新刊『(ウクライナの戦訓)台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』の見本が届きました。

 ……ということは来週後半には書店店頭に並びます。待てない人はアマゾンに発注しよう!

 (メインタイトルの前に入っている小さなサブタイトルのようなもののことを「ツノ」と呼ぶことを、わたしゃこの歳になって初めて知りましただよ。人間、一生勉強だね。)

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 Howard Altman & Tyler Rogoway 記者による2022-10-7記事「Ukrainian Kamikaze Drone Attacks Bomber Base Deep In Russia」。
   大ニュース。バックファイアを2機、飛行場で撃破した。無人機特攻によって。

 攻撃されたのは「Shaykovka」空軍基地。露領のカルーガ州にある。ウクライナ国境の140マイル(350km)北。モスクワの170マイル南である。

 この基地には、第52重爆撃機飛行聯隊が駐留し、機種は「Tu-22M」である。

 ※バックファイアが実戦で破壊されたのはもちろんこれが初めてだろう。これまでさんざん、大型対艦ミサイルを使ってウクライナの民間人を殺してきた酬いがやってきた。なにしろ聖域のベラルーシ上空から発射するという卑劣な流儀であった。

 ※特攻に使われた機種は不明である。

 ※バイラクターは関係していない。ロシアがカミカゼを撃墜したと嘘宣伝したくてアルメニアのフッテージを流しているために誤った情報が飛び交っている。トルコ人も調子に乗ってそれに合わせている。

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 Defense Express の2022-10-7記事「Ukrainian SOF Shows Combat Use of a Switchblade 300 Drone in Offensive」。
   ウクライナ兵が最前線で扱う「スイッチブレード300」の発射から命中までの一連のシークェンスを実写で紹介したビデオが、初めてSNSに投稿された。
 標的は露兵の野営天幕である。

 ウクライナ兵が「スイッチブレード300」を受領したのは今年の4月から5月のあいだである。

 かたや、対戦車攻撃能力が期待されている、より大型の「スイッチブレード600」は、依然として未着らしい。

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 Defense Express の2022-10-7記事「The Kremlin’s Nuclear Stick: What Are the Possible Targets russia Might Find in Ukraine to Use Tactical Nuclear Weapon。
  昔はソ連軍は、203ミリや240ミリの巨砲で戦術核砲弾を発射するつもりだった。今は廃止されている。

 弾道弾「イスカンデルM」用の核弾頭は70発あるという。また巡航ミサイルの「イスカンデルK」用の核弾頭は20発だそうだ。

 もし10キロトンの核弾頭が爆発した場合、爆心から1.5~2km内は壊滅。爆心から8kmまでは、なんらかの破壊を受ける。
 放射性の降下灰は、爆発から15分後にはもう降り始める。

 カリブルは、2600kmまでの目標に使用され得る。
 しかしペトレイアス元CIA長官によると、NATOは黒海やカスピ海のすべての露艦艇の所在を把握しているというので、奇襲にならないだろう。

 Kh-22は、1メガトン弾頭を600km運べる。古いものだが。
 キンジャルは、高空から超音速でリリースすれば3000km届くだろう。

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 Elisabeth Gosselin-Malo 記者による2022-10-6記事「Pakistan, Ukraine, And The Race For Third-Party Ammunition」。
    旧ソ連系の大砲から発射する弾薬は、ウクライナ軍もまたこれを必要とする。特に122ミリ加農である「D-30」が。
 そこでパキスタンに渡りをつけることにした。

 世話しているのは英国。RAF所属のC-17輸送機が、ルーマニアの「Cluj」国際空港もしくはキプロスのアクロティリ空軍基地を経由して、パキスタンの「Nur Khan」空軍基地まで物品受領に飛んだのだ。12往復したという。

 15日間の輸送活動で、合計5万発の各種ソ連規格の砲弾が、パキスタンの工場からウクライナ軍へ補給された。

 パキスタンにはPOFという国立の軍工廠があって、そこで122ミリ砲弾が量産されているのである。この工場は1951年に英国王立工廠が建ててやった。64口径長の105mm戦車砲から発射するタングステン徹甲弾の製造技術も、英国からこのPOFに移植している。

 122粍カノンは最大射程が9.5マイル、初速690m/秒。

 1996年にパキスタン軍は、ウクライナのハルキウ機械工廠製の「T-80UD」を320両、注文したことがあった。

 ウクライナの前線部隊は、中共設計の56式自動小銃や、「HM-19」82ミリ迫撃砲をイランが生産したモデルも、なぜか使っている。謎のルートで取り寄せられているのか?

 ウクライナ軍がイラン製の砲弾も使っていることは2022-9にオリックスが発見した。「OF-462」という122粍砲弾で、やはり「D-30」用。砲弾の製造年は2022だから、工場から出てきたばかりの新品だ。

 可能性。イランがイエメンに貨物船で密輸しようとした武器弾薬を西側海軍が洋上で拿捕した、その積荷が、ウクライナへ譲与されているのではないか?

 ※雑報によると中共製の60ミリ迫撃砲弾が、アルバニアからウクライナへ譲渡されているらしいという。なお露軍には60mm迫撃砲がそもそも無いのだそうだ。あるデータでは、西側の60ミリ迫撃砲弾は弾重が1.25kgで、炸薬は205グラムという。参考までに、西側の81ミリ迫撃砲弾は、重いタイプで、4.82kg。

 ※雑報によると、インドが修理のためにロシア本国へ一時的に運び込んでいた「T-90」戦車を、ロシアは勝手にウクライナ戦線へ送り出しているという。本当か? これをやったらおしまいだろう。

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 Defense Express の2022-10-7記事「Became Known How Ukrainian Troops Shoot Down Iranian Drones」。
   「シャヘド136」の迎撃に成功したウクライナの高射指揮官によると、このドローンは数マイル先から音が聞こえ、しかも低速なので、比較的に迎撃は簡単だという。

 「SA-8」地対空ミサイルが非常に効果的で、「ゲパルト」も貢献しているという。



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