核戦争時に放射線や放射性物質を浴びてしまったF-16を洗って再び出撃させるという、地上勤務者の演習が、ドイツのスパングダレム基地で行われた。

 ドイツでは、アパート代を惜しむ人が、列車のふつうの客車を夜のねぐらとして周年生活することが可能であるという話だ。一青年が「通年乗車券(年間パス)」を購入して実践中。すでに1年半、経過していると。おそらくソースは『DW』紙。

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 Howard Altman 記者による2024-4-25記事「First Confirmed Abrams Tank Variant Captured By Russia Seen With Inner Armor Exposed」。
   ついにM1エイブラムズの砲塔正面の複合装甲の内部構造が写真で公開された。
 M1を母体にした「M1150」という、障害突破用の工兵戦車(ABV)があるのだが、砲塔はM1そのままの流用だ。
 その1両がウクライナ戦線で地雷を踏んで遺棄された。露軍が鹵獲し、それをトレーラーに載せて回収した。
 その運搬中の写真がSNSに出たが、なぜか砲塔正面の外皮装甲鈑が一部、クリーンに剥がされていて、内側が丸見えにされている。それが撮影された。

 見た感じでは、傾斜角10度(前下がり)に、上下20段ほどに、セラミック鈑、もしくは劣化ウラン鈑を、窓のブラインドを下ろした感じに、各鈑厚とほぼ等しく見える空隙をあけつつ重ねて挿入設置。その重なり具合は、1枚の挿入鈑の前縁から水平線を車体後方に向けて引けば、それより2枚下の挿入鈑の後縁と同じ高さに当たるという感じ。

 さらにこの「20段重ね」(仮にA層と呼ぶ)の後方には、前後幅としては三分の一くらいだが、類似した鎧戸式構造の「B層」があり、そちらは各鈑が薄くて上下40段重ねくらいである。AとBの鈑素材が違うのかどうかは不明だが、色は同じに見える。

 次に赤銅色で単鈑に見えるC層があり、これは外皮装甲鈑厚の半分くらいの厚さ。傾斜角は砲塔正面外皮(装甲表面)と同じ。
 そのC層と密着してD層があり、色はC層と同じだが厚さがC層の2倍ある。
 あるいはC層とD層は素材は同じなのだが、敢えて2枚構成にして「すべらせ効果」もしくは「中空装甲効果」を期待しているのかもしれない。だとすると、AB層が劣化ウラン金属で、CD層は超硬セラミックなのかもしれない。

 D層の裏面は、砲塔ライナー(内張り)の外面に密着(接着剤使用?)しているように見える。今回のカッタウェイでは、ライナーの鈑厚は、読み取れない。

 A層の層としての厚さ(前後の深さ)は、砲塔正面表皮装甲鈑厚のちょうど3倍である。B層は表皮と同厚。C層は表皮の半分の厚さ。D層は表皮の1.5倍の厚さ(前後の深さ)であるように見える。

 ウクライナ戦線に「M1150」があらわれたのは、2023-11のことであった。
 何両、供与されているのかは、不明である。ペンタゴンはそもそも「M1150」をウクライナにくれてやったと公表したこともない。

 Oryxの物好きカウントによると、宇軍はすでに2両の「M1150」をやられてしまっている。
 同じくOryxがオープンソースを仔細に調べたところでは、すくなくも2両のM1戦車もやられている。米国から供与されたM1の総数は31両である。

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 Defense Express の2024-4-24記事「Capabilities of the Paveway IV Bombs Britain is Allegedly Planning to Supply Ukraine」。
 「ペイヴウェイ IV」は、レイセオン社の英国支社「RTX」が開発した精密誘導爆弾。製品としては、JDAMのライバルだといえる。
 2008年に英国防省が採用。あと、サウジアラビアもこの爆弾を買っている。タイフーンから投下するものだが、F-35もこれを使うことが可能。

 着発前に、地表から少し離れたところで起爆するモードがあり、それが特に有効なので、ウリであるらしい。

 ちなみにフランス製の同格品としては「AASM Hammer」という対地攻撃兵装がある。※仏語では冒頭のHを発音しないから、これは「アメル」とでも呼べばいいのか?

 23日の英政府発表によると、この「ペイヴウェイ」をウクライナ空軍機のために供与すると。

 ※アマゾンで20ドルで買える「Solar Balloon」という、中学生向けの教育玩具(米国製)があり、ウクライナ軍はこれを使って「風船爆弾」を放っているのではないか、という。上下長50フィートの巨大な黒いゴミ袋といった外見で、バルーンの内外気圧差はゼロ。これで1kg以上のペイロードがあるそうだ。露領で回収されている残骸にはペットボトルがぶらさがっていることが多いのだが、それがバラストなのだという。いやせっかくだからそのペットボトルの内部にリフレクターのアルミ箔でも仕込めよ。それで防空アセットに負荷をかけてやれるじゃないか。