宇軍の整備兵は、貰った「レオ2」の車体前端にERAを貼り付けている。魔改造。

 雑報によると、T-55が置かれていた沿海州のモータープールは、露天である。それは衛星写真でハッキリと確認できるという。何十年も雨風に野ざらしにした状態の古い戦車が、そもそも動くのか?

 ※これらのT-54/55は、「ノルマ」達成の証明のために、儀式的に移動させられていると私は疑う。「戦車を××日までに○○両、供給せよ」というプー之介~メドベジェフ・ラインの厳命があって、それに応えてみせただけだろう。たしかに戦車は供給した。しかしそれは、自走はハナから不可能である。だが、それでいい。戦車のカタチをした貨物が、無蓋貨車に載せられて鉄道線路上を移動しているところを、まっぴるまに誰かに写真撮影させて、それをSNSに掲載する。地方の官僚エリートにとって、そこが最も肝要なところだったのだ。

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 Andrew Stanton 記者による2023-3-28記事「Ukraine Launches U.S. ‘Small Diameter’ Bomb With Longer Range Than HIMARS」。
    火曜日にロシア国防省が言い張っている。小胴径投下爆弾をロケット+折り畳み翼+GPSで150km先まで精密遠射する新兵器を宇軍が使ったと。

 ほんとうならば、米国製GLSDBの実戦初使用例だ。

 GLSDBはSAAB社とボーイングが共同開発した。

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 Olena Harmash 記者による2023-3-30記事「Ukraine hits Russian-held city deep behind front as talk of counteroffensive grows」。
   ウクライナ軍は29日、露軍が占領中のメリトポリの鉄道貨物集積所を、長距離対地攻撃兵器によって打撃した。
 メリトポリは南部ロシア支配地の交通結節点である。ここを奪回されるとクリミア半島は切り離される。

 この攻撃は夜間になされた。

 爆発のあと、メリトポリ市とその近郊で停電が起きている。
 戦前のメリトポリ市の人口は15万人であった。

 何を使って攻撃したかは発表されていない。
 ロシアは28日に宇軍のGLSDBを迎撃したと主張。しかし29日の被弾がGLSDBなのかどうかには無言及。

 メリトポリの北にはザポリジア原発がある。

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 「mil.in.ua」の2023-3-28記事「First UAV strike companies established in Armed Forces」。
    ウクライナ陸軍の中に、初の、「UAV攻撃中隊」が正式に編成された。いきなり3個。
 ウクライナのデジタル変革大臣がSNSで公表した。

 民間仕様のSUV/ピックアップトラックで移動する。
 通信にはスターリンクを使う。

 運用するUAVは、ことごとく、ウクライナの国産品である。それらは民間から寄贈された。

 ※ウクライナ軍のために民間車両をプレゼントしようじゃないかという市民運動が最も活発なのは、ラトヴィアであるという。4WD車を軍用っぽく再塗装したのを、寄付拠点に、次々と自走して来ては、鍵ごと、そこに置いて立ち去る。その拠点からは、車両輸送トレーラーが走ることになる。

 ※同じ活動をロシア国防省も呼びかけていて、シベリアのヤクートのような超貧乏な田舎の人たちほどまじめなので、それに応じてなけなしの小型トラックを「献納」するのだが、その車体が、くたびれきったコンディションだったりするのが、また、泣かせる。ラトヴィア人が何百台も寄付しているのとは違って、広い地域で数台、という感じだ。

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 Stew Magnuson 記者による2023-3-28記事「’Passive’ Radar Can Give Soldiers Stealth in Urban Battlegrounds」。
    オーストラリアのベンチャー企業が、数km先を飛んでいるドローンを、パッシヴセンサーだけで探知できるぞと吹かしている。
 この会社はサイレンティウム・ディフェンス社という。そのセンサーを「マヴェリック M8」と称す。

 そこらの空中に常に満ちている、民間のFMラジオとUHFテレビの電波。これが空中の物体に当たって攪乱されるのを、探知すればいいという。
 ※FMというのは変調方式で、UHFというのは周波数帯だが……?

