Alius Noreika 記者による2023-7-21記事「There Is a New Version of Shahed 136 Kamikaze Drone: 5 Differences」。
残骸調査から、最近の「シャヘド136」はロシア国内で製造されているものだと考えられる。イラン製との違いがいくつかある。
見分けるポイント。まず、「ゲラニウム-2」と書かれたマーキング中の「K」の字体が違うという。
また、イラン製のオリジナルの「シャヘド136」は機体が一体成形品である。それに対してロシア製のは、尾部が別パーツで、それを継ぎ合わせている。
また、オリジナルのシャヘドは、外皮の裏地がハニカム構造になっている。それに対してロシア産のは「石膏フォーム」だ。
弾頭部のマーキングも、イラン製だとラテン文字だが、ロシア製のはキリル文字。
電池も、ロシア製のは「デルタ」ブランドのゲル電池にされている。オリジナルのは「18650」という品番のリチウムイオン電池であったが。
そしてアンテナ。電波干渉をブロックする「彗星」形のものがついている。イラン製にはなかったもの。
※こうなると気になるのはエンジンを国産化できているのかということ。機体だけ国産化してもエンジンの全数を輸入に頼っていたのでは、首なし飛行機の大量生産にしかならぬ。しかし短い期間で機体だけでもイラン製を安価な「代用品素材」を使ってコピーして量産を軌道に乗せたというのは偉い。かたや、同じ時間が与えられていたはずなのに、ウクライナはいったい何をしていたのか? 長距離型の特攻ドローンは、もし自国で製造しなかったら、西側諸国から買えるわけはないし、援助してくれるはずもないのだ。そんなことは、最初から知れきった話なのである。だったらこれこそすぐに自国内で賄うほかない分野だと意識をして、計画と作業を最優先で進めさせなくてはならなかったはず。それがちっともできておらず、あれをくれとかこれをくれとか、すこしばかり貰ったところで何にもなりはしない贅沢兵器のリストアップばかりしている。大所高所からの国家総力戦の指導ができる人材が、ウクライナ側には絶望的に欠けているのだ。戦争が長期化して苦労するのは誰でもない、じぶんたちなのに……。
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Defense Express の2023-7-20記事「Ukrainian Defense Industry State Company Admits There is No Serial Drone Production: The Problem is Systematic」。
昨年11月に、レンジ1000kmの片道特攻ドローン「Horlytsia」を量産する――と、ウクライナ国営の兵器メーカー「Ukroboronprom」がマスコミ発表していたが、現在までまったくそのような量産はなされておらず、最初からこの発表が嘘の出鱈目であったと判明した。
真相を、同社のプロジェクトマネジャーが、国内のジャーナリストに白状した。そもそもウクライナ政府も発注をしていないという。1機も。国営である以上、国からの発注がないのに、工場で勝手に無人機を製造することなど許されるわけもない。だから、工場は、何もしていないのである。つまり国もどこか麻痺している。
この国営メーカーは、どうすれば無人機の生産ができるかという模索をした痕跡すらゼロ。幹部が腐りきっており、開戦から1年半、幹部は、己れのサラリーのことしか関心がない。工場の実態がバレると政府関係者や会社の重役は全員責任を追及されるから、実態を隠して嘘をついてきた。
このプロジェクトマネジャーもまた素人だとバレている。昨年11月時点で、この無人機は片道特攻機ではなくマルチロール機だと説明していた。何度も飛ばす長寿命のマルチロール機材と、片道飛ばして使い捨てて行く自爆機とでは、部品選びから工程までおのずと別になり、設計コンセプトが、重ならない。説明が支離滅裂なのである。
要するに、まずとてもコストのかかるハイグレードの無人偵察機を仕上げて、それを片道特攻用にも使えますよと政府に提案した。そんなものがコスパ上、合理的になるわけがないのでウクライナ国防省は関心を示さず、発注しなかった。
レンジ1000kmという数値も、プロジェクトマネジャーの脳内試算値にすぎず、何らかの実験に基づいた数値ではなかったという。
ウクライナ国防省ももちろん無能である。「シャヘド136のコピーを造れ」と早い段階で命ずるだけで話は早く進んだのに、誰もそれをしなかったのだ。国営企業である以上、この命令が来たら、やるしかなかったはずである。残骸はとっくに複数、得られていた。コピーする時間も十分にあった。
※こういうダメな国であるから、目をつけられて、そもそも侵略をされてしまうわけである。ここが教訓。
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Holly Ellyatt 記者による記事「Is Ukraine’s counteroffensive failing? Defense experts say the risks facing Kyiv are growing」。
戦場になっているウクライナ東部(ハルキウ)~南部(ヘルソン)国境の長さは900kmある。
シンクタンクのマイケル・クラークは非難する。反攻計画の最初から、準備期間が長すぎた。6月に入ってから攻勢発起をさせても、すぐに夏は終ってしまう。最初から予測できたことである。
この攻勢も二段階で予定されていた。まず全線で敵の弱点を探る。それが判明したらその場所に予備の全力を突っ込む。ところが、敵の弱点が、7月になってもまだみつからない。だからストライカー旅団も後方で控置されたままだ。
秋に何が起きるかというと、また泥の季節に入るのである。ウクライナの地面が乾燥しているのは、夏だけなのだ。
残された時間は、今から3ヵ月だろう。それが経過すると、またしても宇軍には砲弾がなくなり、また砲熕も磨耗してしまって十五榴は当たらなくなる。プラス、泥濘。
※直感というものが少しでも働く作戦アドバイザーがひとりでもいたなら、春の最悪の泥濘期にこそ、全線で浸透攻勢をかけさせたはず。それは歩兵と軽車両だけで実行できた。泥濘では敵も地雷をしかけられない。塹壕も維持できない。「西側製戦車」とその支援機材とクルー訓練を漫然と期待して待ってしまったのが、致命的だったと総括できる。もちろん米軍最上層が凡庸すぎて、そんな発想しかできなかったのだが(まさにボクシングの無能セコンド)。失敗のツケは、ウクライナ人が自国民の血で払うしかないので、最終責任はウクライナ政府にある。また1年、戦争は長引く。
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Sinead Baker 記者による2023-7-20記事「A Russian soldier said his unit was sent into battle with no ammo and one grenade each ? to kill themselves」。
ロシア兵に電話でインタビューした。その男によると、小銃弾は支給されず、ただ1個の手榴弾を渡された。それは自決用だと説明されたと。
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2023-7-21記事「Russians painting false airplanes at airfields」。
ロシアの「Yeysk」空軍基地では、舗装面に飛行機の絵を描いて、自爆無人機のカメラの目をごまかそうとしているという。
ペイントは、6月16日以後、6月26日以前に実施されたことが衛星写真の比較で判る。
当初は白ペンキだけ使っていたが、7月には青ペンキで陰影を添えて立体感を増したという。
この航空基地には普段、スホイ-30/-34/-35と、ミグ-27/-29 が展開している。
人工衛星の画像だけから「地上絵」とホンモノを区別するためには、「影」に注目する。たいてい、じきにバレるものである。
また、光学写真ではなく合成開口レーダーで測地するスパイ衛星なら、さいしょからひっかからない。