ある試算。MBTを電化しようと思ったら、15分で充電できないと困る。そのためには17メガワットの発電機を回さねばならぬ。その発電機は1時間に1200ガロン以上の軽油を燃やす必要があるだろう。

 速報です。
 「プッシュバイク」の実験に興味があり、新刊『自転車で勝てた戦争があった(仮)』の出版まで待ち切れないという人は、とりあえず下記のユーチューブ動画をご覧ください。ご感想・ご意見をお待ちします。

 これまで1年以上、旧軍の自転車について調べてきて、今、少しばかり把握し、且つ想像していることがあります。
 たとえば……。

 S16の辻グループ(於・台湾)は、イタリアのベルサグリエリの戦術綱要を翻訳しただけなのではないか? だから、道路佳良なマレー半島のスピード作戦には適用できたが、「自転車を輜重に使う。しかもジャングル内の泥道で」という発想は、日本陸軍のどこを探してもまるで無かったのではないか。

 いわゆる日本兵の「餓死」は、「退却時の置き去り」によって発生している。インパールでも東部ニューギニアでも、攻勢が頓挫するまでは、1人も餓死などしていない。なぜ退却時に置き去りにされるかというと、1人の「独歩不能衰弱者」「重患者」を運んでやるためには、8~9人もの健全兵が必要だったからである。

 この問題を、ウィンゲート旅団はどう解決したか? 「置き去りでいい」とした。傷病兵は村に置き去りにしろとウィンゲートが厳命していた。これは騾馬(ミュール)では傷病者は運べなかったことを意味している。さらに英文ネットをながめていると、マイナー寄稿者が、暗闇の真相に光を当ててくれている。やはり、ウィンゲート挺進隊も、衛生兵が重患者をピストルで処置して竹薮に匿すということをふつうにやっていた節がある。

 ウィンゲートの最大の功績は、宣伝である。チンディッツの第一次作戦は、《8日以上の絶食によって、二度ともとの健康体には戻れなくなった廃兵》を百人単位で量産したという点でまさにインパール作戦退却フェイズの雛形だった。その失敗部分を日本側に対して完全に隠しおおせたことで、科学的懐疑力をもたない牟田口がひっかかって同じことをやれるじゃないかととびついた。

 独歩できない衰弱患者をそもそも発生させないようにするための糧食輸送、ならびに、1人の重患者を1人の健全兵だけで後送してやることのできる、当時の日本軍にも調達可能な道具があったはずだ。それはタンデム2輪の「全木製スクーター」である。

 サイドバイサイドの2輪では、どうにもならない。ここに気付いているのは世界ひろしといえどもベトナム軍だけである。だから今のベトナム軍は、特殊輜重用の自転車を国内メーカーに納品させていながら、そのディテールを、積極公開させていない。ぼやけた写真しかネットではみつからないのだ。彼らは、次の本番でもそれがじぶんたちだけのスペシャルな強みになると理解しているのだろう。

 次。
 Defense Express の2024-2-11記事「Ukraine Got New Winged FPV Drone With Longer Range and Durability, to Spend Less HIMARS Rockets」。
    安価に大量生産をすることを主眼として開発され、すでに最前線で使われている、ウクライナ国産の固定翼自爆機のディテールがわかってきた。

 名称は「Darts」という。弾頭重量3kg強。

 製造コストは米ドル換算で、1170ドルから1330ドル。
 弾頭重量70kgのHIMARSが1発で22万3000ドルだから、HIMARSのコストはダーツの17倍だ。

 ※これは微妙じゃないか? ダーツ×17機で、50kgの弾頭重量となるので、HIMARS×1発(弾頭重量70kg)よりも総威力は低いわけだ。ただしHIMARSはラーンチャーと指揮通信で箆棒なカネがかかっている。その負担がDARTSには無い。

 ※ロイター2-12報によると、オーストリーの国営エネルギー会社OMVに、ガスプロムから天然ガスを輸入する長期契約を終らせることを、同国は検討している。エネルギー大臣が語った。ちなみに今の契約は2040まで有効。