真夏の20km競歩で「脛当て」を着ける意義とは何だろう?

 Tanner Garrity 記者による2021-8-5記事「Why You Should Use the Performance Tape That Just Got Banned at the Olympics」。
   キネシオロジー・テープは、別名、パフォーマンステープ。運動選手が自身の表皮に貼り付ける「メディカル・テーピング」の進化型で、それによって成績の向上が見込める。

 数日前に行なわれた、4人1組のチームで自転車を疾走させる「追い抜き」競技。
 この五輪競技会場にて、英国自転車界の著名人クリス・ボードマンが指摘した。デンマークチームの男子選手4人が揃って、両脚の向こう脛の全長にわたってテーピングしていた。これは、空力整流効果を企図したもので、国際自転車連盟UCIではそれは禁止していたはずだと。

 位置からして膝の負傷等とは何の関係もありえない。

 このテープは業界では「トリップ・ストリップス」と呼んでいるものだ。脛にぶつかってくる空気に人工的に渦流を創り出させ、それが下肢表皮に沿って、より長く流れるようにさせる。気流の剥離を遅らせることで空力上、プラスの効果が生ずるという。

 自転車競技のように、時速60マイルで風を切る世界では、この整流の意義は大きい。

 デンマーク・チームは、言うなればチート行為を働いたのである。東京五輪の対英戦で。

 UCIは後日になって、将来のレースでは整流テープは禁止すると公式決定した。

 なおデンマーク・チームは決勝戦ではこのテープを貼り付けず、そのせいか、イタリアに敗れて銀メダルにおわったのである。

 キネシオロジー・テープ、略してKTは、きわめて伸縮性が高い、ナイロンと綿の混紡。表皮の伸縮率に合致させており、四肢をどのように動かしても剥がれない。

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 Glen Grant 記者による2021-7-16記事「Seven Years of Deadlock: Why Ukraine’s Military Reforms Have Gone Nowhere, and How the US Should Respond」。
    七年経ってもウクライナ軍は自己改革ができずにいる。将校はソ連時代の古株プールから選ばれていて、彼らは旧ソ連式を変えるつもりはない。

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 Teddy Ng 記者による2021-8-6記事「South China Sea: are carrier-killer missiles being primed for PLA tests?」。
   海南島からパラセル諸島にかけての海域が、金曜日から火曜日までのあいだ、危険海域になると公示された。
 米海軍の空母部隊の大演習の開始に先立って、何かデモンストレーション的なミサイル演習をする気らしい。