下途中で機動できるRVを搭載して実験がされている。その結果わかったこと。すでに多弾頭型のトライデントにおいてこの上なく精密な命中精度が実現されてしまっている。

 ※ICBMやSLBMの既製のRVを途中で破損させられるようなビーム兵器を誰も開発できていない。それは既存RVの超高スピードのおかげでもあるだろう。ハイパーソニックのマッハ5レベルなら、終末段階で却ってビーム兵器による迎撃時間が長くなるかもしれないのだ。

 米国がすでに持っている技術である、「弾道ミサイル+機動RV」の組み合わせが、現時点で無敵である。そのRVを落下途中で毀損できるような兵器を敵は開発できていない。

 戦略級射程のものよりも、弾道ミサイルのスピードは低速であるところの戦域級射程においても、なお、弾道ミサイル+終末誘導子弾の組み合わせが、ハイパーソニック弾よりも勝っている。

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 Anne Barker 記者による2021-5-5記事「Malaysia Airlines flight MH370 left ‘false trails’ before disappearing, new research suggests」。
   2014-3にインド洋で行方不明になったマレーシア航空の「MH370」便は、航空管制の目をあざむくために、何度も意図的な針路変更をしていたという。

 同機は239人を乗せてクアラルンプールを離陸したが、目的地の北京には着かず、インド洋に突入した。
 さいきん、あらためて導入された解析技法によって、それが確認された。

 すなわち機長のザハリエ・アーマド・シャーは、飛行途中で気が違ったわけではなく、離陸前から綿密に計画を立てていたのである。

 件の「ボーイング777」型機の墜落海面が南緯34.5度であるという推定(複数の衛星が受信した信号強度からざっくり割り出した)は、当時も今も、不変。
 ただし、そこに至るまでの推定コースは、これまでは分らぬ部分が多かった。

 このたび、MH370便の謎を独自に探求している航空技師リチャード・ゴドフリーが、WSPR(weak signal propagation report)を見直した。全地球的に飛び交う微弱な電波信号がある。それは航空機の通過によってかき乱される。それを2分ごとに解析した。

 これを、当該事故機が英国のインマルサット通信衛星に向けて1時間おきに自動送信していたデータ信号とつきあわせることによって、かなりのことが分るのだという。

 彼の結論。機長はあらかじめ、管制網を韜晦するための数度の針路変更やスピード変更を周到に計画していたことが、明らかだ。

 ゴドフリー氏はWSPRを解析する独自のソフトを開発している。その名もGDTAAA(どの空域のどんな飛行機も全地球的に探知し追跡)。

 パイロットは、サバンとロクセウマウェにある航空管制レーダーが作動している曜日と時間帯を承知していたようだ。
 パイロットは、その機がどこへ向かって飛んでいるのかを、知られたくなかったようだ。

 WSPRの送信局は世界に5000箇所以上あるのだという。
 そして当日、MH370便は、WSPRの伝達経路を518回、横切ったのだという。

 GDTAAAシステムを使えばMH370便が沈んでいる海底を、誤差18海里で割り出せる、ともゴドフリー氏は請合う。



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