ウクライナの瓦礫処理には、「軽便鉄道」の敷設がいちばんよい。

 軽便なのは機関車と枕木だけで、軌条間隔はポーランドに合わせたフル規格。さすれば西欧の無蓋貨車を、場合によっては人力で押し引きして動かすこともできる。

 この「フル規格」トロッコを、破壊されている市街地を起点として、大通り上に敷設して行く。
 そして市心から運び出した瓦礫を、線路のその時点の終末において砕き、枕木下の道床のバラスト(グラベル)の臨時代用にしつつ、さらに海岸または河岸の桟橋まで線路を延長して行く。

 桟橋ではガレキをバージに移し替え、バージはその瓦礫で港湾を埋め立てる。
 オデッサの港湾機能の拡張に役立てるのが、いちばんいいだろう。

 オデーサに集中する多数の「瓦礫新線」全国ネットが、ウクライナ国内には同時に整備されて行くことになる。
 それら「フル規格トロッコ」は、戦後、逐次に、ホンモノの貨物線へ改築して行けばよい。

 これから石油代が高くなるから、トラック頼みの復興案はダメだ。省エネ方式の鉄道と河川運河を軸に輸送再建をプランニングするのがいちばんだ。

 次。
 Wesley Culp 記者による2022-7-6記事「The Russian Military After the Ukraine War: On the Brink of Disaster?」。
    現時点でオープンソース解析集団は、露軍戦車800両、他のAFV500両はすでに喪失していると見る。
 ウクライナ政府によると、露軍はいま、毎日、6万発の砲弾を放っているそうである。

 Pavel Luzin という露軍観察の専門家氏は、ロシア軍が2022-1のAFV陣容にまで戦後にふたたび充足させようとしたら最低4年かかる、と言っている。※だからチップがないのにどうやっていまどきの車両をこしらえられるんだって。

 また同氏いわく、露軍の精密誘導弾薬については、最短、終戦から10年後でなくては、2022-1の在庫レベルまでは戻らないであろう、と。

 ロシア軍はトラック補給が弱い。だから鉄道を離れると無力である。ずっとNATOはそのように疑っていた。今回それが証明された。ドンバスで多数の砲弾を補給できるのは、そこがいちばん後方鉄道が太いからだ。

 ロシア規格の鉄道軌条は、旧ソ連邦と、フィンランドが、ぜんぶ同じ幅である。だから、旧ソ連邦とフィンランドに対しては、露軍はいつでもドンバス式の侵略が可能であった。
 しかしこれからはそうはいかなくなるだろう。

 ※フィンランドがこれから軌条間規格を変更する可能性は大きいと思う。バルト三国も1520mmのソ連規格をヨーロッパ標準軌の1435mmに改めるのではないか? メチャクチャ不便になるけどね。背に腹は替えられるよ。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-7-6記事。
   ウクライナは南部のヘルソン市をとりかえすつもり。同市内にはすでにレジスタンス活動あり。武器は、拳銃からIEDまで、なんでも使われている。

 市内では「露探」がレジスタンスの自動車仕掛け爆弾によって殺されている。市の役人たちは表向き露軍に協力しているが、裏ではレジスタンスと連携している。寝返り組の対露協力者たちは、戦戦兢兢としている。

 ※雑報によると、サンクトペテルスブルグ方面にて、囚人部隊だけでなく、造船所の労務者も兵営へ送ろうとする動きあり。大失業が既に始まっているからね。

 次。
 Howard Altman 記者による2022-7-5記事「Snake Island Bombardment Continued Even After The Russians Left」。
   6-30に蛇島から撤退したのになぜか露軍機が7-1に島に爆弾投下しにやってきた。これはよほど敵の手に渡したくない最新の兵器を残置したためであるようだ。
 ※その爆破処分もしないで慌てて撤収してしまったという事情も分かるね。

 島上には4両の「パンツィール」と3両の「Tor」があって、一見、それを白燐弾で焼こうとしたかのようにも見える。

 しかし最も処分したかったモノは、無線傍受システムではないかと。島にその装置を置いて、対岸のウクライナ軍とNATOの通信やレーダー信号を採集していたんじゃないかと。その機材をNATOに調べられると、露軍の最新の電子戦能力が完全にバレてしまうからではないかと。

 ※倒された灯台が、ものすごく怪しいんですけど。あの頂部に何かあったんじゃないか? 調べるべし。そこから注意を逸らすための「空爆」かもしれないんで。

 「P-18 スプーンレスト D」というレーダーも、起き去りになっているそうだ。

 次。
 Emma Helfrich, Tyler Rogoway 記者による2022-7-5記事「Russia Seems To Be Preparing The Vital Kerch Bridge For Missile Attacks」。
   ケルチ海峡には「ケルチ大橋」が架っているのだが、ここがウクライナ軍によりミサイル攻撃されるのではないかとロシアは心配しているようで、レーダー反射材で満艦飾した2杯のデコイ・バージ船をノヴォロシスク軍港から曳航してきて、橋の東側に繋留。週末には煙幕発生装置もテストした。

 この橋は鉄道と道路の両用橋で2018に完全開通。遮断されると、クリミア半島南部との行き来ができなくなる。

 次。
 Defense Express 記者による2022-7-6記事「Russia Tries to Rehabilitate the “Terminator” Vehicle’s Reputation After its Ukrainian Experience」。
  せっかくMBTの護衛用にひっぱりだしてきた「BMPT ターミネーター2」も、野砲弾の雨下にはどうしようもない様子が撮影された。

 次。
 China Dialogue Ocean の2022-7-5記事「Algae Blooms From Chinese Fishmeal Plants Hurt The Gambia’s Fisheries」。
   ガンビアの海岸(アフリカの西海岸)にはもう何年も、死んだ茶色の海草が大量に打ち上げられる。
 これら海草が腐乱しているため、悪臭で、近くの観光地海岸が大迷惑。

 犯人は中国資本の魚肉加工工場。ここから魚の死骸が海にちょくせつ捨てられているため、海中が富栄養化しているのだ。

 この工場ではイワシなどの雑魚を粉砕し乾燥させ(そのさい魚油は分離して別な商品にする)、養殖漁業の餌や飼料として海外へ輸出している。

 加工途中で生じた不要部分は、まったく下水処理をすることなく、そのまま海へ流し落としている。

 結果、海水が燐酸で富栄養化し、それで海草が爆増。それが腐るときに海水中の酸素が消費されてしまい、生態系が荒廃する。海が荒れるたびに死骸や腐敗物が大量に海浜に打ち上げられるようになった。