メルカバもコープケージを背負い始めた。

 Joshua Berlinger 記者による2023-10-15記事「The ‘Gaza metro’: The mysterious subterranean tunnel network used by Hamas」。
    ガザのトンネルは2方面にある。
 ひとつはエジプトからの密輸用のトンネル。

 もうひとつは、北部のガザ市内の地下にめぐらされたトンネル網。イスラエルでは「ガザ・メトロ」と呼ぶ。
 2021年にハマスは、地下トンネル網は総延長500kmあると豪語した。その真偽は不明。だが、数kmあるのは確実。

 エジプトはガザ地区との陸上境界を2007年にブロックした。
 ハマスが地下掘削用の重機を持っているとは思われていない。
 初歩的な土工具で掘っているのだろう。

 しかしコンクリートによる補強だけはしている。イスラエルは、人道援助で贈られたセメントがそこに転用されていると非難している。

 ハマス・トンネルは、従来の各地戦場のトンネルとは、顕著な違いがある。過密市街地の真下にあるということ。88平方マイルのガザ市街に200万人が住んでいるのだ。

 ※イスラエルはガザ市を事実上の再占領状態にもっていく。そして小区画ごとに、地下トンネルを徹底的に潰す。その作業がおわるまでは、住民を戻さない。作業が終った小区画から、住民が戻ることをゆるす。この流儀ならイスラエル側には尤もな理由があるから、国連も文句をつけられないだろう。

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 Sergio Miller 記者による2023-10-13記事「Countering tactical kamikaze drones」。
   ビデオ証拠のある限りだが、ランセットはこれまで640のウクライナ軍の標的を破壊することに成功している。

 そして、ランセットではない、露軍の、マルチコプター型のFPV操縦特攻機は、それとは別に840目標を破壊している。

 顕著な趨勢として、マルチコプター型の自爆機が、前線の主役兵器となりつつあり、今後、ますます、そうなると思われる。

 西側軍が、余裕をぶっこいて静観していても可い時期は、過ぎた。今、進行しているのは、WWIで「機関銃」が接近戦の主役になったのと、同じ革命である。

 ロシア指導部は正しく認識している。9月の新学期から、小学校高学年児童に対する、ドローン操縦とドローン防御の教育が始まっている。第一副首相のベロウソフは8月にプー之介に報告した。2024年には、中型~大型無人機を1万8000機と、重量1kg以下のマルチコプターを数万機、製造しますと。

 経営者向けのロシア雑誌『Kommersant』によると、2030年までに、民間用のドローンは25億ドルの受注となるだろう。軍用ドローンはデータが秘密扱いで、雑誌には書けない。

 ランセットは2019の陸軍エクスポで展示され、2020に露軍に採用された。ロイターによれば単価は3万5000ドル。

 西側の制裁はランセットの増産をさまたげていない。外国製部品は、ウズベキスタンからの迂回輸入で調達されている。
 たとえば NVIDIA 社製の「Jetson TX2 module」や、画像処理用の Xilinx Zynq SoC module 。

 FPV操縦マルチコプターは、ほとんどが中国製の部品を寄せ集めている。

 ランセットの攻撃は2022年には100件未満だったが、今年は5倍に。自爆コプター攻撃は露軍は2022年には3件しか実行してないが、今年はすでに500件近くを実行しつつある。

 ランセットをECMで墜落させるためには、対GPS攪乱と、画像伝送信号妨害の両方をしないといけない(ランセットには盲目自律突入モードがあるため)。自爆コプターの方は、動画電送信号を阻害するだけで、無力化してやれる。

 ウクライナの「ピラーニャ・テック」社は、車載のECM装置を納品中だ。出力250ワット弱で、半径700mの妨害電波バブルを構成し、その中に所在する味方は、画像誘導の特攻機からは守られる。

 これに対して、他社の、歩兵が据銃するタイプのECMデバイスは、重いわりには、時速100km以上で飛行するドローンにビームを正確に当て続けることが難しく、評価が低い。

 「アリババ」通販を利用して両軍ともに、多種のGPSジャマーを調達している。

 デコイは、金属素材を使った物が、評価が高い。日中のひざしで温まり、背景の地面と赤外線スペクトルの違いが生じて、敵ドローンのビデオ素子を欺きやすいのだ。

 FPVドローンが墜落してしまう原因のほとんどは、地形の死角に入って動画信号が届かなくなってしまうことに起因している。
 それで、じっさいに飛ばした自爆コプター×10機のうち、戦果があるのは、1機ぐらい。
 固定翼のランセットは、成功率3割弱なので、かなり健闘しているという。

 歩兵を最も殺傷している兵器は今も、地対地ロケット弾や砲弾である。しかし、車両を最も破壊している兵器は、今では、カミカゼ・ドローンとなった。

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 Christopher Layne and Benjamin Schwarz 記者による2023-10-16記事「The American Origins of the Russo-Ukrainian War」。
   1991-8にゴルバチョフに対するクーデターが起きたとき、ウクライナのナショナリストのKravchukが独立を唱え、けっきょく1991-12にそれは実現した。

