中共は高度1万5000mを20時間飛べるジェットエンジンの無人機「WJ-700」を1月に初飛行させていた。巡航速度は600km/時。

 Tyler Rogoway 記者による2021-10-11記事「Why Multi-Billion Dollar Nuclear Submarines Still Run Into Things Underwater」。
    米海軍の原潜で20年間、ソナーマンをやっていたベテランである、アーロン・アミックに尋ねてみた。
 どうして最先端のセンサーを持つ『コネチカット』が水中衝突事故などに巻き込まれるのかと。

 短距離用の、高周波のアクティヴ・ソナーを使うと、海底の沈船や機雷は、測音員にとっては「視覚化」される。

 ところがアクティヴ・ソナーを使うと、こっちの居所を、そのソナーの反射が戻ってくる距離の2倍も遠くに位置する敵潜が、聴けることになっちまう。

 最先端の高周波ソナー(ハイレゾ・ソナー、マッピング用ソナー)は、前方と側方、5000ヤードまでの海底を「視覚化」してくれる。しかし敵潜は、そのアクティヴソナーの発信音を、1万ヤード以上も離れたところから、察知する。そうなったら、あとは、こちらに気づかれないように、こちらを尾行できるわけだ。

 だから、基本的に、潜水艦のアクティヴソナーは、手持ちの精密なデジタル海底マップと、現在の自己位置を照合するための、最初の1回だけしか、使わない。あとは、加速度計によって自己位置を推定し、パッシヴ・ソナーだけを頼って索敵する。

 慣性ジャイロの誤差が蓄積したところで、またアクティヴソナーを1回使い、海底地形との再照合を行なう。

 米海軍の潜水艦長に与えられているデジタル海底マップ(紙に印刷されたバックアップ地図もあり)は、頻繁に最新情報に更新されている。いままで知らなかった沈船にぶつかるといった危険は、だから、あまりない。

 ベトナムおよび豪州とは「この海域にはおれたちの潜水艦は出さない」と相互に相談して決めているので、南シナ海でベトナム潜や豪州潜と不意に衝突することは考えにくい。
 しかし、その2ヵ国以外の潜水艦とは、米潜は、いつ水中衝突してもおかしくない。

 ※わが海自潜は、台湾より南の南シナ海へは行かないという、対米取り決めがあると想像される。

 行動中の潜水艦は、背景ノイズにうまく身を隠せるような水域・深度を好む。互いにそう心がけているので、すぐ近くにいながら、互いの存在をパッシヴソナーで察知していないということは、普通に、あり得る。

 UUVは、旧来のSSNが侵入できないような浅く狭い海域にも送り出せるので、大流行している。UUVなら座礁してしまっても味方の人命はリスクにさらされない。SSNだと人命リスクだけでなく、大きな政治リスクも生じてしまう。なにしろ原子炉なので。

 ※長年、シーウルフ級しか行くことのなかった、ごく浅い、シナ海岸のすぐちかくで、最近増えてきたUUVと激突……というのは、ありそうな話だ。それは、米軍がマッピング用に放ったUUVかもしれないのだ。

 南シナ海の海底地形は、じつは、刻々と変化している。プレートテクトニクスが活発なので、海底が盛り上がったり沈降したり、常に変わり続けているのだ。おまけに海岸近くは、他国の領海なので、なかなか海底地図情報を更新しにくい。

 それに、ところどころ、突然深くなったり、突然浅くなったりしている。
 特に、垂直断崖のように、突然浅くなっているところが、危うい。

 水中で何かに衝突したときの手順は決まっている。最後は、海面の安全を確かめた上で、浮上するのが普通である。
 いったん浮上したら、また潜水することはない。そのまま修理港まで浮航で戻る。

 次。
 星条旗新聞の記事「USS San Francisco Sits In Dry Dock」。
    いまから16年前、SSNの『サンフランシスコ』が〔古いマップには載っていなかった〕海嶺に激突して艦首がもげ、浮上してグァムのアプラ港に入り、そこのドライドックで応急修理して、母港のピュージェットサウンド海軍工廠まで6500海里を自航して戻ったことがあった。

 このたび、またしても新鋭原潜の『コネチカット』が海中で何物かと衝突し、浮航によってグァムに辿り着いた。

 困ったことに、かつて『サンフランシスコ』を修理した乾ドックが、もうアプラ港には、存在しないのである。※モスボール?

