ブラジル国籍の学者が、ロシアのスパイになっていたというので、ノルウェー警察に逮捕された。

 Kirsty Needham 記者による2022-10-25記事「Exclusive: Former U.S. military pilot who worked in China arrested in Australia, faces extradition」。
   元米軍の飛行操縦士が豪州で逮捕された。支那軍のための教官に雇われていたというので。身柄は米国に移送されるであろう。

 名前はダニエル・エドマンド・デュガン(54)。
 元海兵隊のハリアー教官。

 10年以上前、軍を辞め、豪州に移住。トップガンタスマニアという会社を開き、米英の退役パイロットを雇い、観光客を戦闘機に乗せてやる観光業をしていた。

 2014年に会社を売り払い、北京へ移住。
 2017から青島で中共の航空産業のためのアドバイザー業を開始。

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 Joseph Trevithick 記者による2022-10-25記事「Chinese Nuclear Anti-Satellite Study Highlights Problem Of Countering Starlink-Like Constellations」。
   中共の研究所は、宇宙のどの高度で水爆を炸裂させればスターリンクを一挙に無力化できるかの計算をスパコンを使って進めている。

 たとえば高度80kmで10メガトンを炸裂させるとよいという。

 ※北鮮の次の実験は宇宙空間じゃないかな?

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 Jack Buckby 記者による2022-10-25記事「Russia’s Drone Strategy in Ukraine Exposed」。
   ロシアが放っているイラン製の片道攻撃ドローンは7割が途中で撃墜されているというが、その分、ウクライナ軍が保有している防空資産を急速に消尽させているので、無駄ではない。

 また、低速の自爆特攻機のスウォームと、少数の高速の対地ミサイルを組み合わせて同時弾着させることにより、ウクライナ側の防空態勢を希釈させるという戦法も採用している。これ、特定点の破壊のためには、なかなか有効。

 ※ドゥーエの1920年代の論文から高唱されていることを今もって米国の大将どもがさっぱり理解していないように見えることには呆れるしかない。空の戦いでは防禦側は常に不利なのであり攻撃側が常に有利なのである。だから、援助するなら少数の高額なSAMではなく、イラン製と同じくらいに安価な長距離特攻自爆機を数的に無尽蔵に供給するのでなければ、貴重な税金の無駄になるのだ。ひたすらロシア本土の鉄道施設を狙わせておけば、コラテラルダメージの非難はかわせる。米国のベンチャーなら簡単に量産できる技術レベルなのに、イランよりも仕事が遅いとは、一体何をやっているんだ?

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 Seth Robson 記者による2022-10-24記事「Air Force Reaper drones to begin surveillance flights out of Japan within weeks」。
    鹿屋に「MQ-9 リーパー」が8機、展開した。空軍の要員150名とともに。
 今月末に哨戒飛行を開始する。

 防衛省は、このリーパーは兵装を搭載しないと文書で強調している。鹿屋市のウェブサイト向けに。

 鹿屋には、海自のP-3Cが常駐している。海兵隊のKC-130などが立ち寄ることもあり。

 三沢とヨコタには空軍の「RQ-4 グローバルホーク」あり。
 三沢と岩国には、海軍の「MQ-4C トライトン」あり。

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 Mike Stone 記者による2022-10-25記事「Exclusive: U.S. considers HAWK air defense equipment for Ukraine」。
   米国はウクライナに「ホーク」を寄贈することを考えている。ドローン防禦の役に立つはずなので。

 PDAという大統領権限があって、それを行使すれば、在庫の軍用品を議会の承認なしで緊急に外国へ援助できる。

 ホークを何セット、送るのかは、ホワイトハウスがあかしていない。
 すでに倉庫に20年以上置かれているものを引っ張り出すので整備の時間が必要。

 ※実現すれば、現役装備でない装備の援助例となる。こういうことが可能だとすれば、米本土にはモスボール兵器はおびただしくあるはずなので、その援助が続くかもしれない。

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 Defense Express の2022-10-25記事「Hiding the Reason of Su-30SM and Su-34 Crash, russia is Explaining it With “Birds”」。
   ロシアであいついで墜落した戦闘機の墜落原因は「SDU-10」という飛行制御システムの不具合だろう。これはスホイ34にも、またスホイ30SMにも、インストールされているのである。

