Jonathan Broder 記者による2023-10-28記事「Israel Turns to Advance Tech to Spy On Hamas Tunnels」。
イスラエル軍は「極細分光センサー」を用いることにより、地面からの電磁波輻射を微細な帯域に切り分けて捉え、波長ごとの信号の強弱のパターンから、その地下に何があるかを見極めようとする。重要なのは、トンネル内に人(ゲリラや人質)がいるのかどうか。それは、分かるという。
近年ではそのセンサーをドローンに吊るす。ガザ地区の上空を丹念に飛ばすことで、地下マップを作れるという。
センサーには限界がある。もし、鉄筋コンクリートでトンネルが内張りされていると、その中側までは分析できない。
※だったら舗装がされている市街地の地下も探知しようがない理屈じゃないか?
また、トンネル内に人がいることまでは確かに推定できても、その人が誰なのかは想像するしかない。
ハマスがガザでトンネルを掘り始めたのは2006年で、当初はエジプトから物品を密輸するためのものだった。
2014年にガザに侵攻したイスラエル軍が調べたときには、ハマスのトンネル網の平均深度は、地面から160フィートであった。最も深いものは、マイナス230フィートであった。
セメントを切端まで運ぶためのトロッコレールを敷いたトンネルもあった。
イスラエル軍は「ヤハロム・コマンドー」という、トンネル発見の専任部隊を編成している。彼らは、地中レーダーや、ハイパースペクトラル・センサーを装備する。
トンネル破壊のためには別の専任部隊が呼ばれる。
トンネルを進むときは、自動火器と手榴弾を装備したロボットに先行させる。
ハマス側は対抗策としてトンネル内の随所にIEDを仕掛けている。人質監禁スペースには、特に。
※今はトンネルの延長工事のために専ら手押しのトロッコを使っている段階だろうが、さいきんは「電動バイク」という便利なものがあるので、これと「無動力のパレット台車」を組み合わせると、すぐに、兵員や兵器を地下空間内で急速移動させることができるようになる。組み合わせ方だが、マレーシアのサバ州(カリマンタン島)の山奥の渓谷鉄道を、かつてNHK-BSが取材した番組が、とても参考になる。単線鉄道が土砂崩れで寸断されているので、その生きている区間を、奥地の住民たちは、パレット台車と原付バイクで「マクガイバー汽車」を仕立て、自在に移動しているのだ。どうやるかというと、台車の右寄りに原付の前輪を載せ、木製の輪止めブロック×2でその前輪をガッチリと固定する。原付の後輪は、右側レールの上に載せる。原付の車体後半と、台車の後端左側を、細紐で結んで、軽く緊締させておく。たった、それだけ。この原付に人が乗ってアクセルを吹かすと、トロッコはスイスイと自走を始める。次の土砂崩れ地点に来たら、原付だけをそこへ置き去りとし、乗客たちがパレットを担いで土砂塚を乗り越える。するとまたレールが露出するところに、また別な原付が置いてあるので、同様にまた「マクガイバー動力車」を組み立てる。これを繰り返す。生きている区間がとても短いときは、原付動力を頼らず、竹竿を船頭のように地面に突きながら、人力で漕いで進んでしまう。
※ロシア軍相手に都市部の地下トンネル網でゲリラ戦を継続しようと思うなら「大人数」ではダメだぞという知見はすでにアゾフスタール工場で得られた。いっしょに避難してくる非戦闘員が兵糧を消費するのと、傷病者の増加を捌くことができないので、急速に窮地に陥るのだ。しかし総延長の長大な地下坑道網を少人数のゲリラが電動トロッコで移動しながら作戦するのなら、話は別となるだろう。ロシア軍はその場合は、平気で毒ガスを使うに至るであろう。しかし市街地の外縁まで坑道の端末を延長させて離脱の道を用意した上で、坑道の深さを何段か違えて併行させておき、なおかつ、重いガスをところどころの垂直坑へ落としてやることにより、人間は上の坑道へ上がってやりすごすという対策もできるようになる。人数が多くなりすぎれば、地下ゲリラは却って弱くなる。
※電動で全自動で勝手に「地下室」「地下トンネル」を掘る作業をしてくれる、コンパクトな土工ロボットを、メーカーは開発するべきだ。それをデュアルパーパス品として政府が買い上げて対外援助するとよいだろう。もちろんゲリラ用ではなく住民用だ。
※中小企業が軍需部品製造を敬遠するのは、利益率だけではなく、「後出しの仕様変更要求」に企業の体力が堪え難いからである。そこで「爾後の仕様変更要求は拒否できる条項」を、契約文書用にテンプレ化するとよい。受注者としては、大安心だろう。もし、別仕様で部品を作って欲しくば、今の「ブロック1.0」納品のあとに、またあらためて別(すなわちブロック1.1)の製造発注契約を結んでくれ、ということだ。
次。
David Axe 記者による2023-10-25記事「Russian Planes Reportedly Dropped Mines Along Ukraine’s Safe Corridor For Grain Ships」。
ウクライナ軍の南部戦区司令部が水曜日に発表。露軍機が4個の沈底機雷を黒海西部に投下敷設した。そこはウクライナから穀物をアフリカ向けに積み出す貨物船の指定レーンに当たっている。
機雷を撒いた機体が何だったかについては不明。「ベリエフ12」だったなら面白い。製造されて60年経っても使えると証明されるわけなので。
ウクライナ海軍にはまともな掃海艇がない。それで英国の引退した掃海艇2隻をくれてやることになり、いま、その乗員の訓練を英国領海内で続けているところ。
英国はまた、掃海用のUUVもウクライナにくれてやっている。これは昨年のこと。
※黒海沿岸のロシア海軍倉庫には機雷が余ってうなっているが、使い途がない。在庫の弾薬はすべて役立てろと上から発破をかけられて、それを飛行機で撒くことにしたが、こんどはその機体がない。被撃墜のリスクが高すぎるので一線機は出したくない。軽便機では、往復ができない。それで、いつ墜落しても構わない古い大型飛行艇を引っ張り出すことにしたのか。WWII中のカタリナの場合、主翼下に吊るして行ったが、リリースの瞬間にパラシュートがぜったいに絡まないようにする方策に苦心した。ベリエフはどうやっているのか。ひょっとして着水して手作業で転げ落としているとか……?