バイカル社がプロトタイプの2機目を完成。「MIUS」という無人のステルス機で、エンジンはウクライナのモトルシッチ社製「AI-322F」または「AI-25TLT」を搭載。

 巡航800km/時で、5時間滞空できる。高度は1万2000mまで行ける。

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 ストラテジーペイジの2022-8-31記事。
   2019年前半、インシツ社は、「RQ-27 スキャンイーグル3」ができた、と公表した。
 初代のスキャンイーグルより6割=36.3kg 重くなっていた。2014の「RQ-21A ブラックジャック」(全重61kg)の部品も一部とりこんでいる。

 2014時点で人々は、ブラックジャックがスキャンイーグルの後継になるのだと思った。しかし、そうはならなかったのだ。むしろブラックジャックが、消えそうである。残ったのは「スキャンイーグル2」だ。

 「スキャンイーグル2」はブラックジャックよりも軽量で、安価。

 スキャンイーグルは23ヵ国へ輸出されている。いまげんざい、2000機以上が生産された。
 システム単価はだいたい400万ドルである。これには4機の機体とコントローラー、離着陸補助機材がセットになっている。

 スキャンイーグルのそもそもの出発点は、漁船に搭載させる、魚群捜索機としてであった。だから回収方法が独特なのである。
 2005年に完成した初代は、自重22kg。

 2014の「スキャンイーグル2」は、滞空24時間可能になった。高度は5000mまで行ける。巡航速度は110km/時。
 地上の一点(または特定車両)をカメラで照準し続けられる自動追随フォーカス機構がついている。

 RQ-21Aは、大型化したスキャンイーグルといった趣き。高度は5900mまで行ける。巡航速度は100km/時。滞空16時間可能。ペイロードは18kgあるので、合成開口レーダーも搭載可。離着陸装置はスキャンイーグルと共通。
 自重が大きくなると、強風に対して強くなる。リモコンは100kmまで通じる。

 海兵隊はこのブラックジャックを2014前半に受領している。600機が生産されている。
 しかし海外ユーザーが選好するのは、もっと軽いスキャンイーグルの方であった。ウクライナ人も。

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 ザポロッジア原発を「フクイチ」化する工作にプーチンがずいぶん手間取っているのは、戦後の「戦犯」特定を回避するために、ぜったいに命令を記録させず、言質はとられない流儀で、「使用済み燃料棒貯蔵プールの爆破」を、部下軍人に実行せしめようと、姑息な「誘導説得」を弄しているからだろう。ショイグ以下の部下はみ~んな、ボスの卑劣さ加減が分かっているから、面従腹背なのだ。

 いくらネアンデルタール人級の想像力しかないロシア軍将校にだって、ザポロッジアを故意に「フクイチ化」すれば、その身は欧州で最も長く記憶される「有名戦犯」となるに相違ないことぐらい、見当はつく。家族の行く末も暗転するであろう。
 だから、プーチンから内容明確な文面による、署名入りの文書命令が下達されて来ない限りは、ぜったいに一己のイニシアチーフで燃料プール(およびその底の使用済み燃料棒)を爆破するつもりなどないのだ。(ワグネルならば大犯罪を実行させる説得も簡単だろうが、ワグネルを使ったと特定された時点で黒幕責任者はプーチンしか考えられなくなるので、まずい。)

 それで、現地の露軍としては、燃料取扱棟の天井に正確に小孔を2つ開け、建屋から100mはなれた庭に、弾頭種類不明のロケット弾を1発着弾させるくらいの「寸止め」演技を続けているところなのだろう。

 もしもザポロッジアが加圧水型でなく、フクイチ同様の沸騰水型であったなら、燃料建屋に砲弾が1発命中しただけで、プールの水は全部抜けてしまい、放射性の発煙が、むき出しとなった使用済み燃料棒から立ち昇ったことであろう。

 燃料貯蔵プールの位置がまるで違う加圧水型原発で、「フクイチ」式の事故を起こしてやるためには、どのくらいの燃料棟破壊が必要十分となるのか? プーチンと露軍は今、なんぴとも答えを知らぬ実験の領域に、踏み込んでいる。

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 Rod Dreher 記者による2022-8-30記事「Neronian Ruling Class Fiddles While West Burns」。
   ポーランドでは、戸建住宅の戸主たちが、冬用の石炭を買うために、マイカーで大行列を作っている。

 ポーランドは国内炭鉱から年に5000万トンを掘り出しているが、価格の点でロシア産石炭が、家庭用としては常用されてきた。それを4月から輸入を止めてしまったのである。

 ロシアは開戦前の「五分の一」しか化石燃料を輸出できなくなったが、国際的な値上がりのおかげで、受け取る金額は開戦前と同じであるという。

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 Micaela Burrow 記者による2022-8-30記事「US Military Running Low On Ammo After Arming Ukraine」。
   『WSJ』によると先週米国は、ウクライナ軍に、105mm榴弾砲の弾薬を供給した。これは155ミリ砲弾の在庫に余裕がなくなってしまい、さすがにこれ以上は継続供与が難しいため、その穴埋めとして105mmを活かしてもらうという方針らしい。

 ※スウェーデンが旧式の大型無反動砲をウクライナに供与したり、英国が軽量十榴を供与しているのも、その流れか。

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 Mark Magnier 記者による2022-9-1記事「Undersea internet cables a major vulnerability in any potential Taiwan attack, report finds」。
   中共と台湾の間には15本の海底信号ケーブルがつながっている。
 多くは、庭に水を撒くホースと同じくらいの太さしかない。

 全世界では毎年、100本以上の海底電信線が切断されている。ほとんどは、漁船がひきずる碇のせいで。