ウクライナが3週間戦っていると威張るなら、イスラエルは60年間ずっと戦っている。

 indomilitary の2022-3-21記事「Russia uses Forpost-M in Ukraine, Israeli-made combat drone whose sale the US opposes」。
   複数のSNS投稿から、イスラエル設計の攻撃型無人機「Forpost-M」をロシア軍がウクライナ戦線へ投入し、戦果を挙げていることが確認されつつあり。

 また、「OSINTtechnical」というツイッターアカウントによると、この無人機が1機、すでに撃墜もされている。残骸写真には「IAI」製であることがハッキリ分かる銘鈑が……。

 「フォーポストM」は2010年以降、ロシアが正式にライセンス契約を結んで国内製造している。

 最初は2009年、イスラエルから完成品を輸入していた。「サーチャーII」という名前だった。これがロシア内では「フォーポストM」に改名されたのである。

 また2019年にも再びロシアはイスラエルから、完成品の「サーチャーII」(フォーポストM)を36機、1億ドルで輸入している。

 ロシア国内でのライセンス生産(おそらくノックダウン生産)は2012年以降のこと。その生産は2014年まで続いた。

 米国はしかしこの商売について最初から怒っている。露軍は2016-7-17に、シリアで、「サーチャーII」を使った無人機爆撃を実施しているのだ。

 「フォーポストM」のエンジンは、「Limbach L550」。4ストロークエンジンで、47馬力。最高時速204km、最高高度6100mを飛ぶ場合、リモコン電波は最長150kmまで届く。
 搭載可能兵装は120kgまで。2発の誘導爆弾を吊るすには十分だ。

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 indomilitary の2022-3-21記事「US demands something impossible for Turkey to fulfill, sends S-400 Hanud system to Ukraine」。
   米国は、トルコ軍が輸入した「S-400」をウクライナに送ってやれ、とそそのかしている模様。
 ロイターの3-19報によれば、米国は非公式にトルコにそれを要請した。

 NATOの中では、ギリシャ、スロヴァキア、ブルガリアが「S-300」を装備している。このうちスロヴァキアは、米国からペトリオットが届けられたので、手持ちの「S-300」をウクライナ軍に引き渡す。

 「S-400」のフェイズドアレイレーダーは「I/Jバンド」を使用する。

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 Sean Spoonts 記者による2022-3-21記事「The Latest On Ukraine」。
    ロシアの「親衛第331空挺旅団」がキエフ北郊で「全滅」したという話は、事実ならばおそろしい。旅団の人数は3000人から5000人だからだ。

 ロシア軍の機械化歩兵は、乗っている装甲車から下車して散開する場合、せいぜい100mまでしか、その装甲車から離れない。これが祟っている。というのはウクライナ歩兵は3マイル先から対戦車ミサイルを放ってくるからだ。

 ※支那事変中、シナ軍便衣ゲリラから迫撃砲で撃たれて、その射点を討伐しようとしても、歩兵の足で1kmも移動する間に敵はスタコラ逃げ去ってしまうといういたちごっこに、日本軍は翻弄された。ゲリラ式に防禦する側の重火器の射程を一挙に弾撥的に急迫し得る手段が、進攻する側には必要なのだ。今日ではそれは、歩兵がバックパックで携行して、どこからでも射出できる、ロイタリングミュニションしかないだろう。すなわち米軍の「スイッチブレード」のようなものだ。

 今の泥濘期、ウクライナ歩兵の地形克服力が、露軍の装軌車両よりもある。そのためスピードは電撃的ではないものの、ウクライナ側に攻撃のイニシアチブが移っているのだ。

 ベラルーシ軍は、リヴィウ北方のルツク市をめざして越境参戦するのではないかとウクライナ軍は予想している。その目的は、ポーランドから流入し続ける補給物資の輸送路を遮断することにある。しかしベラルーシ軍の車両はロシア製なので、露軍と同じ「路外スタックor路上渋滞」の現象に直面するだろう。

 もっか、ロシア空軍は、ロシア陸軍から、ものすごく恨まれている。敵側の補給活動をまったく阻止爆撃してないじゃないかというわけだ。

 この戦争が終わったあと、ロシア陸軍の復員兵は、空軍の兵隊を町でみかけ次第に殴りかかるだろう。

 マリウポリを攻撃中に戦死した、黒海艦隊副司令官の上級大佐は、ウクライナ生まれだったのだが、ウクライナが分離独立するときに、敢えてロシア海軍に留まったのだという。

 ※ウクライナ軍が、中共製の安価な地対艦ミサイルや、ノルウェー製の「ペンギン」ミサイルのようなものをもっていれば、黒海艦隊は沿岸に近寄ることもできないはずだが、ウクライナ政府は地対艦ミサイルに過去、何の投資もしていなかった。テロ集団の「ヒズボラ」以下である。それでついに露軍は、フリゲート艦の豆鉄砲による艦砲射撃をマリウポリに加えるに至っている。これまた間抜けな話で、陸軍の旧式加農砲や重迫撃砲を載せて対地曲射ができるようにバージを改造するといった、安価にできる準備を事前にしておかなかったのだ。

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 Tyler Durden 記者による2022-3-21記事「Europe Can Survive Throughout Summer Without Russian Gas」。   西欧にはガスのじゅうぶんなストックがある。今、ロシアからの供給がゼロになっても、春までの、暖房用のガスは、足りる。そのあとは暖房需要がなくなるので、しのげる。

 ※早くパイプラインを爆破するとか機雷を撒くとかしなければダメだ。イニシアチブ(主導権)は、軍隊の参謀だけが気にすればいいのではなく、政治家が敵国を翻弄するために常に考えるべきことなのだが、西側の総大将のバイデンの頭の回転が遅すぎて、プーチンに対して何の翻弄もできていない。そこへ行くとレーガンの頭の回転はおそろしく速かった。それでソ連は、鼻づらをひきずり回され、受け太刀一方になった。西側が冷戦に勝てたのは、レーガンの頭の回転の速さのおかげだったと思う。