レーダーの見通し限界距離をざっと計算してくれるページがあります。
「Horizon calculator」とか「horizon calculate」でググると、そのページが出てきます。
ページは複数あります。面白いことに、同じ高度の数値を入力しても、出てくる答えの距離が微妙に違う。
ひとつの回答では不安だという人は、複数のページで確認するのがよさそうです。
ためしに、高度30kmの物体、つまりハイパーソニック・グライドしてくる物体を、地表または海面にある望遠鏡は、理論上、距離として何km先から直視することができるかを計算してもらったところ……。
答え。618kmから619km。
ただし、光ではなく、地上に置かれたレーダーの電波が到達する距離でしたら、713km に伸びるそうです。電波はほんのすこし地平線の向こうへ屈曲するからでしょうか。
ちなみに「マッハ5」というのは、高度にもよるでしょうが、分速103kmぐらいの世界でしょう。713kmを飛びぬけるのには7分くらいかかるのか。
北鮮の「イスカンデルM」もどきが、最初にブースターで到達する最高高度が、かりに、50kmだとしますと、ホライゾン・カルキュレーターは、距離にして798kmから800km手前においてその最高点を直視できるようになるだろうと教えてくれます。地上からのレーダー電波であれば、921km先から探知できるかもしれない、とも。
またもし、ブースターで到達する最高高度が、地上から60kmだとしますと、赤外線望遠鏡でそれを直視できるようになる理論値は、水平距離874kmから876km。
地上のレーダー電波なら、1009km手前から、探知できる可能性がある。
ということは、現状、北鮮の「イスカンデルM」もどきは、ブースター上昇最高高度が50kmしかなくても、距離800km以内に占位する、わが護衛艦の対空警戒レーダーによって、ハイパーソニック滑空を開始する前からそれを探知できる可能性がある。
若狭湾の原発銀座と北鮮の元山市の間が、距離にして800km強。射点を、元山よりも南の、38度線に近寄せれば、若狭湾の原発にもタマが届くようになります。
竹島に防空用警戒レーダーを設置することができれば、北鮮領内のどこであれ、HGV(ハイパーソニック滑空弾)を打ち上げた直後から探知して、いちはやく警報を出すことができるでしょう。
竹島にレーダーを置けないとすれば、島根県の隠岐諸島が次の候補地でしょう。そこからですと、新義州の周辺以外は、レーダーでHGVのブースト上昇を探知できると考えられる。さらにまた、高度3万mで水平滑翔するハイパーソニック弾は700km離れていても見張れるのですから、ほぼ全国の原発に、早期警報を出してやれるでしょう。
隠岐はたしか全体が開発抑制地だったと思いますが、そろそろ、そんなことを言ってられなくなってきたのではないでしょうか?
次。
Alan J. Kuperman 記者による2021-9-15記事「The US Navy’s Nuclear Proliferation Problem」。
昔は原発に高濃縮ウランHEUを使うことがあったので、これが拡散するとすぐに原爆を作れてしまうから、米国にとってはそれが悪夢だった。
しかし今日、HEUを使う原子炉は、ほぼ、原潜や原子力空母のエンジンだけに限られている。
民間の原発ではLEU=低濃縮ウラン燃料を主に使っている。LEUからは簡単に原爆は作れないのである。
それに対して、米海軍が今、軍艦の原子炉用に消費しているHEUの量は、そこから原爆を100個、こしらえられるくらいの量である。
※今回、豪州に原潜のエンジン技術を開示するだけでなく、HEUも供給するのだろうから、大英断なわけである。当然ながら、核武装したくてたまらぬ韓国などに米国からHEUを渡すようなことはありえない。
じつは米国のエネルギー省は1992年をもってHEUの生産を停めてしまっている。しかしこの調子では、あらたにHEUの生産を再開しなければいけない。
そうなるとたとえばイランが発電用だと強弁してHEUを生産するのを、米政府としては非難しにくくなるわけである。
フランスと中共は、原潜用のリアクターをLEUで運転できるようにしている。その点では、米海軍よりも先を行っているのである。米国も、新型リアクターを開発しなくてはいけないであろう。
これが25年も前ならば、原潜のエンジンを極限まで小型化するためには、HEU燃料以外の選択はなかった。しかし今日の技術では、ちょっとだけエンジンを大きくすれば、同じ出力を、LEUから取り出せる。
※核不拡散しか頭にない人だと、完成するのが2040年代になるにきまっている「新原発」の話をこのように大まじめにするわけである。しかし列強の指導部の懸念は照準が2030年に合っている。というのは、2050になると中共の人口構成がすっかり老人化して、米国にはもう逆立ちしてもかなわなくなってしまうので、北京はギリギリ社会の若さが保たれている2030に対米対決の「最後の賭け」に出てくる可能性が大なのだ。そこで別な疑問も生ずる。豪州が原潜を8隻こしらえるといっているが、今はもう2021である。準備に2年かけ、2024から超ハイスピードで毎年1隻ずつ新造できたとして、2030時点ではまだ8隻体制にはなっていない計算だ。訓練を考えると、1隻も戦力になっていない可能性すらある。それでいいのだろうか? その意図が、読めない。