圧縮収納できる作業帽や防暑帽、畳める略帽、さらには巻いて収納できる「1m手拭い」に限定的な耐衝撃機能を付与することで、自転車乗りのヘルメット問題は解決されるだろう。

 人間の頭蓋骨の最弱点は側面(側頭部)にある。その次が後頭部だ。

 そこで、側方ならびに後方からの打撃を緩和することだけに割り切って特化すれば、リジッドな完全ヘルメットの何割かの保護機能が、期待ができるはずだ。

 それは、無帽よりはマシなのである。

 しかしそれにしても、ふだん携行するのに苦にならぬような構造/寸法/重量でなかったなら、普及は望めない。そこが根本の大ハードル。

 耐衝撃性にほとんど期待ができなくても、研究開発努力を放棄してはならない。耐摩擦性とか、防炎耐熱性とか、防刃防釘の性能を持たせることはできるはず。耐化学性でもいい。それがあるだけで、自転車事故のみならず、さまざまなタイプの災害から、咄嗟に人々の命を救うことに、つながる。

 1m手拭は、剣道の規格である。しかし剣道業界は、ショックアブソービングできる1m手拭いを研究開発するという着眼を今まで持ったことがないようだ。こういうところが、頭が古くてダメなんだ。

 次。
 2023-3-29記事「Iranian parts for Russian military trucks: Will work better than nothing?」。
    ロシア国内で軍用トラックを製造できなくなっている。クランクシャフトや、エンジンのピストンまでが入手難だという。

 それで、これらの自動車用の金属部品を、今やイランから輸入するようになっているという。

 2014以前の露軍のトラックは、ほとんど西側部品でできていたようなものだった。たとえばYAMZ-530というトラック用のエンジン。シリンダーブロックはフリッツ・ヴィンター(独)製。ピストンはフェデラル・モグル(米)製。クランクシャフトはマーレ(独)製。そして電装品のことごとくはボッシュ(独)製であった。

 2022-2時点でもまだ西側部品は大量に輸入されていたが、さすがにもうそれはゼロになっている。

 イランは従来、ロシア製トラックやヴォルヴォ製トラックを勝手にコピー生産してきた。それがこんなときに役に立つことになった。

 イランのメーカーとしては、「サイパ」と「KIAN」がメジャーである。

 ※ウラル車両工場は、3万人もの従業員を抱えるロシア最大の戦車プラント。にもかかわらず、月産20両しか、軍に納入できていない。

 ※ノルウェーの運輸省は、夏までに4両、年末までにさらに8両、計12両のディーゼル機関車を、ウクライナに寄贈すると声明。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-3-30記事「F-35 over Poland can transmit data to Soviet MiG-29 over Ukraine」。
    数日前、ポーランド領空を使ったNATOの空軍演習が終了。
 すごい可能性が掴めた。

 ポーランド領空でNATO空軍がF-35を飛ばし、「単座のAWACS」となって、露軍機の動静を遠くから監視する。そしてそのデータをリアルタイムで、ウクライナ空軍のミグ29へ電送してやる。

 じっさいに、オランダ空軍のF-35から、ポーランド空軍のミグ29へ、レーダー情報を分けてやることができたという。

 次。
 David L. Chandler 記者による2023-3-29記事「New additives could turn concrete into an effective carbon sink」。
    コンクリートに重炭酸ナトリウム(重曹・ベーキングパウダー)を混ぜることによって、コンクリートに地球の二酸化炭素をおびただしく閉じ込めさせることになり、しかも強度はそれによって劣化することがないという。MITの最新研究。

 もちろんふつうの成分のコンクリートではない。新コンクリートとでも言うべき野心的な材料を考えちゅう。建設現場では工期が今より短縮されるという。

 次。
 2023-3-30記事「Common Dry Cleaning Chemical Linked to Parkinson’s Disease」。
    ドライクリーニングに使われているトリクロロエチレン(TCE)が過去100年間、大気中に蓄積された結果、パーキンソン病が増えているのではないか――との新説。

 TCEは、金属から油を除去する洗浄工程や、カフェインレスのコーヒーを製造する工程でも使われている。

 次。
 Nurbek Bekmurzaev 記者による2023-3-29記事「Kazakhstan Exports Oil to Germany as Russia Keeps a Close Eye」。
    ことしの2月23日、カザフスタンの企業「カズトランスオイル」は、ドイツ向けの原油2万トンを送り出した。

 ルートは何か? ロシアのエネルギー企業トランスネフト社から「ドルジバ」パイプラインを借りたのである。このパイプラインは、ロシア→ベラルーシ→ポーランド(Adamowo-Zastawa)とつながっており、そのすぐ先はドイツだ。