 「M8」センサーは歩兵の背嚢に収納できる。
 もっと大掛かりなシステムは、貨物船用コンテナに格納するぐらいになる。

 小型ドローンなら距離7km、もっと大型の飛行機なら20km先の在空を探知できる。

 「マヴェリック-S」という最大サイズのセンサーは、LEO衛星も探知するという。

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 Isabel van Brugen 記者による2023-3-28記事「Putin Removes Age Limit for Conscripts as Russian Forces Devastated」。
    プー之介が3-27に新命令。2023-1-1まで、ウクライナ戦争のために動員される「Rosgvardia」(正規陸軍とは別建ての後備防衛機関で2016創設)の兵員の応召義務年齢の上限を撤廃する、と。

 Rosgvardiaはプーチンが直接に指揮し、国防省(ショイグ)は関与しない。プー之介の私兵軍である。そしてこの機関の所属兵は2022-2-24から侵攻部隊として大々的に投入されている。

 ※40万人の追加動員などというできるわけのねえ夢物語の結末がどうなるか知りたかったが、この「私兵部隊」の膨張によって無理やりに実現させる?

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 Ben Jones 記者による2023-3-28記事「How one European country is planning a ‘rail revolution’」。
    フランスは時速320kmで走る次世代TGVを2024年から営業開始させたい。最初はパリ~リヨン、ならびにパリ~ミラン。すなわち来年からは国際線にもTGVを進出させる。

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 Jack Dutton 記者による2023-3-29記事「North Africa diesel exports to Europe surge as Russia digs deeper into Ukraine」。
   モロッコ、チュニジア、エジプトなどの北阿諸国がロシアから石油や天然ガスをダンピング価格で買いまくり、そのなかから「ディーゼル油」を、大量に欧州に向けて再輸出している。

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 ストラテジーペイジの2023-3-29記事。
   ロシア軍戦車の砲弾にも、劣化ウランは使用されている。
 ドイツの戦車の砲弾にも、劣化ウランは使用されている。

 M2ブラドリーの25粍機関砲弾にも、劣化ウランは使用されている。

 劣化ウラン、タングステン、鉛のような密度の高い金属は、粉末粒子になっても空中を長く漂うことはできず、すぐに地面に落ちる。そこからまた舞い上がるようなこともない。

 劣化ウランの微粒子を肺に吸い込めば健康に悪い。しかしタングステンや鉛の微粒子を肺に吸い込んだ場合と、そんなに大差は無い。どれも体内に入れたら健康には悪いのである。重金属だから。

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 Frank Gardner記者による2023-3-29記事「Russian spies more effective than army, say experts」。
   英国機関の分析によると800人以上のウクライナの公務員がFSBのスパイである。
 ドイツなど西側諸国内の政府機関にまでFSBはスパイを潜り込ませている。
 露軍は失敗しつつあるが、FSBは露軍より成功しているともいえる。

 だが、ハッキリさせておこう。プー之介に「楽勝ですよ」と開戦を勧めたのは、FSBの阿諛体質であった。したがってFSBはロシアそのものを壊滅させる大手柄を樹てた。

 2018に、英国に亡命していた元KGBのセルゲイ・スクリパルをノヴィチョク神経ガスで暗殺しようとして失敗したGRUの作戦指揮官は、その失敗の責は問われず、逆に栄進している。

 ロシア人の組織文化――真実を隠すのをよしとする病的ビヘイビアは、不滅のようである。

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 Matthew M. Burke and Keishi Koja 記者による2023-3-29記事「 More Air Force stealth fighters from Alaska arrive on Okinawa to replace retiring F-15s」。
    アラスカのEielson空軍基地から嘉手納に、F-15の穴埋めとなるF-35Aが飛来した。第355戦闘機スコードロンは2月に陣容が完成したばかりで、やってくるのは初めてである。

 米軍は機数を公表していない。沖縄の新聞は12機と報じている。

 まぎらわしいのだが、この部隊のコールサインは「ファイティングファルコンズ」だ。
 1月にはドイツのスパングダレム基地からF-16CM「ファイティングファルコン」が12機、嘉手納に移駐している。 ※そこでシナ人が言いそうなこと。「JAROに訴えてやる!」。