 このとき、エリツィンとそのとりまき指導層は、クリミア、ドンバス、オデッサの3地域を「独立ウクライナ国」が領有するのはおかしい、と文句をつけた。その三箇所は歴史的にロシア領土であるという認識を、全員が持っていたのだ。

 プーチンが排除されても、ロシア指導者層内のこの歴史意識は、変わることはないであろう。

 西欧はブッシュ(父)政権に対して、ゴルバチョフを経済的に助けろ、と要請したが、米政府は人道支援以上の援助をする気がなかった。

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 2023-10-16記事「Honda Previews Details of World’s First Honda E-Clutch for Motorcycles on Website」。
    ホンダは世界初の、自動二輪車のギヤ式変速機のクラッチ機能を自動化した「Eクラッチ」についてウェブサイトで発表した。これを働かせれば、発進、加速、減速、停止まで、ハンドル左側のクラッチ・レバーを、もはやいっさい握る必要がないようだ。

 変速は最善のタイミングでなされる。発進から、停止するまで、いかなるマニュアル変速よりも、スムースに遷移するという。

 変速スキルが遺憾なライダーたちも、周辺シチュエーション把握に神経を集中していればよくなるから、バイクはもっと面白い乗物になり、ユーザーが増えるであろう。

 ※軽量な、オートマチックのメカニカルギア変速システムは、もっと進歩させると、それを内燃機関搭載のマルチコプター型UAVに適用できるかもしれないので、注目! そもそもマルチコプターは、各ローターのピッチが変わらないかわりに、回転数をミリセコ~デシセコ単位で微調節して行くことにより、安定した飛行や、自在で安全な機動が、シンプルに、したがって安価に、可能になっていた。その俊敏なローター回転速度調節は従前は電子制御モーターでなくば不可能だったのだが、最先端のメカトロニクス技術が、1個の内燃機関と多軸ローターのトルク配分問題を楽に解決してくれるかもしれない。バイクが空を飛んじゃいかんのか、という話にもなるだろう。

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 Isabel van Brugen 記者による2023-10-13記事「Why Russia’s Recent Lack of Air Strikes Should Terrify Ukraine」。
    露軍は冬攻勢の準備として、ここのところ暫く、有人機の空襲を控えているという。英軍情報部によると。

 特にAS-23空対地ミサイルを使うのを惜しんでいる。
 そのかわり、ドナウ河口部の穀物積み出し施設に対する「シャヘド」無人機による特攻は継続。

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 Henry A. Kissinger and Graham Allison 記者による2023-10-13記事「The Path to AI Arms Control」。
   著者らの関心事は、核がじっさいには使われない世界はAI普及後も続くのだろうかということ。これについて2年間、AIに詳しい者たちから話を聞き続けてきた。確信はないが、今のところの結論はこうだ。AI規制は、米国の安全のためには、今すぐ、必要である。

 かつては米ソが2大核武装国だった。今は米中が、2大AI武装国である。
 投入されている人の才能量、研究所の数、コンピュータのキャパシティにおいて、米中に並ぶAI強国は他に無い。

 今は、規制の枠組みを決めるチャンスなのである。バイデンは11月のアジア太平洋経済協力会議がサンフランシスコで終わったら、すぐに習近平とサミット会談して、AI規制の枠組みを設定するべきだ。

 ヘンリー・スチムソン国防長官は、トルーマン大統領に対して、核の知識をソ連のスターリン、および英国のチャーチルに分け与え、3ヵ国による「核の共同統治体制」をつくって、核の拡散を防止するべきだ、と進言した。

 そこでトルーマンは委員会を新設させた。委員長には国務次官だったディーン・アチソンが指名された。
 アチソンは、スチムソンの考えを支持していた。

 アチソンの構想。国連安全保障理事会の5大国に米国の核の秘密を分け与え、米国が持っている核兵器を、この常任理事国(P5)に移管してしまう。爾後、核開発ができるのは、この新設の「国連核開発機関」だけだとする。他のすべての諸国には、核兵器の開発、もしくは兵器級の核物質の製造能力を保有することを禁ずる。

 1946年、トルーマンは、バーナード・バルークをして、このアチソン構想に基づいた提案を、国連の場へ持って行かせた。しかしソ連のグロムイコ代表は、このバルーク案を拒絶した。

 他国が自国にたいして将来、わざわいを為さないかどうかは、誰にも確言できない。だから、英国とフランスは、米国の同盟国であったにもかかわらず、米国とは独立に、自前の核武装を成し遂げた。

 WWII直後の核開発競争と、今のAI競争には、大きな違いがある。AIは、国家でなくとも開発ができるのだ。

 多数の科学者が、巨大AT企業のなかでAIを開発している。これら巨大企業間の競争も、激烈である。

 核兵器は、特殊物質であり現物機械であるから、一般人はおいそれとこしらえたり手に入れることはできない。しかしAIはデジタルなので、すぐに誰でも所有したり利用できる。

 バイデンと習は、自国のAI企業が、「AIのリスク」を国外へ輸出しないようにとりきめるべきだ。

 ※真実に価値を認めず、嘘でもいいから宣伝に勝つことが政治に勝つことだと考えている儒教圏人を相手に、AIの政治兵器としての利用制限を約束させて、何の意味があると思っているんだこの老人は?