Sebastien Roblin 記者による2022-4-19記事「The UK Is Delivering a Menagerie of Armored Vehicles to Ukraine」。
英国は装甲歩兵戦闘車「スパルタン」など120両をウクライナへ援助する。
ウォレス国防相は先に、イラクとアフガンでいらなくなった耐地雷型の装甲トラックについて言及していたが、それらではなく、装軌式の本格的な装甲車が送られることになった。
300人前後のウクライナ兵が、この装軌装甲車の取り扱いに習熟するために、短期間、英国内にやってくる。ウクライナ兵は、旧ソ連仕様の装軌車の運転法しか知らないので。
細目だが、スパルタンが35両。他はいろいろ。サマリタン装甲救急車、サムソン戦車回収車、シミター偵察車などなど。
※核が使われるとなると、戦場移動で頼れるのはNBCフィルターがしっかりついているAFVだけだ。回収車はどうかしらないが、他はそこを重視しているのだろう。
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2022-4-15記事「Russia’s Military: Failure on an Awesome Scale」。
キンジャルの飛翔中の姿がビデオに捉えられたのは貴重であった。どうみてもその移動速度は、時速3800マイルを下回っている。つまり、ハイパーソニック兵器ではなかったとわかったのだ。
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Howard Altman 記者による2022-4-16記事「Sanctions Are Strangling Russia’s Weapons Supply Chain」。
西側のマイクロチップの輸入が不可能になったことにより、ロシア空軍の次期AEW&C機である「A-100」の製造は、不可能になった模様だ。
ウクライナ戦線での損耗を埋めるために、ロシア国内の軍需メーカーは、24時間、無休の操業を政府から要求されている。しかし、20以上の工場で、部品不足のために製造ラインを停めている状態だという(在ワシントンのウクライナ大使館が日々公開している「War Bulletin」による)。
モノ不足は必然的にインフレを呼ぶ。T-72を量産している「ウラルヴァゴンザヴォド」の戦車工場は、素材の防弾鋼鈑の値上がりに悲鳴をあげている。銀行からの借り入れ資金の利率も、逐次に上昇中だ。
※資材購入に余計なカネを使わねばならんので、工員への給与の遅配が発生するわけか。お上からノルマを強いられている以上はな。
フランスは2015年から2020年まで、計76件、総額1億5200万ユーロもの、対露の軍需部品輸出に励んでいたことが、最近、あきらかになっている。
部品の主なものが、戦車用のサーマル・イメージ・カメラ、戦闘機と戦闘ヘリ用のFLIRならびに航法電子機材であった。
これも、止まるだろう。
※なるほど豪州にフランスとの大口事業を破棄させるのに、米英として、いささかも遠慮は要らなかったわけだね。
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ストラテジーペイジの2022-4-19記事。
ウクライナ陸軍のAFV改修作業は、2014のクリミア侵略を承けてから、本格化している。
すなわち、状態が良かった250両の「T-64BM」と350両の「T-64BV」を整備しなおしたのだ。
他にもT-64のバージョンはあり、それらも総計するとT-64は1000両あったが、BMとBV以外は、使い物にならなかった。
「T-64BM」というのは、2007年以降、「T-64B」をウクライナがこつこつと独自に改修したものである。1ヵ月に1両、約60万ドルをかけて、直したという。
ウクライナ国内の戦車工場では、「T-84 Oplot-M」も生産した。それは2015年には累計55両となり、2016年には120両が加わった。単価は370万ドル。
ウクライナには後備兵器として300両の「T-72B」もあり、それらも近代化された。仕上がりは、ポーランド軍の「PT-91」と似ている。
じつはウクライナ軍は、T-72の改修に先立ってポーランドから「PT-91」を数両、手に入れて、テストしたのだという。
ウクライナとポーランドの軍需メーカーは、2011年いらい、兵器の共同開発をするようになっている。155ミリ野砲用の誘導砲弾や、120mm迫撃砲用の誘導砲弾が、その成果として、生み出されている。
ポーランドが国産している対戦車ミサイルは、ウクライナ国産の「RK-3 コルセア」をベースにしている。
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Anthony Cowden 記者による2022-4-19記事「Neptunes, the MOSKVA, and How Not to Sink a Cruiser」。
※この記者さんは『Fighting the Fleet: Operational Art and Modern Fleet Combat』という海軍将校向けの専門書の共同筆者の一人。数式満載である。
海軍が使っている計算式があって、『モスクワ』を高性能爆薬だけで機能停止させるには、弾頭重量150kgといわれている「ネプチューン」が、4.64発、命中する必要があった。その式によれば。
しかし『モスクワ』は2発で沈んだ。これは内部誘爆が破壊を助けたのである。ウクライナにとってはラッキーだったが、プロ軍隊ならば、最初から5発以上を発射するべきだったのだ。敵艦は、デコイやECMやCIWSで少数の対艦ミサイルをかわすことができると想像ができるんだから。
※雑報(9Gag)で、誰かが指摘していたが、『モスクワ』は『グラーフ・シュペー』と全長が40cmしか違わず、全幅は80cmしか違わないそうだ。
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Caitlin Doornbos 記者による2022-4-18記事「US troops to train Ukrainian forces on howitzers in coming days」。
米国がこれからウクライナ軍に進呈する18門の155ミリ野砲は、M198(古い)か、M777(新しい)である。射程は14マイルから18マイル。
ウクライナ軍現用のソ連製「mSATA-B」は152ミリ野砲で、レンジが15マイルである。
※ついでに供給するアーマーHMMWV(M1151)の渡渉力は、水深5フィートもあるという。排気管もご丁寧に竹槍仕様(ディーゼルの場合、水中排気は楽勝なのだが)。さすがである。
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2022-4-18記事「VKG: Russian gas could be replaced with Estonian shale oil in heating」。
エストニアは、ロシア産の天然ガスの代わりに、自国内で採掘されるシェール・オイルで、地域暖房は賄えると試算している。
LNGタンカーの受け入れ港をこれから整備しても、次の秋冬シーズンまでに間に合わない。工事費も非常にかかる。しかし石油暖房ならば、間に合わせられる。
必要なボイラーは安価であり、燃料も安価で、しかもカロリーはガスより大きい。
石油用のタンクや配管も、速攻で敷設できるという。
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2022-4-18記事「Latvia plans to compensate abortions for rape victims in Ukraine」。
ラトヴィア政府は19日までに、次のことを決める。ウクライナからラトビアに避難してきた女性が堕胎する場合、その費用は国費でまかない、中絶後のヘルスケアも提供すると。