ゲラシモフ参謀総長がトルコに亡命したというルーモアがSNSに出ている。

 直近の数週間、まったく動静が報じられなくなっているので。

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 雑報によると、「シャヘド136」のロシアにおける製造コストが推定可能に……。
   ウクライナが最近入手したロシアの非公開文書からいろいろ分かってきたという。
 ロシア国内では「ドルフィン632モーターボート」という符牒が与えられている。
 ロシアは2022年に、シャヘド136を、2年半で6000機、ライセンス生産する契約を、イランと結んだという。

 交渉の席でイラン側は当初、1機あたり2300万ルーブル=37万5000ドル のライセンス料を要求した。
 妥結した額は、1機あたり1200万ルーブル=19万3000ドル。これは6000機製造の場合。もし2000機しか製造しないなら、1800万ルーブル=29万ドル/1機。

 ライセンス生産といっても、部品はイランで作って渡すらしい。だから高いのである。
 契約総額は、なんだかんだで1085億ルーブルになった。

 その6000機とは別に、2023年には部品製造もロシアの工場でできるようにする。そうなれば、1機の製造コストは440万ルーブル=4万8800ドルになる、と、ロシア人は期待していた。じっさいそうなったかは不明。

 2023年の2月に、Alabuga工作機械機構は、イランの「サハラ・サンダー」社に、金塊2トンを引渡した。これが、ライセンス契約の代価らしい。

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 Tyler Rogoway 記者による2024-2-5記事「Drone Warfare’s Terrifying AI-Enabled Next Step Is Imminent」。
    記者は十年前から、無人機がAIを搭載する、と言ってきた。もうじきだ。チープな自爆ドローンが、自律判断で目標を選んで攻撃するようになる。リモコンされなくとも、敵兵をおいかけまわして殺すのだ。

 オートマチック・ターゲット・レコグニション=ATR。
 数十年前から、高額な巡航ミサイルの一部はこれを搭載している。DSMAC=Digital Scene Matching Area Correlator という。あらかじめ教えてある画像を参照しながら、地形を辿って、標的に突入する。

 これのチープ版ができてくる時期が、目前に迫っている。

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 Scott Gureck 記者による2024-2-6 記事「U.S. – Japan Steel Alliance Helps National Security of Both」。
  ※記者は退役海軍大佐で、第七艦隊にいたこともあり。米海軍協会の副会長も務めた。

   USスチール社は1970年代には輝いて見えたが、今は世界の鉄鋼トップ20にも入っていない。
 中共の鉄鋼工場は、世界のトップ50のうち27にランクインしており、かつまた、トップ10のうちの6を占める。

 米国と米国の同盟国(日本)が鉄鋼製造で協働しないとしたら、中国の鉄鋼が世界を支配するだけである。

 ニッポンスチールによる買収に反対する者は主張する。クリーヴランド・クリフス社(オハイオ州の鉄鋼メーカー)がUSスチール社を配収するべきであると。

 クリーヴランド社は2023-8月に、73億ドルで買収をもちかけたのだが、USスチール側で蹴っている。
 それに対してニッポンスチールは、「141億ドル+負債の肩代わり」を呈示しているのである。これが米国の利益にならないとでも?

 オバマ政権時代の財務長官、ローレンス・サマーズは、中共の国営の鉄鋼会社と違って、ニッポンスチールは私企業だし、日本は同盟国だし、その私企業が米国に投資することに何の問題もない、とブルームバーグテレビジョンにて語った。

 ※正論はいかにもそのとおりなのだが、この買収案を米大統領選挙の予備選が盛り上がる時節に公表したニッポンスチールの経営幹部の脳の中には寄生虫でも湧いているんじゃないのか? 反日勢力が得たりかしこしと政治宣伝に利用してくることは火を見るよりもあきらかじゃないか。おかげで日本の政府関係筋が火消しに奔命しなくてはならなくなっているはず(この記事もそんな努力のひとつだと疑われる)。善後策は容易ではないが、ひとつ、試す価値のある宣伝がある。買収したUSスチール工場内に、155㎜砲弾の最新鋭の製造ラインを設備投資するとブチ上げるのだ。そしてそこから日本に砲弾を輸出するとほのめかす。これなら二大政党のどちらも反対ができなくなるから。