驚くべき腐敗。露軍戦車の車体正面の「爆発反応装甲」(弁当箱)は「半埋め込み式」となっており、そこだけ圧延防弾鋼鈑にリセスが……。つまりスチールをがっつり削って、材料費を中抜きしていたのだ。

 そして、第一世代のRPG-7でもこの仕様ロットのMBTを真正面から破壊できるとわかってきた。フロントハルの傾斜部分に当てれば。
 すなわち、メイドインロシアの現用ERAじたい、おそらく何かの手抜き量産仕様になっていて、現実には機能しない。
 「増着装甲」どころか、「削減装甲」だったでござる。もはや張子のねぷた。ひょっとして61以下かよ!

 こうなると、陸自余剰の「ロケラン」(バズーカ)や、小銃擲弾でも、ワンチャンあるわけだ。捨てなくてよかったね。

 なお、ある動画のキャプションには、安定尾翼付きの対戦車手榴弾を投下しているドローンは「MAVIC3」だと解説している。真偽は不明。 

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 indomilitary の2022-4-28記事「This is PARM HEAT ? Anti-Tank Mines from Germany in the Ukraine War Game」。
   道路脇にしかけるドイツ製の対戦車ロケット弾PARMには複数のバリエーションがある。そのうち「DM22 HEAT」が東部のIzyum戦線(ハリキウ近く)でロシア軍により回収されSNSに写真が出た。

 リーク情報によれば、ドイツは各種の対戦車地雷を2000個、ウクライナに送っているらしい。その一部だと考えられる。

 PARMは1983から88までさまざま試作研究された。ドイツ陸軍は1990年代に公式採用。これまで2万5000個が製造されているという。

 「PARM2」はセンサーに赤外線を加えている新型。
 「1」も「2」も、簡易な三脚の上に固定される。その弾頭の向きは360度、調節可能。俯仰も、+90度から-45度まで可変。

 振動によるセンサーで自動発射することもできるし、有線で視発式にすることもできる。

 仕掛けてから40日間が経過すると無害化するデバイスが組み込まれているので、国際人道法の準則も満たす。

 発射されるとロケット弾は空力安定板を展張する。飛翔速度は1秒で120m。しかし使用設定は標的までの距離を100m以下にする。

 厚さ60センチの鋼鈑をHEATは貫徹できる。衝撃波と破片の毀害半径は最大40m。

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 ストラテジーペイジの2022-4-29記事。
   ノルウェーは、同国の保有するMANPAD「ミストラル2」の全量をウクライナへ発送した。
 ノルウェー軍は「ミストラル3」にきりかえつつあるので、古い世代の一掃となる。

 ミストラルはマン・ポータブルではあるが、肩射ち式ではない。重さ23kgのラーンチャーから、重さ19kgのミサイルを発射する。レンジは6500mだ。

 これに対してスティンガーは、発射筒コミで14.3kg、飛翔体だけだと10.1kg。レンジは4500m。

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 Dan Parsons 記者による2022-4-28記事「Ukrainian Battle Buggies Are Out To Kill Russian Tanks」。
   ウクライナの特殊部隊が駆使しているバギーは何なのだろう。そこに搭載されているATGMは、同国国産の「Stugna-P」である。射手が標的を照準し続けることで誘導される方式。興味深いのは、その車体の方。

 「ポラリス・レンジャー」「MRZRアルファ」などが考えられる。
 「レンジャーUTV」はたったの32馬力だが、1500ポンドを牽引できる。地上クリアランスは10インチである。
 海外基地に駐留する米兵は、基地の売店で44馬力の「ポラリスレンジャーSP」を1万2000ドルで買って乗り回している。