PMCの当世風形態として「地雷処理請負会社」が自然発生している模様。

 Eve Sampson and Samuel Granados 記者による2023-7-22記事「Ukraine is now the most mined country. It will take decades to make safe」。
    地雷と不発弾で「汚染」されたウクライナの土地は、フロリダ州より広い。

 スケールでも、密度でも、アフガニスタンやシリアを凌ぐ。世界一の、不発弾汚染国になってしもうた。

 PFM-1S 蝶々地雷は、設計上、40時間以内に自壊することになっている。

 PMN-4 地雷は、撒布してからやや時間をかけて活性化する。

 茶筒蓋形地雷 OZM-72 には、最初からトリップワイヤーがまるめていれてある。その一端を地面の杭などに結びつける。

 棒状地雷 PTM-1。これはヘリからばらまいたり、ロケットでばら撒く。350ポンド前後の踏み圧で起爆。対車両用だ。ソ連のマニュアルによると、これは安全に除去する方法がないため、遠くから銃撃して爆発させることが推奨されている。

 米国からウクライナに供与されている、155ミリ砲弾の中から対戦車地雷が飛び散る「M21」の子弾は、自動消滅しない。あとで誰かが除去する必要がある。

 UR-77という工兵用の装甲車。そこからMDK-3というホース状爆薬を投射する。幅6m×長さ90mを啓開できる。

 春の農地の地雷除去は、雪解けから播種日までのあいだにせねばならぬ。とても短い。
 予期せぬ洪水がくると、そこで作業は中断せざるを得ない。

 とくに地雷&不発弾密度の濃いヘルソンのようなところでは、農家はトラクターに装甲鈑を縛り付けることで自衛している。トラクターなしでは収穫作業は無理だ。

 農家にとっては切実な問題なので、カネとひきかえに地雷除去を私的に請け負う「闇処理業者」が繁盛している。農家はカネを払って、自分が作付けする耕地だけを手早く啓開してもらうわけ。これは政府自治体による公式な仕事ではないから、「安全な土地」というお墨付きは、得られない。農家はそれを承知で発注するのだ。

 正規の仕事として地雷除去をきっちりする場合、費用は、1平米あたり2ドルから8ドルかかる。それで、概算では、ウクライナの農民はこれから10年かけて374億ドルを、地雷&不発弾対策費として支払う必要があるだろう。

 米国務省によれば、米国はすでにウクライナの地雷除去のために9500万ドル以上を使った。

 カンボジアでは過去30年、地雷除去作業が続いているが、まだ5年は続けないと終わるまいという。これまで地雷にかかったカンボジア住民は数万人いると見られる。

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 Jenny Beechener 記者による2023-7-21記事「Russia develops hibernating device for drones, leaving no electronic footprint」。
    TASS通信によると、ロシアの「綜合無人開発センター」は、FPV特攻ドローンである「ジョーカー」シリーズに「冬眠」装置を組み込んだという。

 この自爆ドローンは、あらかじめ敵の通りそうな地域の、ビルの屋上などの高いところへ着陸させておいて、そこで数週間も、スリープさせる。
 敵が近くにやってきたところでコマンド信号を送り、ドローンを活性化させてやる。

 この用法の何が有利かというと、離陸してから敵車両に突入するまでの飛行が、時間にして「わずか数秒」にまで短縮されるので、敵にとってはまったくの奇襲となる。だから、「対UAV」のECMを指向する暇もないし、AAで物理的に射撃する暇もない。

 ※もう何年も前、無人ヘリコプター用に「鳥の足」のミミックを研究していたチームが複数あった。あれを使えば、たとえば独立樹の高い枝にとまらせてスリープさせておくこともできるはず。

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 Oishee Majumdar & Akshara Parakala 記者による2023-7-20記事「China repurposes commercial UAVs for military resupply missions」。
   中共軍が、民生用のクオッドコプターに弾薬を吊るし、それを最前線の部隊に届けるという用法を、国営のCCTV(中国中央テレビ)が放映した。

 『ジェーン』が調査したところ、この機体は中国の通販ネットで普通に手に入る。メーカーは江蘇省にあり、農地に空から種や農薬や肥料を撒くのが本来の用途であるようだ。

 中共軍はカーボンファイバーで「駕籠」をつくり、それをこのクォッドコプターの腹にくくりつけ、その中に弾薬を入れた。底の蓋が開くようになっていて、着地はしないで味方部隊の頭上から弾薬を落としてやるようだ。

