火曜日のバイデンの決定。朝鮮半島以外では、米軍は対人地雷を使ってはならぬ。

 韓国でも米軍は使わない。しかし韓国軍が対人地雷を使うのは許容するということ。

 ※視発式のクレイモアは、ここでいう対人地雷には含まれない。
 ※米国は対人地雷禁止条約に署名していないが、民主党政権はその路線を支持してきた。

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 Joe Ritter 記者による2022-6-20記事「Getting Drones Ready for Conventional War」。
    ※記者は「MQ-9 リーパー」を2016年から飛ばしてた現役プロ。実戦でも1年以上運用し、その間、十数回、空対地攻撃した。他にはRC-135にも乗務。

 中高度を低速で飛び、ステルスではない、プレデター・クラスの大きさの無人機が、ゲリラ相手以外にも使い物になり、それどころか、もはや本格戦争にも不可欠な道具であることは、現時点でほぼ立証は済んだと信ずる。

 アフガニスタンでは米軍は二回、無人機で大ヘマをやった。
 一度目は2001年。オマル爆殺失敗。要塞屋敷の内側にいることを情報で掴んでいたのに、「MQ-1 プレデター」はその屋敷の外の自動車を攻撃してしまい、取り逃がした。
 二度目は2021年、アフガンから足抜きするとき、カブール市内の、ゲリラ活動と関係ない人の集まりに「RQ-9 リーパー」が爆弾を落として住民10人を殺害してしまった。

 こういう疑問があった。フーシですら米空軍のリーパーを撃墜できている。イランは高度1万m以上の「RQ-4 グローバルホーク」を2019年に撃墜している。そんなもの現代戦場では生き残れないだろ、と。

 しかしそれをいうなら1999にセルビア軍は古いSA-3によって最新秘密兵器だった「F-117」ステルス戦闘機を撃墜しているのである。要は、戦場の脅威について正しい見積もりをしていなかったら、どんな飛行機でも撃墜され得るのだ。それだけ。

 今次ウクライナ戦役では、TB-2のレーダー反射面積がやはり小さいのだということが確認されている。TB-2によって露軍のSAMシステムが複数、破壊されている。

 ※陸上でのバイラクタルの活躍が5月以降、聞こえてこなくなったような気がする。撃破動画の新投稿がなくなってないか? それに対して蛇島とその周辺海域における、ウクライナ海軍所属のTB-2は一貫して活躍し続けている。

 TB-2は米軍の中型無人機と違って「ライン・オブ・サイト」の距離でしかリモコンをしない。すなわち200マイル未満の範囲でしかデータリンクできない。だから安価なのである。

 ※これは、地上の操縦ユニットが敵の砲撃にさらされ得るということ。だからバイラクタル社は、操縦ユニットを、あたかも民間の工事業者のおんぼろトラックでもあるかのような外貌にみせかける工夫を凝らしていると思う。リモコンユニットの所在位置が上空の敵UAVの目を惹いてしまったら、万事休すなのだから……。

 米軍は、中型無人機に「消耗OK」なラインナップを加えるべきである。それを無数に飛ばしてやることにより、敵の高性能SAMをどんどん無駄射ちさせてやることができる。敵の有人戦闘機も、その警戒対処のために割かれるしかなくなるのだ。

 大量のUAVを「実戦的」に運用する演習は、じつは、米本土の広大な演習場でも、実施が難しい。なぜなら民間航空への危険予防とか、テロ警戒官衙を混乱させないとか、いろいろ配慮して自粛しなくてはならぬ部分が多々あるため。
 そのため有人機ならできる「レッドフラッグ」演習のようなことを、無人機でやることができない。そのため米軍ですら、無人機戦争のおそろしさは、じつは把握できていないのだ。

 衛星経由のデータリンク操縦は、対ゲリラ戦争の局面では、米軍「リーパー」部隊の強みであった。
 しかし、相手がシナ軍、ロシア軍となったら、この長すぎるデータリンクは、むしろ脆弱性だろう。

 地球の裏側の無人機を操縦できる衛星データリンクは、本土の米軍上層部による「リーパー」のマイクロマネジメントを可能にした。対テロ戦争ではこれは必要だが、対支実戦ではこれは害になる。敵の砲兵ユニットひとつを発見してすぐにも破壊できるというときに、中央からの許可を30分も待たされたのでは、こっちが投弾する前から、すべてが手遅れになってしまう。

