赤の広場の上空にホビー仕様の固定翼ドローンが飛来して、騒ぎになるかどうかに注目だ。

 Stetson Payne 記者による2022-5-7記事「Ukraine Strikes Back: Su-27s Bomb Occupied Snake Island In Daring Raid」。
   ウクライナ空軍所属の2機の「スホイ27 フランカー」が蛇島に超低空で南側からアプローチし、トス爆撃によって島の上の建物を破壊した。

 かたやTB2は、蛇島に低空域防空システムを搬入しようとしていた露軍の大発を爆破した。

 蛇島の南端には灯台がある。フランカーはその灯台の方角から、灯台よりも低い高度で接近した。これは理に適っている。敵のレーダーは北&西向きに警戒していたであろうし、敵のAAの射線には灯台が物理的な障害となる。

 爆撃直後に二次爆発が起きているから、弾薬庫か燃料タンクに命中しているはず。

 この爆発に投下機は、まきこまれるリスクがあった。相当リスキーな攻撃プランだった。

 TB2の攻撃で島上が混乱しているさなかに、フランカーが突っ込んだ。巧みである。

 島には露軍が「ZU-23-2」(連装23ミリ自走機関砲)と「Tor」を、搬入済みであったか、搬入作業中であった。それをTB2が吹き飛ばした。他に「ストレラ」もある。※だから夜間に爆撃している。

 ※やはり灯台の近くで吹っ飛ばされた「ミル8」は、特殊部隊を運んできたのではないかともいう。いまや露軍ヘリも、SAMをおそれて、洋上を海面スレスレで飛行して来るしかないようだ。そうなると「対ヘリ用の地雷/機雷」というものも考えられるわけだね。

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 Prime Gilang 記者による2022-5-8記事「Serna Class Landing Craft Utility ? Mainstay of Russian Amphibious Landing Operations」。
   蛇島の桟橋でTB2に爆破されたLCUは『セルナ』級という。

 特徴はその高速性にある。平底の揚陸艇なのに、45トンのAFVを積んだ状態で、波高50センチの海の上で、30ノット出せるのである。波高1.25mでも27ノット出せるという。

 これは船底に空気層がつくられるような設計になっているためだという。すなわちモーターボートのように滑走するのだ。

 航続距離は600海里=965km。

 さすがに、波高4mになると、この大発は、使えなくなる。

 全長25.6m×幅5.8m。自重105トン。エンジンは3000馬力のディーゼル×2基。1500馬力の発電機×2機。プロペラ推進軸は2本。

 固有乗員4名。武装は、PKM軽機×4梃と、肩射ちSAM×4本。

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 The Maritime Executive の2022-5-3記事「Fiji Agrees to Let U.S. Seize Russian-Owned Megayacht」。
   フィジーの高等裁判所は、同国の港に停泊している豪華ヨット『Amadea』を米政府が拿捕することを許可した。この350フィートのモーター・ヨットは2016にドイツで建造。値段は3億5000万ドル。プーチンのお友達の「スレイマン・ケリモフ」の所有と信じられている。

 エンジンは5800馬力。20ノットを出せる。航続距離は8000海里。固有クルー25人。ツインの賓客用個室×8室。

 ケリモフの個人資産は、110億~140億ドルと見積もられている。
 米財務省はケリモフを2018年から制裁リストに登載。

 『Amadea』は4月中旬にフィジーに来航。ただちに米政府はフィジーに差し押さえを申し立てていた。すでにFBI職員も島に送り込まれている。

 ケリモフの弁護人は、この豪華ヨットはすでにRosneft社社長のエデュアルド・フダイナトフ氏の所有となっているので、経済制裁の対象にはならぬはず、と抗議している。

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 Guy McCardle 記者による2022-5-8記事「American Built RPG-7s Being Used In Ukraine Against Russians」。
   米国はウクライナ軍に対して、RPGのコピー製品も供給している。その名もズバリ「RPG-7USA」。
 メーカーはテキサス州にある「AirTronic USA」社だ。

 2015にSOCOMがこの兵器を要求した。つまりロシアによるクリミア侵略の翌年だ。そして2017年にまず500梃が、ウクライナ軍に与えられた。ただし実戦に持ち出されたのは2022年2月以降であるという。要するに、ウクライナ軍の特殊部隊を米軍が稽古してやるのに、こういう武器も使ったわけだ。

 スペック以外の秘度が高く、このたび鹵獲品をロシアのメディアが写真公表したので、細部が具体的に明らかになった。

 米国製のRPG-7は、本家オリジナルよりじゃっかん軽量。軍用規格のスチールが用いられている。耐久寿命、1000発である。
 ちなみにRPG-7の最大発射速度は、1分間に4発だ。

 本家品には無いポイントとして、米国製RPGにはピカティニーレールがしつらえられている。だから、夜間はナイトヴィジョンを取り付けられる。

 サーマル・サイトは800mまで照準可能である(12倍レンズ)。その距離でも9割は当たるという。本家のRPGは、せいぜいその半分が照準の限界だろう。

 メーカーによると、ペルー軍と比島軍にも、このRPGは売られたという。

 ※このRPG-7から、無誘導の対ヘリ用の「脅かし弾」を発射できるはずである。つまりはVT信管。そして照準機側にはレーザーと角速度計算回路。引き金ひきっぱなしで1秒くらい目標を追随すれば、自動的に最適な見越し角がレティクルにあらわれ、それが合致した刹那にタマが飛び出す。脅かしになればいいのだ。そういう援助用の弾薬の研究をするべきである。

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 Minnie Chan 記者による2022-5-7記事「Why Taiwan may ultimately benefit from delays to US weapons delivery」。
   台湾の元海軍士官学校教官氏いわく。スティンガーとパラディン自走砲の納品の遅れは、台湾にとってそんなに悪い話ではないと。

 可能性としては、155mm自走砲の代わりにHIMARSの注文数が増やされることになる。
 レンジがより長いので、台湾沿岸ではなく、シナ本土海岸の艦艇を打撃でき、そっちの方が合理的である。

 ※この人物はHIMARSの射程を500kmと書いている。ATACMSと混同?

 2021-6に台湾国防相は、4億3600万米ドル相当のHIMARSを発注し、それは2027年までに納品されるとアナウンスしている。

 では、2億4600万ドル分のスティンガー(250発)の納品遅延はどう穴埋めされるのか? 予定では2022から2026のあいだに入手できるはずだったのだが。

 これは、レイセオン社が2年後から量産スタートする最新改良型のスティンガーに、内容が変わることになるだろう。それは高性能だが値段も高くなる。

 台湾にはこれに関して他の選択はありえない。中共を気にしないで台湾に武器を売ってくれるのは米国だけなので。

 中共軍はいま、ウクライナの戦訓をおおわらわで学習中だろう。今までの台湾侵攻プランは一回ご破算にされて、あらたな計画を決めねばばならない。とうぶんは、台湾には攻めてこられまい。

 ※タイミングよく米軍が、新方式の「クイック・シンク」という、対艦用のレーザー誘導の投下爆弾のデモ動画をリリースした。投下爆弾であるのに、標的廃艦(中型のケミカルタンカー?)が、文字通りまっぷたつに折れて轟沈している。私見だが、この誘導爆弾キットは、わざと敵艦の中央舷側至近の水中に着弾して、水線下~艦底で起爆するような絶妙なアルゴリズムになっているのではなかろうか?