NY市ライカー島刑務所内にてトランスジェンダー囚人が女囚をレイプする事件が起きていたことが判明。

 Thomas G. Mahnken 記者による2022-4-27記事「The US needs a new approach to producing weapons. Just look at Ukraine.」。
    米国は、ストックしていたジャヴェリンの「三分の一」をウクライナに支給してしまって、これ以上はさすがにマズいと思うに至った。

 21世紀の戦争は、「高額弾薬消費戦争」の様相を呈することが、理解されてきた。

 2011のリビアもそうだったし、サウジ&UAE対フーシ(イラン)でもそうだし、2015には米空軍が対ISでヘルファイアを使い果たす一歩手前まで行ったものである。

 このあと起こるべき米対支戦争では、JASSM-ERやLRASMのような、ジャヴェリンよりも数等高額な対艦ミサイルが、あっという間に在庫の底をつくであろうことが、今から、強く懸念される。

 米連邦議会は2019からこの危険に気付いていた。すなわち米国内メーカーの精密弾薬製造ラインには、戦時の需要の急増に応ずることのできるような「弾撥性」が無いのである。だから、ストックを消費してしまったら、その後が続かないのだ。

 たとえば、ながらく発注されてこなかったスティンガーの製造ラインをこれから再稼動させるのには、最短でも18ヵ月、おそらくは24ヵ月かかると、レイセオン社は回答した。

 ※ここで「戦時の量産性だけを優先したミサイルの妥協的な性能基準」という「多段スペック」の考え方が導入される必要があるのだと思う。あたかも、スポーツ取材カメラマンが高速被写体にピントをあわせるために「シャッター速度優先」モードにして(露出を非優先にして)、画質の暗さや細部の情報量には眼をつぶる、その「割り切り」が、戦時補給の分野にも導入される必要があるのだ。つまり、ミサイルの「質」は、平時から「二本建て」で計画する。平時に軍の倉庫にストックしておくのは、最高性能のモノである。それは有事の「第一会戦」で消費される分だ。しかし、開戦後に急速量産させて「第二会戦」以降の消費に充てるのは、それよりはスペックが劣る、そのかわりに、ロボットと、ありふれた原料・資材だけでも無尽蔵に量産ができてしまう「ほどほどの性能のPGM弾薬」と決めておくのだ。その設備投資のための発注は、もちろん平時から軍の予算でしておくのである。

 米国は、友邦諸国の軍需産業とも、平時から、有事の大量調達について、協議しておくべきだろう。
 拠点としては、たとえばオーストラリアには大きなポテンシャルがあり、もっと投資されるべきだ。

 ※朝鮮戦争中、スターリンは、米軍が満洲で原爆を使い果たしてしまうことを期待した。そのあとで西欧に侵攻しようと思っていたのだ。今は習近平が、米軍が黒海やバルト海で対艦ミサイルを使い果たしてまうことを念願しているが、いまのところその願いが成就していないのは日本にとって幸いだ。兵頭の昔からの提言をここで繰り返しておく。平時の米政府に、対支政策で強気を保っていてもらうためには、日本にかかわる地域有事のさいに米軍がいつでもタダで使ってもいい各種の精密誘導弾薬を、日本の予算で日本国内の複数の弾薬庫に大量に貯蔵しておくのが、最も日本にとって安上がりな国防になるのだ。また世界の安全に日本が貢献することになるのだ。GDP2%は弾薬備蓄増に使うべし。貿易黒字解消をリクエストされたら、兵器ではなくて弾薬を買うべし。さすれば定員増などと違い、防衛省の将来の肥満化を固定しない。この線で大蔵省を説得し、法整備を急ぐべし。

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 ストラテジーペイジの2022-4-27記事。
   ペンタゴンは認めた。もしスターリンクが、国防総省の仕切りであったなら、このたびのようなロシアのジャミング攻撃を受けたとき、それをすばやく凌駕する運用は不可能であったろう、と。スターリンクを運用しているスペースX社が、イーロン・マスクの私企業であったおかげで、官公署ならばとても考えられないスピードで、敵の攻撃に対応ができたのである。

 イーロン・マスクは、ウクライナのデジタル担当大臣から、スターリンクをウクライナ国内で使えるようにしてくれと頼まれてから、たったの4日で、それを実現した。これが米政府への依頼であったなら、到底不可能な速さである。

