ロイターの2022-4-19記事。
チェコ共和国の兵器産業は、ウクライナ軍の戦車・装甲車類の修理や整備を請け負うことになった。4-19にチェコ国防省発表。
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indomilitary の2022-4-19記事「Czech Republic Sends 20 Self-Propelled MLRS RM70 Vampires to Ukraine」。
チェコ共和国は、自走式のMLRSである「RM70 ヴァンパイア」を20両、ウクライナへ寄付する。
発射するロケット弾は122ミリ×40連発。
ラーンチャー車体は8×8の「タトラ T815-7」である。
この車体のキャビン部は耐NBC仕様になっている。
ロケット弾の飛翔速度は、2516km/時。レンジは20.75km。1つの弾頭から3150個のスチール片が、最大28m飛散する。
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雑報。
英国は対舟艇用の「ブリムストン」ミサイルをウクライナへ供給するという。
ただし詳細がわからない。
そこで英文ウィキで調べてみた。
ヘルファイアと同じ50kgで、ピンポイントに移動目標をつるべ射ちに仕留められる、空対地システムとして開発がスタートした。
トーネイドからクラスター爆弾をばら撒く方式は、よくないと反省して。
陸上から発射できる型もあるようだが、その場合のレンジは不明。
もともとミリ波アクティヴレーダーのうちはなし式だけを考えていた。しかし、イラクとアフガンで、静止目標に対してはこの方法だと味方誤爆やコラテラルが防げないと分かった。そこで、スポッターによるレーザーに導かれるセミアクティヴ方式も選択できるようにした。
英軍の場合は、戦闘ヘリか、戦闘攻撃機が運用する。
ブリムストーンの対戦車用弾頭はタンデム方式で、まず100グラムの先進炸薬が敵戦車のリアクティヴアーマーを反応させ、ついで本尊の6.2kgの炸薬が起爆する。
戦車に対する威力は、古いマヴェリックの3倍だという。
2008年以降、ブリムストーンの誘導方式は2方式をパイロットが選択できるようになった。ミリ波でロックオンする射ち放し式と、自機から照射するレーザーの反射に導かれるセミアクティヴ誘導式と。
動いている目標にはミリ波がよく、静止している目標にはレーザーがよい。
快速で走行中の武装型ピックアップトラックにも直撃してくれることはリビアで実証された。
2013年5月、メーカーは、洋上の固定プラットフォームから、5隻の高速ボート群に対して3発のミリ波レーダー誘導モードのブリムストン=「シー・スピアー」をつるべ射ちして、成功をおさめた〔同じ目標に2発以上が当たってしまう無駄を自動的に避けてくれるソフトウェアが期待通りに機能したということ〕。
その標的には、20ノットで航行する全長15mの舟艇が含まれていた。
ブリムストーンの最終進化型は「スピアー3」といい、ターボジェットでレンジ100km以上。
タイフーン戦闘機から発射する。
2016年にドイツは、イスラエルからリースしている無人機「ヘロンTP」にブリムストンを搭載することを検討した。
2019-9にMBDA社は、ポーランドの兵器メーカーのPGZと定型して、ブリムストンを対戦車装甲車に搭載することになった。旧BMP-1のシャシを使い、ブリムストン×12発を乗せる、などの案が検討されている。
……以上のウィキの情報から、ポーランドのシステムが浮上したのではないかと思う。
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SOFREP の2022-4-19記事「Russian Shipbuilder Vostochnaya Verf Shuttered, Lays off Workers for Lack of Funds and Parts」。
ウクライナの情報局がフェイスブック上で公表しているところによると、ロシアの造船所・修船所で、経済制裁のため西側製の部品を輸入できないことから仕事にならず、運転資金のショートが発生している。
ウラジオストックにある「ヴォストチナヤ Verf JSC」。
ウラジオストックでは、ロシア政府が発注した2隻のタンカー、2隻のミサイル艇、2杯の浮きドックなどが、完成できなくなっている。
そこでは、操舵装置、航法システム、無線機などを西側製品に依存していたという。
また、艦砲用弾薬の装薬を製造するラインに必要な機械部品が手に入らず、装薬製造ができないという。
造船所は4月1日から操業が停止状態。従業員の多くが解雇され、新規受注契約は受け付けなくなった。現在、破産手続きに入っているようだ。
ロシアの放送局は、『モスクワ』から救助された水兵たちとやら(左頬にほくろがあることで識別されるクルピン艦長を含む)を海軍軍令部総長のイェフメノフ提督がセヴァストポリで見舞ったというビデオを放映したが、SOFREP編集部は、これはフェイク動画であると断定する。名誉の戦死者たちが戦死していないことにされている、英霊への冒涜だ。
ウクライナ情報部はまた、ツィルコン・ハイパーソニック・ミサイルの製造も同様に滞っているようだという情報を明らしている。
SNSにはおそろしい映像もUpされている。ウクライナ軍が、ロシア軍の遺棄した梱包爆薬の包み紙をはがしてみたところ、中味は爆薬でなく、木材であった。これは、ロシアの工場において何者かが「横流し商売」「偽帳簿操作」をしており、あるべき正規の物資が宙に消え、まがいモノでごまかされていることを意味する。
GRUの報告がある。AFVから、電装品や、精密金属部品が、兵隊によって盗まれていると。
また、第四戦車師団がウクライナに投入されたところ、いきなり「徒歩歩兵兵団」と化していたという。戦車に、あるべきエンジンがついておらず、乗員が歩兵になるしかなかったらしい。
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SOFREP の2022-4-19記事「Moscow Struggling To Find New Conscripts To Fight In Ukraine Says Ukrainian Defense Ministry」。
ウクライナ戦線への新兵補充ができなくなって、クレムリンは大困りのご様子。
ウクライナ情報部が解説しているところによると、ロシア参謀本部は当初、26万人の予備役を動員してドンバスに投入する心組みであったが、市井人である予備役が、赤紙が来ると、皆、夜逃げしてしまい、召集に応じてくれず、兵隊が足りないという。
ちなみにロシアでは、65歳までも、赤紙で充員召集される可能性がある。
「後方の道路の警備しかさせないから。最前線で戦闘しなくていいから」と必死で説得している模様だが、誰も信じていない。
とにかく田舎に住んでいると召集されるので、モスクワかサンクトペテルスブルグに引っ越すのが、徴兵逃れの常套手段になるという。また、家が金持ちならば、医師に偽診断書を造ってもらい、重病人ということにして、堂々と、徴兵を逃れられるという。
ロシアでは、新兵(現役兵)の徴兵は4月1日から7月15日までおこなわれる。18歳から27歳までの男子が対象になる。
ロシアは20年前のチェチェンにも、未訓練の新兵を投入して大損害を受けている。そして口先では、新兵は送らないと約束し続ける。同じことを繰り返している。
塹壕の中で団子のように蝟集して3人が斃れている写真を見れば分かる。こいつらが戦闘訓練をロクに受けてないことは自明なのだ。