 今は、浮きドックしかない。

 グァムでできることといえば、埠頭脇に繋留して、原始的な修繕を施すことまで。
 艦齢42年の「潜水母艦(サブマリンテンダー)」が1隻、グァムには所在するから、その乗員が、手伝う。他にもう1隻、テンダーがある。

 しかし不完全な修理では、ハワイかピュージェットまで辿り着く前に、まずいことになるかもしれない。『コネチカット』は34億ドルもしたのである。

 1995年に、もう冷戦は終わったというので、マリアナ諸島の修船施設が整理されることになり、それは1997に完了した。
  ※フィリピンからの米軍撤退は1992。中共がミスチーフ礁を占拠したのが1995。

 グァムの船渠が民営化されると、米海軍としては、むしろ外国の船渠に仕事を外注した方が安いということになった。
 グァムのドライドックは、仕事がなくなり、消滅した。2つあったのだが。

 第二次大戦中に建造されたフローティングドックの『リチャード』(YFD-64)は、2016に比島の民間会社に売却された。

 浮きドックの『マシニスト』(AFDB-8、通称ビッグブルー)は1980建造だが、2011ハリケーンで損傷したので、2016に中共に送って近代化改修してもらっているところだ。その改装工事はまだ終わっておらず、グァムには戻ってきていない。

 1990年代初めには、グァムには修船工が800人いた。今はその半分以下だ。

 次。
 Matthew M. Burke 記者による2021-10-12記事「Customizable command-and-control vessel arrives on Okinawa」。
    『ミゲル・キース』は、『ルイス・B・プラー』級の遠征拠点艦である。勝連崎にあるホワイトビーチに10月5日にやってきて、沖縄の第七艦隊および第三海兵遠征軍の将校が内部を見学した。

 飛行甲板は、ヘリコプター4機を同時に発着させられる広さ。大量のコンテナを運搬し且つ捌ける。

 母港はサイパン島である。が、それは帳簿上だけで、いつもあちこち動き回っている。
 艦名は1970にベトナムで戦死して議会勲章を死後授与された海兵伍長の名である。

 この艦は、作戦の指揮統制艦となる機能を完備している。

 後方のデッキハウスには40名の契約民間船員が居住している。運航は契約社員任せなのだ。
 前方のデッキハウスには100名の水兵が。彼らは5ヶ月ごとにサンディエゴ港にて、チームまるごと交替する。「ブルー」組と「ゴールド」組が用意されているのだ。

 海軍の最も大型のヘリコプター×1機を修理できる格納庫もあり。しかしウェルデッキはないので、揚陸艦のようにホバークラフトを吐き出すことはない。また飛行甲板はF-35Bの運用を想定していない。

 海軍は、機能性のコンテナをいろいろ開発している。ミッションに応じて、特殊コンテナを取り替えて行く。

 契約船員の厨房には「揚げ物調理器」がある。しかし水兵用厨房にはない。したがって、水兵たちは上出来のポテトフライにはありつけない。

 次。
 Jennifer H. Svan 記者による2021-10-12記事「Bombers refuel with mobile kit created by airmen during historic pit stop at Spangdahlem Air Base」。
    2機のB-1Bがこのたび、西部ドイツのスパングダーレム空軍基地に降り立ち、VIPER=汎用統合パートナー給油キット を試した。

 この地上給油装置は、ホットピット、すなわち軍用機がエンジンをアイドリングさせている状態で、急速給油してやることができる。

 4500ガロンの燃料を40分で入れてしまう。

 米空軍のあらゆる機種に対応する、この給油キットの重量はわずか375ポンドである。軽い。それじたいを空輸できる。そして、いかなる同盟国の飛行場でもこれを機能させることができるのだ。

 従来ならば、大型の「給油トラック」がないとできなかった仕事を、もっと簡便に機動的にやれるようになった。

 この装置を考えついたのは、じつは空軍の地上整備兵曹(マスター・サージェント)2人組。空軍は「スパーク・タンク」という発明改良コンテストを毎年開催しているのだが、今年、その最優秀賞の最終選考に残った5つの発明品のひとつだという。

 キットの構成パーツは、すべて基地の既存品である。

 はじめ、欧州基地のF-16で試し、調子が良かったので、全機種、そして全世界の基地にこれを適用することになった。
 この年末までには、太平洋の基地にも出現するであろう。

 次。
 Mychael Schnell 記者による2021-10-11記事「California to ban gas lawn mowers, leaf blowers」。
   土曜日、加州のニューソン知事(民主党)は、ガソリンで駆動される芝刈り機や、ガソリンエンジン付きの枯葉ブロアーを、大気汚染防止の観点から、販売を禁止するという州法に、署名した。
 2024-1-1以降は、売れなくなる。

 ポータブル発電機も2028年までにはゼロ・エミッションにしなくてはいけないという。

 オフロードエンジンをつけたこれらの機器は、加州では、大気汚染の小さからぬ原因なのだという。
 APによると、加州には1670万台もの、こうした小型エンジンが、存在する。これに対して乗用車は300万台。

 エンジン駆動で枯葉を吹き飛ばすポータブルマシンを1時間動かせば、それは、2017年型のトヨタ・カムリでロスからデンバーまで1100マイルをドライブしたのと、同じ量の大気汚染物質を放出するのだという。

 ※その前に、飛行機がとびすぎ なんじゃね? カリフォルニアでは。