安物のコロコロをストレスなく剥く方法。

 ここでいう「安物のコロコロ」とは、3巻入り袋が200円しない売価のもので、ロールの両端のうち一端にだけ、1cm弱の切れ込みが入っていて、その他には何の細工も無い物である。

 筒の両端、それぞれ数ミリのエッジ帯には、粘着剤は塗布されていない。

 方法。
 ロールをハンドルに取り付けた状態で、ローリング掃除後、全面の粘着力が半減したところで、ロールをあなたの体前に、「縦位置」に保持する。

 すなわち、切れ込みのある端をあなたの体から遠い方、切れ込みのない端をあなたの体から近い方にして、保持する。

 このロールの「皮」を、あなたは、左の方向へ剥いていかなくてはならない。

 初回は、うまい方法はないので、なんとか苦心して紙の終縁部を爪でひっかけて剥き始めるしかない。

 剥き始めて1回転――初回に限って1.5回転ということもある――させると、再び、「切れ込み」が真正面にやってくる。

 ここで、その「切れ込み」の部分から、下に向って破いていくのだが、けっして「ころがりの軸」に沿ってまっすぐ手前へ向かうように破いてはいけない。

 角度にして20度から30度、「ころがり軸」よりも右寄りにズレて行くように、破くのである。

 こうすると、手前に近い方の粘着面は、一枚下のサラな面によって「更新」されず、わずかに、古い、粘着力の落ちている紙の縁が残される。その手前の紙の縁端部は、三角形に尖っていて、つまみ易い。

 次回からは、この、粘着力のない三角形の縁端部を手がかりにして「剥き」に入る。以降は、これを繰り返すだけだ。

 わたしは、この技法に辿り着くまでは、さまざまな高価格帯のコロコロ商品を試したが、真にイライラさせない商品は無いようだと察した。

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 The Maritime Executive の2022-6-19記事「 Russia Disrupts Kazakhstan’s Main Oil Terminal for UXO Clearance」。
   ロシアは、カザフスタンの原油の輸出量の三分の二を担っている、カスピ海底横断パイプラインを止めた。理由は、第二次大戦中の不発弾を除去する作業が必要だからだという。

 カザフスタンは陸封国である。最寄の黒海の港、ノヴォロシスクはロシア領であるが、そこからタンカー船で海外へ輸出するしかない。そこで、ノヴォロシスクまで、パイプラインを敷いていた。この輸出ルートを過去21年、使っていた。キャパは日量140万バレル。世界の原油の海上貿易量の2%強というところ。

 ノヴォロシスク港湾当局によると、先週、3本の魚雷を含む古い不発弾×五十数発を、とつぜん、海底で発見したという。過去21年、発見していなかったのだが。
 これを除去するため6-20から港の一部機能を止める。

 カザフの石油大臣いわく。船積み用のブイの1個は、機能しつづけるので、大問題ではないのではないかと。


 ※雑報によると露軍が市販の「DJI Mavic 2 Pro」に40ミリ擲弾の「VOG-25」をとりつけて自爆攻撃を試みた証拠がウクライナで撮影されている。ヘルシンキ大学は「孔子学院」を閉鎖した。2014からウクライナのEEZ内で違法掘削していたロシアの石油リグが爆破された。砲撃または対艦ミサイルという。

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 Alex Vershinin 記者による2022-6-17記事「The Return of Industrial Warfare」。
    ロシア国防省は砲弾発射総数を日々発表している。
 露軍の機械化歩兵旅団は3個野砲大隊を抱えており、うち1個が多連装ロケット砲なので、発表数の三分の二が砲熕兵器によると概算してもいいだろう。

 露軍の152ミリ榴弾砲の1個大隊は6門から成る。しかし故障や損耗があるので今は4門で計算していいだろう。

 その1門が毎日4発、発射していると考える。
 合計して、ロシア軍の砲熕砲兵は、1日に6240発を発射しているとわれわれは見積もる。

 この他に、弾薬集積所や弾薬トラックを破壊されたり、陣地転換時に置き去りにされて無駄に捨てられた砲弾が15%あると考えると、日々7176発の消費だろう。
 この数値の誤差は5割あり得ると考える。

 米軍が年々調達している砲弾は、数量はわからないが金額は公表されている。そこから試算すると、ウクライナ戦線でロシア軍がやっているような砲撃をもしも米軍が実施した場合は、10日から3週間にして、1年分の調達分を射耗してしまう

 さいぜん、米英仏が合同で指揮所演習(コンピュータ上のシミュレーションだけの演習)したところでは、英軍は、国家の砲弾備蓄を8日間にして使い果たしてしまうだろうという予測が立った。

 ジャヴェリン・ミサイルはどうか。ウクライナ軍は日々、500発を射耗しているという。米国からはこれまでに7000発が供給された。それは米国内ストックの三分の一であった。ロックマートの製造ペースは年に2100発である。これには増産命令がかかっているが、数年後にせいぜい年産4000発になるというくらいが関の山。どうするのか?