 鳥の吸い込みは原因ではない。それだったらエンジンから火を吹いているはずだから。動画でチェックすれば嘘だとわかる。

 工場から出荷されたばかりの機体が離陸後、速攻で墜落したとすると、事態は深刻だ。西側部品が入手できないことと関係があるだろう。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-10-24記事「History-maker: Shahed-136 hit the MiG-29 and became a legend」。
    ウクライナ空軍の「ミグ29」が、10月12日、空中で破壊した「シャヘド136」の破片に当たって墜落した。
 現地の夜21時であった。

 このパイロットはそれまでに5機の無人自爆機を撃墜していたという。
 衝突空域は、「ツルボウ」村の近くであった。
 みずから破壊した「シャヘド136」のバラバラ機体の一部がミグのコクピットを直撃した模様だ。
 パイロットはエジェクトできたが、入院している。

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 Giulia Carbonaro 記者による2022-10-25記事「Russia Losing Helicopters As It Fails To Maintain Air Superiority: U.K.」。
   英国防省によると、露軍は2-24においてカモフ52攻撃ヘリを90機もっていたが、そのうち23機を火曜日までに喪失したと。

 米国の「ディフェンス・ブログ」によれば、カモフ52は二重反転方式のせいなのか振動がひどくて、そのせいで航法用電子機材が自壊するという。

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 「Slovakia may transfer its fleet of MIG-29 fighter jets to Ukraine」という記事。
    スロヴァキアの国防省が英メディアに語った。
 11機あるうちの「ミグ29」をウクライナにくれてやることは可能である。しかしわが国は貧乏なので、同盟国はその代金を払ってほしい。1機3000万ポンドほど。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-10-25記事「Four underwater explosions were registered in Russian territorial waters」。
   10月20日にロシア領海で4発の水中爆発が起きた。フィンランドの地震計がそれを探知している。
 場所は、フィンランド湾。レニングラード郡プリモルスク市から南西に40kmほどの海中。
 そこはフィンランドの国境からは30kmしか離れていない。

 時刻は、モスクワ時刻で12時35分に1発目。18時32分に4発目。
 最大の爆発はマグニチュード2.0を記録。

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 Maksymilian Dura 記者による2022-10-25記事「Belgorod – Russian Air Defences Compromised」。
   ロシアは「アクティヴ」誘導ができる長射程SAMを持っているのか、という疑問。さもなくば200km以上遠くの戦闘機は撃墜できないはずだという。

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 Amy B Wang and Yasmeen Abutaleb 記者による2022-10-25記事「Liberal Democrats withdraw letter to Biden that urged him to rethink Ukraine strategy」。
    民主党所属の30人の「進歩派」連邦下院議員が月曜日に「直接プーチンと交渉してウクライナ戦争をおわらせろ」とバイデンに要求した書簡を、撤回することになった。大ブーイングを浴びて。

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 Emma Helfrich 記者による2022-10-24記事「Rotax Engine Found In Iranian Mohajer-6 Drone Downed Over Ukraine」。
   今月の前半、ウクライナ軍が黒海で撃墜して回収した、イラン製の「Mohajer-6」無人機のエンジンは、ロタックス製であった。「912iS」という品番である。

 オーストリーのロタックス社は、どのようにしてイランがそのエンジンを入手したのか、調査中であると。ちなみに同社の支配株主はカナダの企業。

 EUは、軍民双方に使えるマルチパーパスのエンジンをイランやロシアに輸出することを禁じている。

 詳細は発表されていないが、その撃墜した「Mohajer-6」は、日本製、中共製、米国製のカメラ複数を搭載し、某外国製のレーザーレンジファインダーも搭載していたそうである。

 機体そのものは、2022-2に製造されていた。おそらく黒海で飛ばしたのは、その機体の実戦初飛行であっただろう。

 イラン製の無人機にはしょっちゅう、ロタックスエンジンが使われている。品番は「912」と「914」が多い。
 たとえば「シャヘド129」は、2013年の量産開始時点から「ロタックス914エンジン」(四気筒ガソリン)を搭載していた。

 ※バイラクタルの「TB2」のエンジンは「ロタックス912」である。これにかかわる問題について、詳しくは、拙著最新刊の132~134頁を参照せよ。

 2022-10前半、イラクでペシュメルガ部隊が撃墜した「モハジェ6」にも「ロタックス912」が搭載されていた。

 記者はしきりにロタクス社に問い合わせているが、まだ返答に接しない。



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