Tanmay Kadam 記者による2022-10-23記事「‘Deadly Drones’: Israeli Expert Explains What Makes Iranian Shahed-136 UAVs So Successful Against West-Backed Ukraine」。
イランがロシアに売った無人機のひとつ「Mohajer-6」。高度1万5000フィート以上を飛べるため、肩SAMによっては撃墜されることはない。レンジは200kmに達し、滞空は12時間可能だ。
用途は偵察。だが、やろうと思えば兵装×2~4発を投下することもできる。「Quaem」という赤外線画像誘導爆弾か、「Almas」という対戦車ミサイル。
シャヘド136の弾頭重量は、5kgから30kgの間で変えられる。弾頭を軽くすれば、遠くまで飛ばせる。
イランは「シャヘド136」が墜とされやすいのを知っているのて、いちどに5機以上をスウォームで襲来させるよう指導している。これまで露軍は最大で、同時に12機を飛ばしてきた。
イスラエルの軍事技術者氏いわく。シャヘド136のプロペラは木製。模型飛行機に近い技術要素だけで無人特攻機にまとめあげている。
低速というのも悪いことばかりじゃない。ほとんどの防空レーダーは、低速飛翔物をノイズとして無視するようにソフトウェアを組み立てている。その裏を掻けるからだ。
2019年にイランは「シャヘド136」でサウジのアブカイクの石油施設を空襲し、このプラントを2ヵ月間、ダウンさせた。
イスラエルの専門家氏いわく。シャヘド136にくらべて「Mohajer-6」はレーダー探知しやすく、レーダー誘導式のSAMで簡単に撃墜できる。旧ソ連製の防空システムでも対処が容易。よって、露軍もこっちの機種はあんまり使えないと学習したところだろう。
シャヘド136は衛星航法電波に頼らねばならぬところが、一大弱点。いま、複数の国で、この弱点を衝いてシャヘド136を無力化してやろうというECM装置を大急ぎで作っている。
ワシントンのウクライナ大使館附武官のクレメネツキー少将いわく。いまのところ、SA-8「オーサ」と、「シルカ」自走高射砲が、イラン製UAVの撃墜には有効である、と。
また、ドイツから供与されたゲパルト高射戦車についても絶賛。
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Defense Express の2022-10-24記事「What AWACS See As They Transmit Target Data to the Armed Forces of Ukraine: Unique Video on Board of the E-3 Sentry On Patrol」。
やはりAWACS情報は、オンラインでNATOからウクライナ軍へ提供されていた。
カナダのCBCの記者が「E-3 セントリー」への同乗取材を許され、その報道で分かった。
このAWACS情報を活用して、ウクライナ軍戦闘機が露軍戦闘機を追っかけまわしているのも、レーダーでモニターできているという。
黒海の露軍の艦艇の位置もぜんぶAWACSが把握している。
※「E-2」の機内とくらべてまるで圧迫感が無いゆったり空間で、たとえば、横向きの椅子に坐って目の前が機材の壁になっているようなオペレーターは一人もいなさそう。ポルトガル人などNATOの複数国籍のクルーが混乗している。飛行中に、火災消防訓練あり。空中給油は30分がかり。探知限界がわかるようなモニター画面はさすがに撮影をゆるされていない。
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Xinhua の2022-10-24記事「Iran says to export 40 homegrown gas turbines to Russia」。
イラン政府とロシア政府は調印した。
イランが国産した40基のガスタービンをロシアに売る。
現状、イランは、国内の天然ガス需要の85%を、国内産ガスで賄えている。
西側から制裁をくらっているにもかかわらず、ガス生産量は2倍に増えているという。
ことしの7月、ロシアはイランの石油ガス産業に対して400億ドル相当の投資をすることでイランと合意した。
そしてイラン中央銀行総裁は同月、テヘランの証券取引所で「リアル」と「ルーブル」を交換できるようにしたと発表。
※そのガスタービンとやらは何用なのか、記事からはまったくわからない。
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Boyko Nikolov 記者による2022-10-24記事「Russia increased the production of aluminum cores needed for Su-57s」。
ロシア国営の「ロステク」社が声明。スホイ57用のアルミハニカム部材を増産している、と。
ポリマーやガラス繊維も増産していると。
極東のアムール川に沿ったコスモリスク市にも「スホイ57」用の新組み立てラインができたんだぞ、と宣伝している。
この新工場を中核として、アビオニクスの試験場、エンジン試験場、燃料貯蔵基地も併設して行く。飛行訓練用の地上シミュレーターも置く。
10-24に、ロステク社長のセルゲイ・チェモゾフは語った。現状、ロシアは、南アジアの市場から西側製のチップと電装品を調達している。その支払い通貨は、ルーブル、元、ルピーだと。
※インドが抜け穴か。
これまで1300アイテムもの西側製部品を、兵器の組み立てに使っていたが、これをなんとかロシアの国内製品で代置しようという努力が、ロシアの各社において進められている。700アイテムについては、その代置の目処が立ってきたところだ、とチェモゾフ社長。
※別報によると「Kh-101」には米国製の35個のチップが組み込まれていた。
カモフとミルのヘリコプター用のターボシャフトエンジンは、今、サンクトペテルスブルグの工場で「UEC-クリモフ」というのを製造しているところである。
※雑報によるとイクルーツクで墜落したのは「スホイ34」で、エンジンにたてつづけにカモメを2羽、吸い込んだのだと。たぶんガセ。
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Alexander Riedel 記者による2022-10-24記事「German navy minehunters prep Baltic Sea port for new natural gas terminal」。
ドイツはバルト海の港Lubminに、大急ぎで、LNGタンカーを受け入れる「浮体」設備を建設しているところなのだが、その工事と並行して、一帯の「掃海」も進めなくてはならない。WWII中の不発弾や機雷がバルト海には無数に残留しているためだ。そのため掃海艇が駆り出されている。
Lubminはざんねんながら天然の良港ではなく、面積は狭く、水深も浅いから、大型タンカーは沖泊して、建設中の浮体ターミナルにLNGを積み下ろしてもらう必要がある。本土海岸にじかに接岸はできないのだ。
最初のLNGタンカーは、12月に入港する予定である。
設備が完工したあかつきには、毎年45億立方メーターの天然ガスを、ここからドイツ全土に配給することができる。
ドイツは全エネルギーの四分の一以上を天然ガスに依拠してきた。しかし従来、LNGタンカーは受け入れていなかった。すべてパイプライン経由だったのだが、それでは危ないということが今年、確認されたのだ。
※他報によれば、欧州のガス価格は、昨年と同じレベルまで下がった。欧米挙げてのものすごい努力が実った形だ。プーチン、涙目。
※『モスクワタイムズ』によれば、ロシア国内の引退老人たちが受け取っている老齢年金は、平均して月に210ドル相当だそうである。
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Defense Express の2022-10-24記事「Who Are the Artisans Behind the Handmade Rocket Launchers on Pick-Ups and Grenade-Dropping Drones」。
露軍のトラック車載多連装122ミリロケット砲「BM-21 グラド」。ここから筒を3本とりはずし、民間のピックアップトラックの荷台に「基筒」を据えて取り付け、車体には簡易なアウトリガーも増設。「ミニ・グラド」というゲリラ向けのロケット砲に仕上げたものが、ヘルソン戦区で活躍中である。
こうした改造工事をしているのは、同地の郷土防衛軍の職人たち。30名ほど。
ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