ISABEL DEBRE and JON GAMBRELL 記者による2021-8-4記事「Hijackers have left vessel off UAE coast, British navy group says」。
ハイジャックされたのは、パナマ船籍の『アスファルト・プリンセス』。
この船員たち(インド人とインドネシア人からなる)からUAEのコーストガードに対するvoice無線連絡によれば、乗り込んで来た武装グループは5~6人のイラン人であった。
このため船はしばらく漂流させられた。
イラン外務省は火曜日に、イランは事件とは無関係だと説明。
火曜日夕方、フジャイラ沖の6隻の石油タンカーから、「船を操縦できなくなっている」というAIS信号が発せられた。これは、動力が止まり、したがって操舵できないことを知らせる通報である。
位置情報信号記録によると、『アスファルト・プリンセス』は水曜日の前半には徐々にイラン領海へ向けて航進していたが、数時間後、停止し、コースをオマーン方向へ転じた。その直後に英海軍は、ハイジャッカーが船を離れ、船は安全になったと宣言した。
『アスファルトプリンセス』の船主はUAEの「グローリー・インターナショナル」社である。
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ストラテジーペイジの2021-8-4記事。
イスラエルは、ガザ地区にてクォッドコプターによるスウォーム偵察を実践したことを認めた。
ガザの狭さが、それに適していた。
ガザは、長さが41km。幅はだいたい10kmというところ。
イスラエルに向けてロケット弾を発射している地区は、ガザ北部の都市域で、そこにガザの人口の三分の一が集中している。建て込んだ街区には、目立たない裏庭や路地が無数にある。そこがロケット射場となるのだ。
ロケット弾の備蓄場所は、すぐ近くの地下である。
2014年にハマス掃討作戦を発起したときは、まだ、多数のドローンで路地裏を偵察することはできなかったので、しかたなく地上軍部隊を送り込んでロケット射点を虱潰しにするしかなかった。だから50日もかかってしまった。将兵の死傷も必然的に伴った。
この教訓から、イスラエルは、ドローンのスウォームによって、すべての路地裏を隈なく見張ることにしたのである。
たった1人のオペレーターが数十機のドローンを同時に操縦できるようになったのは、民生ドローンに自動衝突回避能力が備わり、かつまた、操縦信号がデジタル化(暗号化)されているおかげだ。
ソフトウェアがどのくらい洗練されているかは、2018年のイスラエルの独立記念日の夜、エルサレム上空で数百機のドローンをスウォーム制御したライト・ショーによって、示された。
これを見た軍の関係者は、この技術を使えばスウォームによって市街地の細部を全部リアルタイムに監視できるぞ、と確信した。
イスラエル軍は、何という名前のクォッドコプターを使っているのか、公表をしていないが、専門家のみるところ、それはエルビット社製の「Thor」だ。2017年からある、軍用グレードの製品。
滞空75分可能。高度は650mまで上昇できる。
無線制御は10kmまで。
巡航速度は40km/時。最高は65km/時だが、それだとすぐにバッテリーがなくなる。
ペイロードは3kg。しかし、こいつで爆弾を落としたりはしない。
暗視カメラを搭載させるのだ。1機の単価は5万ドル。
2021-3時点でイスラエル軍はこの「Thor」を数百機、揃えていた。
おかげでロケット弾の射点はすぐに特定され、作戦は10日で終わってしまった。
地下からロケット弾を引き出して、地上で組み立てたランチャーにセットするところを、リアルタイムで把握できたのである。夜間、地上からは「Thor」のプロペラ音は聞こえない。誰にも見られていないと敵は信じていたが、すべて見られていたのである。
風の強い日であっても、スウォームを構成するクォッドコプター同士が衝突することはない。互いに自動的に間合いを取るようにできているのである。
クォッドコプターが発見したロケット射点に、イスラエル軍は精密砲撃または精密空爆を加える。それによりコラテラルダメジも局限される。
ハマスはたちまち音をあげた。エジプト政府に、休戦条件をイスラエルから聞きだしてくれ、と泣きついた。
イスラエルはこの戦法を、次にはレバノン国境付近のヒズボラに対して使うつもりである。
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Brett Tingley 記者による2021-8-4記事「Russian Nuclear Submarine Broke Down In Danish Waters」。
7月20日にバルト海で、ロシアのオスカー2級のSSN『オレル』が動力故障を起こして漂流状態になり、デンマーク領海に入った。
ロシア艦隊はあわてて航洋タグの『アルタイ』によって原潜を曳航し去った。