ロシアが中共から買った軽量4×4の「Desertcross-1000-3」が宇軍のFPVドローンにやられた動画がSNSに出ている。

 このクラスのバギーには、コープケージをとりつけ難い。
 しかもドライバーは運転中は後上方など見張っている余裕はない。

 となると「母衣」を使うしかないのではあるまいか?
 コンバーチブルの「幌」のように「母衣」を車体後部の上に展張するのである。

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 ロイターの2024-2-5記事「Japan’s Itochu to end cooperation with Israel’s Elbit amid Gaza war」。
   月曜日、伊藤忠商事は、イスラエルのエルビット・システムズとの戦略的協業を2月末に終了させると発表。

 はちむら・つよし の説明。そもそもエルビット社との関係は、防衛省から、自衛隊用の兵器を輸入したいからと言われて、結んでいたものだ。

 このたび、国際司法裁判所の1月26日の命令を考慮する。日本政府はICJの役割をサポートしている。
 伊藤忠はすでに、MOUに関するあらたな活動を停止した。また2月末までにMOUを終らせるつもり。

 このMOUとは、伊藤忠アビエーション+エルビット・システムズ+ニッポン・エアクラフト・サプライの三社でなにかやりましょうと合意したメモランダム。2023-3に締結されている。

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 Defense Express の2024-2-5記事「TAF Drones Shows How Decentralized UAV Production Works and Plans to Make 350,000 This Year」。
   ウクライナのドローンメーカー「TAF Drones」社は、今年1年で、35万機のFPVドローンを製造するとフカしている。

 どのようにして?

 分散工場を使うのだ。ウクライナ国内の6つの都市に、12箇所の製造拠点を確保。それを一斉に稼動させる。

 しかも、3ヵ月ごとに、場所を変えるという。
 次々に河岸をかえながら、大量生産を続けるのだ。切り替え時には量産の死節が発生しないようにする。

 このようにすることで、露軍は、どこを空爆しようが、このドローンの量産を阻止することはできなくなる。
 工員の分業を合理化することで、1人の工員が1日に7機~8機を完成できるという。

 同社は、クォッドコプターのFPV特攻機だけでなく、固定翼特攻機も3月から量産を開始する。この新型無人機は、4kgの弾頭重量で、レンジは40kmあり、しかも単価は2000ドル強になる。

 同社は、ビデオ画像を機上AIで処理させる技術ももっているのだが、これは高額なシステムとならざるを得ず、おいそれとドローンにはとりつけられない。

 さらには、レンジ70kmの地対地ロケット弾も製造する計画があるという。※どんな大企業だよ? エルビットの秘密子会社じゃないの?

 ※雑報によれば米連邦上院は超党派で三つの歳出案を煮詰めた。そのうち、ウクライナには600億ドル。イスラエルには140億ドル。メキシコ国境対策には200億ドル。

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 ストラテジーペイジの2024-2-5記事。
   2023のウクライナの南部攻勢が失敗したのは、宇軍の訓練が間に合っておらず、部隊の練度が低劣だったから。
 2023南部攻勢には、宇軍の新編の9個機械化旅団が投入された。
  ※新編ですぜ! 無理に決まっていた。

 これら旅団には西側製AFVも混じっていたが、大宗は旧ソ連系のAFVである。

 新編旅団は、たったの数週間しか訓練を受けていなかった。
 さまざまな最新装備がまぜこぜになった機械化旅団を有機的に戦闘させられる練度には、まったく到達していなかった。
 低練度の軍隊同士の衝突ならば、陣地で防御した露兵の方が有利だったに決まっているのである。

 1982年に米陸軍はモハベ砂漠にNTC(国軍訓練センター)をつくった。フォート・アーウィン。
 OPFORというベテラン揃いの「仮想ソ連軍」が居て、全米からやってくる新米の部隊長たちのために、胸を貸してやる。小部隊から大部隊まで、実弾代わりにレーザー光線を使って被弾判定もできるリアルな訓練システムがそこで熟成。

 90年代以降、ほとんどの西側軍が類似の訓練場を構築している。ウクライナ国内には、これがなかった。

 2014年にはドイツのラインメタル社がロシア国内にNTCもどきの訓練場を建設してやる契約を1億3400万ドルで結んだのだが、ウクライナからの抗議でこれはご破算にされている。

 ラインメタル社は2008年にドイツ国内にNTCをつくりあげた。それと同じものをロシア軍は欲したのである。

 イスラエルには2003年からNTCがある。ネゲヴ砂漠内、3万9000ヘクタール。

 中共軍は2010年にNTCを造った。これは中共軍が旧来の京劇式のナンチャッテ演習から脱却しようとしている真剣さの顕われだと解釈される。

 ロシアはこの中共型NTCを輸入したがっているともいう。ラインメタルとの商談を潰されたので。

 フォート・アーウィンでは、ホンモノのソ連製戦車など使わない。HMMWVを電子的に他のあらゆる種類のAFVに仮想させることができるのである。だから 実車&実弾を用いる演習とくらべて、はるかに安くつく。
 しかも、各プレイヤーがいつ、なにをしたか、電子記録が残されるので、「プレイバック」して講評に活かすことができる。

 ※BBCによれば、ロシアは獄中からの囚人志願兵の扱いを既に変更した。当初は半年従軍で刑期取り消しとなりクリーンな身分でシャバへ放免としていたが、今はそれはなくなった。いったん入隊したら、この戦争が終るまで、除隊がゆるされない。国家級の表彰に該当した殊勲者、重傷を負い廃兵となった者、限界高齢に達した者だけが、終戦前に除隊がゆるされる。その場合でも、身分はクリーンにならず、シャバでまた犯罪をやらかした場合、前科を加味した重加算刑を申し渡される。