チープな70mmロケット弾を改造したVAMPIRE防空ミサイルがシャヘド1機を撃墜したビデオ証拠が出てきた。

 やっとかよ、という感じだ。新システムの熟成にはこのぐらい時間がかかるのだね。
 つまり今から他国が類似品を開発しようとしても、ぜ~ったいにこのメーカー(L3ハリス)には追いつけない。

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 TOC 記者による2024-2-14記事「Enigmatic genesis: unveiling China J-20’s surprising origins」。
    1996年から2003年のあいだに中国語で作成されたペーパーを記者は入手した。そこには「殲-20」の開発事情を理解するヒントが詰まっている。

 このペーパーには「中国の戦闘機開発についての戦略的研究」というタイトルがついている。

 書いたのは、瀋陽航空機会社の副社長にして主任設計者であった名物男。

 米ソ冷戦がおわった時点で中共空軍は米軍に30年の後れをとっていた。中共の戦闘機の75%は「ミグ19」系列だった。それは1950年代の技術であった。

 1991年から中共は、まずソ連の第四世代戦闘機の輸入を開始。スホイ27が中心だった。

 中共空軍はこれを気に入り、スホイ27の最多の輸入国となる。
 スホイ27のキャラクターは、デカい戦闘攻撃機である。「重戦闘機」といえる。そのキャラクターが「殲-20」に反映している。

 この中国語レポートでは、台湾空軍が2010年代からF-35を使いはじめるだろうという予測も立てていた。

 このリポートは、「WS-15」エンジンが2021年までに完成すると予測していた。そして「殲-20」の戦列化は2020年だろうと見ていた。
 じっさいには「WS-15」はあと四年は完成しそうもない。かたや「殲-20」は予測よりも4年早く、作戦可能にされた。

 朗報もある。当初、推力15トンを狙っていた「WS-15」は、最新の見通しでは、18トンを発生できそうだから。

 2022-3に東シナ海の上空で初めて米軍のF-35と中共の「殲-20」は互いをレーダーで見た。そのディテールは報道されていない。

 中共は小型戦闘機の「殲-10C」にまでAESAレーダーを積むようになっている。その探知技術は日々向上している。

 2024年のなかばまでに、「殲-20」は300機以上になるはずだ。そして2025年には、年産100機のペースで増強中であろう。

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 今年予定の新刊『自転車で勝てた戦争があった(仮)』の前宣伝です。

 以下に8本の「Chukudu」関連動画URLをご紹介しておきます。これらはいずれも兵頭とは縁なき人たちによるアップロードで、その動画の意図については兵頭が特に承知するところはございません。ただ、全木製スクーターの機能と構造を理解する参考に、これらの動画が役立ちました。

 一、
SCOOTER | video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=IfGIyAN9vqU&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 二、
Cheapest Scooters of video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=FMt0sslSlVk&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 三、
Khas Kongo Yang Lahir dari Ide video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=le0Hw8OuR3M&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 四、
CHUKUDU : Racing Wooden Scooters video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=l2DA9eyNKWQ&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 五、
Ramah Lingkungan Yang Terlahir Dari Masyarakat Miskin Di Negara video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=iVv37SG6Vbg&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 六、
Chukudu: Congo’s home-made scooter | Africa on video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=M4E8K1mh7js&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 七、
rasenden Roller im Kongo video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=XTy2aifnvRQ&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 八、これは以前にも紹介済みです。
 ttps://twitter.com/Rainmaker1973/status/1728477272431079520

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 2006-6-27記事「CARPET ―― New Mine Breaching System Based on Fuel-Air Explosive (FAE)」。
  ※古い記事です。もしこのシステムが与えられていたら2023夏の宇軍の南部攻勢は成功したという論者をみかけたので、掘り返してみました。

 イスラエルのラファエル社が開発した地雷原啓開システムは「カーペット」という。

 このシステムはすでにIDF陸軍が使っているし、来年=2007年にはフランス陸軍も採用する。

 燃料と空気をまぜて爆発させるFAE技術を応用。

 既存のAFVなら何にでも後付けで搭載可能。

 まず、最大20発のロケット弾をつるべ射ちする。この弾数は、地雷原が広くなければ、減らす。

 ロケット弾は、燃料の「雲」を発生させる。ついでそれに点火し、爆轟させる。
 これによって大概の地雷は殉爆する。地形や植生にはほとんど影響を受けない。

 ロケット弾のレンジは、最短65m先、最長165m先である。その差分は100mであるから、長さ100mの啓開済み通路を1分間のうちに用意できるわけ。

 カーペットはAFV車内からリモコンで操作できるので、オペレーターは敵火から安全である。
 全自動にして機械に任せることもできる。

 このロケット弾の長所は、コンテナ内にあるときにもし敵の銃弾が命中して中味の液体燃料が漏出しても、まったく爆発は起きず、したがって、それを運んでいるAFVや、近傍の味方歩兵には、何の損害も無いことである。というのは、ロケット弾の弾頭容積のほとんどを占めているのは爆薬ではなく、「液体燃料」だから。適正にエアロゾル化しない限り、それは爆発することはないのだ。

 このため「再装填」用の次弾を車載していても安全である。
 再装填は簡単にできる。

 ロケット弾1発は、径265ミリ、重さ46kg。これが20発おさまったラーンチャーの重さは3.5トン。

 IDFはこのシステムをすでにレバノン国境でヒズボラの市街地陣地に対して使っている。市街戦向きのシステムでもあるのだ。

 仏軍はこのシステムを戦闘工兵車両に搭載したいと考えている。

 ※雑報によるとロシアは徴兵法を改正し、現行で51歳までとしている下士官・兵の年齢上限を65歳にし、将校については70歳にする。つまり2023-6以前に動員された兵隊は半永久に除隊できなくなる。

 ※ザルジニーはなぜウクライナの民衆の間で人気があったかというと、ウクライナの大臣どもの息子が徴兵逃れをしていることを指弾していたからだという。