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 Thomas Newdick and Joseph Trevithick 記者による2021-9-16記事「Australia To Buy Tomahawk Cruise Missiles, Will Get At Least Eight Nuclear Submarines」。
   豪州政府声明。米国からトマホーク巡航ミサイルを買い、それを『ホバート』級の駆逐艦から運用する、と。
 のみならずスコット・モリソン首相は、豪州空軍用に「JASSM-ER」も買うことを明かした。空対艦の長射程ミサイルである。

 発射母機として、豪州空軍はF-35Aを保有している。

 『ホバート』級は2017から3隻が就役している。7000トン。

 ステルス巡航ミサイルであるJASSM-ERは、「F/A-18A/B ホーネット」からも運用できる。

 豪州空軍は初期型の「スーパー」ではない小型旧式ホーネットも持っているが、それは今年限りで退役する。だから搭載される機体はF/A-18F スーパーホーネット なのであろう。

 ポテンシャルとしては、「JASSM-ER」は、P-8Aポセイドン哨戒機にも搭載可能である。

 豪州空軍は、すでに、「ER」ではない「JASSM」の運用者だ。

 また豪州政府は以前に、「LRASM」の調達意向についても語っていた。こっちは対艦専門の長射程ミサイル。
 また豪州は米国のハイパーソニックミサイル開発や、米陸軍の「PrSM」=地対艦精密打撃ミサイル にもかかわっているのである。

 ここにあらたにトマホークが加わる意味だが、これは原潜をプラットフォームとしたときに、中共に対する最大の圧力になり得る。中共軍が予期できない近海から、いきなり大量に陸地に向けて発射されるので。

 ※どうやら、わが国の「敵地攻撃能力」は、豪州軍が代行してくれることになりそうだ。日本政府は豪州政府を全力で応援するしかないだろう。たとえばアデレードには原潜メンテナンス用の浮きドックがひとつ余計にあるといいはずだ。そこは米海軍もまた借用する拠点になるのだろうから、対米支援と同じことである。

 トマホークのうち「TLAM」と呼ばれる対地攻撃タイプのものは、現在、米海軍と英海軍しか、保有していない。どちらも原潜からそれを発射できる。
 おそらく豪州海軍が、三番目の運用者になるのだ。

 ※スペイン海軍のフリゲート艦からもTLAMを発射できるのでは……? それもずいぶん前から。

 なおカナダ海軍も、次の新鋭フリゲートにはトマホーク・ミサイルを搭載したいという希望を表明している。
 豪州海軍の原潜が、いかなるタイプになるのかは、これから18ヶ月かけて三国が相談して決める。英国の『アストュート』級になるかもしれないし、米国の『ヴァジニア』級になるかもしれないし、どちらでもない型に決まるかもしれない。

 どうなるにせよ、1番艦の引渡しはこれから10年近くも先の話だろう。
 それまでは既存6隻の『コリンズ』級のさらなる延命でしのぐしかない。

 フランスに発注していた、12隻の新型潜水艦の話は、当初、400億米ドルで済む話が、700億米ドルに見積もりが膨らんでしまい、キャンセルされた。

 ※フランスの潜水艦システム納入者に、TLAMの発射に必要な諸情報を教えるわけには、米国としてはいかない。だから英国とともに豪州政府にはたらきかけて、フランスとの契約を破棄させた。これによってフランスは臍を曲げて、もう極東での対支作戦には協力しない、と脅すかもしれないが、兵器輸出で外貨を稼ぐしかない立場のフランスはすでに豪州にも莫大な投資をしているから、いまさら豪州と縁を切ることなどできない。米国務省はそこまで読んでいる筈だ。

 ※今後のフランスの出方だが、米英が原子力エンジンの技術を輸出するなら俺たちだって輸出してもいいよね、というノリになり、韓国海軍と話をまとめる可能性があると思う。LEU燃料しか使わないので、米政府としても阻止し難いだろう。

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 Thomas Newdick 記者による2021-9-17記事「UK Starts Work On A New Nuclear Submarine Right After Australia Says It’s Looking To Buy」。
    英国は、今の『アステュート』級を更新する新型のSSN計画を推進する。「SSNR」=原潜更新計画 と称する。英政府は、これに豪州が一枚噛むことをもちかける気なのかもしれない。開発資金を分担させて、英豪がともにSSNRを調達していくという未来。

 ※そうだとすると、いろいろ頷ける。2030までに間に合わなくともいいのだ。英国が継続的にカネを稼げることが大きいのだ。

 SSNRの設計は、BAEシステムズ社とロールズロイス社とにより、スタートしたという。予算は2億3400万米ドル。

 BAEのあるバロウ市では350人、RRのあるダービー市では100人、このプロジェクトのおかげで、雇用が維持される。これから3年間も。

 BAEが総体設計。RRは核動力機関の担当である。

 『アステュート』級を英国はすでに4杯、うごかしている。来週、それに5番艦の『オーダシアス』が加わる予定だ。

 『アステュート』級は、いったん潜水したら、90日くらいも水中にいられる。空気や真水は電気分解で造るので問題ないのだが、食料が尽きてしまうので、そのくらいが限界だという。

 英海軍の古いSSNである『トラファルガー』級×3隻は、いずれもこれから『アステュート』級で更新される。すでにその新鋭3隻のうち1隻は公試運転中であり、2隻は竣工間近である。

 ※ということは、古い『トラファルガー』級を豪州に練習用にリースすることも、なくもない。繋留したままでも、機関の訓練はできるだろう。

 トラファルガー級には乗員は130人が必要である。アステュート級は、より大型であるのに、自動化されているおかげで、乗員は89人で済む。

 アステュート級は、耐用年数を「25年+」と考えて製造されている。1番艦はすでに艦齢が10年を越えた。

 英国の原潜を建造しているBAEの工廠は、カンブリア州の「バロウ・イン・ファーネス」市にある「デヴォンシャー・ドック・ホール」である。

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 英文ネットで「飛翔体のアルティチュード」と「レーダーからのディスタンス」の相関をざっと示した簡易グラフを見たら、次のように読めた。

 高度30kmの飛行物体は、地上のレーダーからは、距離390km以内でないと見えない。
 高度50kmの物体は、地上のレーダーからは、距離550km以内でないと見えない。
 高度60kmの物体は、地上のレーダーからは、距離600km以内でないと見えない。

 こっちの方が、現実的な値なのだろう。誤差はたっぷりあるだろう。

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 Kim Sengupta 記者による記事「Australia could be ‘nuclear war target’ in new Aukus defence pact, warns furious China」。
   さっそく、『ニッカンペキスポ』が、豪州は中共の核のターゲットだ――と吠えている。

 『ニッカンペキスポ』は、米英は豪州の新潜水艦に、核弾頭の「弾道ミサイル」を装備させることも「簡単にできる」と解説した。さすが『ニッカンペキスポ』である!

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 Todd South 記者による2021-9-17記事「Don’t call it a landmine. Soldiers test suitcase-sized tank killer」。
  米陸軍の工兵隊がいま、「XM204」という新兵器を実験中。スーツケースのサイズで、歩兵が運搬できる重さ。それを地形に隠して埋設すると、センサーが働き、こっちに接近してくる敵の装軌車両の振動を探知。適宜の距離から自動で子弾を発射し、その子弾が敵のAFVを頭上からアタックする。

 試験用の子弾は、起爆する代わりに、写真を撮影する。それで、敵戦車をキルできたかどうか、判定ができる。