 スターリンクはまだ、当初計画の20%の衛星数しか回していない。そして2022-2-24以降のロシアの電子妨害は、初の試練であったが、難なくその挑戦をしりぞけた。軍隊以上の活躍だ。

 スターリンクのビジネスモデル。誰でも500ドル払って衛星リンク・ルーターを受け取れば、衛星経由でインターネットできる。月額は99ドルである。
 順調に契約客数が伸びれば、スターリンク衛星は最終的に3万機が、LEOを周回することになる。

 ウクライナ軍の適応力もすごい。目標捜索と観測用のUAVから、味方の砲兵にビデオ動画や座標データを電送するのに、スターリンクを使っているのだ。※ここがいまだによくわからない。オフザシェルフの小型のUAVには、衛星通信ができるパラボラを、簡単には載せられないのではないか?

 ※BOOTH企画で世話になっている云那さんが、独自のコンテンツをUPしているので、リンクを紹介しておく。「https://inaina0402.booth.pm」。映画の話だそうです。

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 Joseph Trevithick 記者による2022-4-26記事「Ukraine Situation Report: Swiss Veto Threatens Delivery of German Anti-Aircraft Vehicles」。
   独軍のゲパルト対空戦車の対宇供与をスイスが妨害ちゅう。35ミリ砲の設計はスイスのエリコンである。その弾薬もエリコンである。知財である。初期の契約により、スイス政府は、その第三国への譲与移転を拒否できる。

 機関砲だけではない。レーダーもFCSも実はエリコンなのだ。エリコンの対空システムをそっくり、レオ1車体の上に載せたものなのだ。それを移転してもらっては困る。

 ゲパルトは1970年代から西独軍の装備だったが、今は独軍の現用品ではない。予備兵器として倉庫にしまってあるものである。

 クラウスマッファイ社によれば、50両が保管されており、そのすべてをウクライナ軍に供与できるという。ただし操作法をドイツ国内でウクライナ軍将兵に教育せねばならず、移転がいつ完了するかは不明。

 NBCテレビによるすっぱ抜き。戦争初盤で露軍の兵士を満載した輸送機イリューシン76が2機、撃墜されたが、その撃墜に必要な情報は、米軍からウクライナ軍へ提供されていた。こうしたリアルタイム情報供給によって、ウクライナ軍は北部戦線をもちこたえ、逆にグイグイと押し戻すことができたのだ。

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 ヤバイ遊覧船に最初の電話で気付けたら運がいいのだぜ、という話。

 2000年11月に『日本のロープウェイと湖沼遊覧船』という写真集を作ったときに、某有名湖の遊覧船が昭和39年建造の木造らしいことに驚いたものだが、かりにもし、湖でなにか事故が生じても、救助の心配はそんなになかっただろう。木造なら、部材に浮力もあるしね。

 大問題なのは、近年の沿岸観光。

 わたしは、独身時代には、洋上観光の危険などまったく閑却して、あらゆる船舶舟艇に乗りまくった。が、所帯をもったら、そうもいかぬ。

 2018年の8月の土曜日、たまたま奥さんと余暇時間が一致し、天気も好かったので、当日予約で、ある沿岸遊覧観光船に乗ってみようと思いついた。時刻は8時台である。最初のフネは11時に出るらしい。さっそく、ネットで番号を調べて電話をかけたら、いっこうに、応答が無い。呼び出し音が鳴り続けるだけだ。

 インターバルをあけて、1時間強、電話連絡を試みてみたが、ダメ。そしていくら調べても、この観光事業者さんの電話番号は、携帯の番号がひとつだけのようであった。固定電話の番号が、書いてないのだ。

 わたしは、「これはあかんやつや」と判断した。

 たとえば、じぶんの家族にこの洋上ツアーを勧めて、みずからは留守番をしていたとする。何か事故が起こったんじゃないかと心配になったときに、連絡手段が携帯番号ひとつだけで、しかもそれがつながらなかったら、どうするんだ? 船が出る漁港は、自宅から自動車で数時間も走らないと行けないところなのだ。

 いらい、わたしは、この沿岸観光について地方新聞がどれほどヨイショ宣伝記事を書いていようと、みずからはそれを試す気にならんのである。



日本のロープウェイと湖沼遊覧船

云那の映画裏目読み論評 ~MIDWAY(2019)~