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 Francois BECKER 記者による2023-7-20記事「’Oppenheimer’ a warning to world on AI, says director Nolan」。
   新作映画『オッペンハイマー』の監督、クリストファー・ノランいわく。この映画から、AI開発への警告のメッセージも受け取って欲しい。
 ノランは過去に『メメント』やバットマン三部作もてがけてきたから、こういう話をする資格はあるだろう。

 いまAI開発の最前線の人たちは「オッペンハイマー・モーメント」に居るんですよ。
 それを創ったらもう、人類は後戻りができなくなるというね。

 最初のアラモゴルド実験をするときに、科学者も確信はできなかった。チェイン・リアクションが制御できなくなって、地球大気が全部、ダメになるんじゃないか、とかね。

 マット・デイモン(52)がレズリー・グローヴズ将軍の役を演じている。マンハッタン計画のプロジェクトマネジャーだ。

 この夏休みの映画館は、『オッペンハイマー』と『バービー』が2枚看板。人呼んで「バーベンハイマー」だと。
 ※昨年はさすがにネットフリックス流人種路線に市場が辟易したので、この2作品が製作されたか。

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 Luna LIN 記者による2023-7-20記事「Deals on wheels: Housing prices drive young Chinese into RV living」。
   中国大都市でも、30歳前のインテリサラリーマンには「持ち家」の負担は重すぎるようになり、ついに、キャンピングカー暮らしを堂々とする者が発生している

 大型RVをねぐらとしていれば、失業しても気軽に他の都市へ移って就職活動できる。

 一例。大都市でアパートを借りると、月に2500元=350ドルから、600元というところ。しかし、駐車場を借りるだけなら、日に20元でいいのである。

 ただし、トイレは公共施設に頼るという。

 最近の調査によると、「シンセン」市では、賃貸住居費が、労働者の収入の49%に達している。
 部屋を買うとなったら、もっと大変だ。中古マンションでも、1平米あたり6万5000元。大都市の私企業のサラリーマンの月給の9倍に近い。

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 AFPの2023-7-21記事「Turning scrap wood into strong, sustainable materials for re-use」。
   米国防総省によると、外地の前線近くの米軍基地から出る「ゴミ」の8割は、木材、ダンボール、紙類なのだという。だいたい、兵隊1人が毎日、重さ13ポンドのゴミを発生させている。

 このセルロース系のゴミを新素材に再生するというプロジェクトを米軍は進めている。
 木材の密度を人工的に倍化させると、重量あたりの強度がスチールよりも増すそうである。しかも水によって腐らずに長持ちし、高熱にも耐えてくれると。

 まだ研究は初期段階である。

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 ストラテジーペイジの2023-7-23記事。
    港湾の管理システムがランサムウェアにハッキングされる事件がよく報道される。
 この「ポート・マネジメント・ソフトウェア」は何を管理しているのかというと、コンテナの現在地や行方を1個1個、把握し、追跡できるのである。もちろんコンテナの中身の商品も承知できる。

 1隻のコンテナ船に何万個ものコンテナが積まれているから手作業ではとてもそんな管理はできない。そこは、コンピュータとソフトウェアに頼るしかない。そこが、ハッカーの狙いどころになってしまう。

 もちろんコンテナだけでなく、ドライカーゴや原油の港湾荷役作業も、いまではコンピュータ管理が頼みだ。そこで2020年にイスラエルは、イランの港にハッキング攻撃を仕掛けて、数日間、荷役作業をできなくしてやったことがある。

 さかのぼると2017年、世界最大の海運会社である「Maersk」社が、ランサムウェアにやられた。この会社は当時、世界の海運の五分の一を1社で引き受けていた。会社管理の港は世界に76港あり、所有するコンテナ船は800隻以上。それが麻痺してしまった。犯人は1600万ドルの身代金をビットコインで要求してきたが、危機アドバイザーは「会社で1からシステムをつくりなおしたほうが安全ですよ」と提言。Maersk社は10日を費やしてそれを実行した。この10日の停滞により会社が蒙った損失は2億ドル以上であった。

 2018年にロシアがウクライナの港湾管理ソフトを攻撃したマルウェアは、管理データを暗号化してロックするタイプではなく、管理データを破壊・消去してしまうタイプであった。つまり修復の可能性を限りなく小さくする。身代金を取る気はないので。

 2020年にはワシントン州のケネウィック港の管理ソフトがランサムウェアにやられた。ハッカーは2億ドルを要求したが、港湾当局は拒絶し、1ヵ月以上かけて、管理システムを作り直している。