 この弊害も、「無人機を使う実戦的な訓練が平時からできていない」ことに遠因する。命令を出す側も、それを実行する側も、結果判断をしにくいのだ。

 平時から実戦的な状況の訓練を、上層から末端まで参加して繰り返していれば、実戦では、攻撃判断そのものを、末端に任せてしまうことも可能になる。WWII中のヤーボのように敵を圧迫できる。

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 Defense Express の2022-6-21記事「Ukrainian Artilleryman on His Experience Operating M777」。
    ウクライナ軍でM777小隊を指揮している中尉にAPがインタビューした。
 この中尉は152ミリのD-30なども扱った経験があるが、M777は砲身が低いところについているのでカモフラ偽装しやすいという。水平射ちだと地上高が65センチにしかならぬ。

 ペンタゴンの6-17データだと米からウクライナへはこの砲弾26万発が供給される予定。

 1門のM777は、1日に12回から20回も、陣地変換をしている。砲兵用語で「シュート&スクート」(射ったら走り去れ)と呼ぶ戦技。

 これは対戦車ミサイル班でも同じ注意が必要。1回射撃したら、漫然とその場にとどまっていてはいけない。
 ※露軍がしきりにM777爆破映像をUpしている。それをみるとやはり陣地転換でチンタラとずんだれているウク兵はあっという間にやられて終わりだ。頭上のドローンにまったく気付いている様子がない。これはすべての先進国軍砲兵に対する教訓である。ユビキタスに敵のドローンが飛ぶようになった今日の戦場では、陣地進入に先立って対空遮蔽偽装網を展開する必要がある。その下で放列布置するしかない。もちろん1発撃ったらすぐ退散。

※雑報によるとウクライナ軍も、冷戦期の古い兵器、73ミリの「無反動砲」SPG-9(三脚付きで長いやつ)を持ち出している。これも「はじめに弾薬ありき」だろう。この弾薬が倉庫に豊富に余っていたから、それを発射できる重火器に価値が出てきたのだ。

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 Brett Allen 記者による2022-6-20記事「The best hunting GPS for scouting, stalking, and tracking」。
    狩猟用に携帯するGPS地図表示器材。すごいのは、ガーミン社の「inReach Explorer+」だ。

 電池が長持ちする。スマホと連携でき、スマホ地図も読み込める。

 衛星交信できるということは、キミの家族はキミがどこか辺境で熊に喰われて果てたのではないかと心配しながら帰宅を待つ必要もないというここと

 値段は高い。イリジウム衛星の使用料もかかる。
だから、その土地を知り尽くしている地元ハンターだったら、これは不必要な贅沢だろう。

 価格で選ぶなら、ガーミン社の「eTrex 22x」だ。
 緊急遭難信号の発信には使えない。

 内臓地図の豊富さで選ぶなら、ガーミン社の「GPSMAP 66i」だ。スマホとシンクロできる。

 軽さで選ぶなら、ガーミンの「InReach Mini」。
 アプリで推薦できるのは「onX Hunt Premium App」。
 ボート猟に向くのはガーミンの「Striker 4」。
腕時計型なら、ガーミンの「Instinct Tactical Edition GPS Watch」。

  ガーミンまつりになってしまったが、こういう記事をつくるにあたっての媒体としての指針は、ちゃんと公表している。

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Vera Eckert 記者による2022-6-21記事「Europe may shift back to coal as Russia turns down gas flows」。
   ドイツだけでなく、イタリア、オーストリー、オランダも、石炭火力発電所をバンバン燃やすことで次の冬を乗り切るつもりだ。

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 Thomas Newdick 記者による2022-6-20記事「SM-6 Missile Used To Strike Frigate During Massive Sinking Exercise In Pacific」。
    「ヴァリアント・シールド」演習の最終演目は、SINKEX。実艦撃沈だ。このたびはSM-6を対艦ミサイルとして発射して、除籍艦の『ヴァンデグリフト(FFG-48)』(OHペリー級フリゲート)に当てた。

 スタンダード・ミサイルは、6月17日、イージス駆逐艦の『ベンフォルド』が発射した。1発のみ。

 SINKEXではいつものことだが、ひとつの兵装だけが実験されるわけではない。だから、SM-6だけで『ヴァンデグリフト』が沈んだかどうかは、実験を主宰している部内者しか知らぬこと。

 気になる射程だが、ハープーンのブロック2のレンジが75海里〔138km〕だといわれ、かたやSM-6を対艦に使うと、その2倍だという。

 SM-6の弾頭には大した量の炸薬は入っていない。しかし終速はマッハ3である。このスピードで一定のマスが衝突すれば、敵艦の構造はバラバラだ。