 戦域射程の地対地ミサイルと、対地用の巡航ミサイルはどうか。ロシアはこのカテゴリーのミサイルをこれまで1100発~2100発消費したと見られる。

 それに対して米軍の調達ペースは? 年に、PRISMを110発、JASSMを500発、トマホークを60発という感じ。

 かつてロシアは、どん底の状態だったミサイル増産を2015に号令したが、2016年の生産数は47発だった。米国であっても、ミサイルの大量生産体制は、5~6年かけないと、整わない。

 ※今後、非核の砲弾の在庫が空になった時点でもしプー次郎が隠退させられていないとすれば、残るストックである核を使う戦争に移行させるしかないだろう。

 ロシアのストック量は誰も知らないが、非核用の巡航ミサイルと短距離弾道弾を合計4000発くらいはまだ持っているだろう。

 「カリブル」の動力部のメーカーである「ODK Saturn」は4月、大増産体制に移行しつつあるとアナウンスした。※チップが無いのにどうやって完成品にしますか? ドイツからの工作機械の輸入ができなくされたというのに、増産できるわけがない。工作機械の国産にも集積回路は不可欠なのだ。それがもう無い。

 今次戦争より前、戦争で所要される砲弾数は減る一方だった。誘導武器が砲弾消費をどんどん減らして行くと信じられた。
 ところがその趨勢に逆転が起こった。
 まず序盤の機動戦がすぐに陣地戦と変わり、互いの車両の動きが鈍くなった。
 おかげで、無誘導の15榴砲弾を、UAV観測によって敵AFVの至近に落とすことが容易になった。

 旧ソ連設計の両軍の主力戦車は、15榴の至近弾で中破させられてしまう。

 距離40km以内で十五榴の砲弾がミサイル並の仕事をしてくれるという特異な戦場が出現した。

 有人航空機は、互いの長射程SAMレーダーがしぶといものだから、超低空を飛ぶしかなく、さりとて、ターゲティングポッド無しでは、MANPAD射程内に入るしかないので、CASなど不可能。だから、十五榴に劣る働きしかできない。

 だから今、両陣営は、砲弾の供給で勝利しようと競っている。

 砲弾やミサイルのような軍需品は、買い手が自国政府しかないのが通常である。政府からの注文をカットされると製造ラインは全滅し、復活させたくても数年は無理。そのリスクを考えると、普通のメーカー経営陣なら、砲弾増産のための投資を考えるどころか、早くその商売から遠ざかろうと思う。そういう世界。

 湾岸戦争の立ち上がり局面では、米国は、英国とイスラエルから弾薬を買う必要があった。

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 Ihor Kabanenko 記者による2022-6-3記事「Arsenal of Empire: Russian Naval Construction in Crimea and Its Implications for Black Sea Security」。
    クリミアは造船業になぜ向いているか。気候が良いのだ。だから船が早く仕上がる。
 ロシアは2014いらいクリミア半島を「不沈空母」にすると標榜している。※中曽根か?

 ※露土戦争いらい、ロシアはクリミア一帯をどのようにして一大造船センターにして今に至るか、詳しく紹介している長い記事。略す。

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 ストラテジーペイジの2022-6-20記事。
   ESB=遠征軍用モビルベース は、2016年に米海軍が発明した。それをこの頃では中共も真似して造っている。
 全長175.5m、2万トンの、浮かぶ補給基地。

 米海軍のESBは商船規格によって建造され、乗員は民間と水兵と半々である。1隻5億ドルというところ。
 その一番艦はタンカー改造で7万8000トンもあり、CH-53が楽々と着艦でき、オスプレイの排気熱も問題なし。

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 Lawrence Chung 記者による2022-6-20記事「Taiwan’s Thunderbolt-2000 rocket system explodes during live-combat training」。
   月曜日、台湾の国産のMLRSである「サンダーボルト2000」が発射演習中に爆発して複数名が負傷した。
 このMLRSは、海岸に上陸してきた中共軍をやっつけるための装備である。