Mike Stone and Marisa Taylor 記者による2025-4-18記事「Musk’s SpaceX is frontrunner to build Trump’s Golden Dome missile shield」。
「ゴールデン・ドーム」計画に、スペースX社が加わるという。アンドュリル社、パランティーア社と一緒に。
400機から1000機の、ミサイル防衛用衛星を、スペースXは、周回させられるとのこと。
この衛星群は、飛来するミサイルを探知して、そのコースを追尾する。
それとは別の、攻撃衛星×200機が、レーザー銃によって敵ミサイルを破壊する。
パランティアはこのシステムのためのソフトウェアを開発する。
アンドュリルは無人機メーカーなので、攻撃衛星の開発を担任するのだろう。
スペースXは、専ら、探知追尾衛星を分担するようだ。
スペースXは、どうやら、ゴールデンドームに専従する衛星には興味がない。既存の通信衛星に、ついでに、ミサイル探知用のセンサーも載せといてやり、政府がその機能を利用したければ、「サブスクリプション」料金をお支払いくださるなら、どうぞ、いいですよ—というスタンスを、イーロン・マスクは考えている節がある。
この「サブスク」スキームは何が有利かというと、従来の新兵器システム開発プロトコルでは、構想から実現まで、役所の面倒なしきたりにいちいちブレーキをかけられてしまって、10年前後もかかるところを、その時間をゼロ年にまで圧縮ができる。
すなわち、メーカーが官とは没交渉に最適な仕様を決め、自費でその「機能」を勝手に実装。そのあとから、用法についてプレゼンし、これを使うも使わぬも政府の意思次第ですよ、と突き放す。仕様について開発の途中で「官」から口出しされると、永遠にそのプロジェクトは完成せず、費用も天文学的に膨張するだけだという世知を、彼らは銘肝しているようだ。
スペースX社は、もと空軍の大将であった Terrence O’Shaughnessy をアドバイザーとして雇用している。こんどの企画に彼が関わっていないとは思われないが、彼は取材に応じない。
もしスペースXがゴールデンドームの主幹コントラクターに決まると、それは、老舗の宇宙兵器メーカーの世評にとって打撃だろう。すなわち「ノースロップ・グラマン」や「ロッキード・マーティン」。そうした超巨大軍需メーカーよりも、シリコンバレー連合の方が選ばれたという象徴的な大事件にもなる。
ペンタゴンにはすでに180社以上から「ウチがゴールデンドームをつくれます」というオファーが来ているそうだ。
ペンタゴンのナンバー2、元の証券マンである、Steve Feinberg が、ゴールデンドーム計画の決定権をもっているという評判だ。
ファインバーグは、投資会社のケルベルス・キャピタル・マネジメントの共同創設者。同社は、ハイパーソニック・ミサイルの関連会社に積極投資してきた。そして、スペースXには投資してない。
ちなみに、政権内部の要職に就くにさいして、自身のセルベラスの手持ち株は、すべて手放す、と彼は表明していた。
ゴールデンドームは、コスト総計が数千億ドルになることは間違いない。ペンタゴンは、2026年から事業開始して2030年には展開をさせたい。
※レーガンがその2期目のしょっぱな打ち出したSDIは、財政に弱点のあったソ連を「投了」させることにマンマと成功した。しかしトランプ版のゴールデンドームは、果たしてどうだろうか? こんどの主敵・中共は、カネには困っていない相手なのだ。
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Kyla Scanlon 記者による2025-4-16記事「This Is What Trumponomics Is Really About」。
トランプ政権の経済政策の目的は「再工業化」である。
過去の、米国の「産業黄金期」は、ユニークな条件の下に実現していた。競合できるようなライバル国はどこにもなかった。また米政府は、インフラと教育と研究開発に、巨億の資金を分配できていた。
トランプ政権は、ひとつの現実を無視する。工場がオートメ化するのにつれて、同じモノを製造するのに必要な人員数が減っている。だから、もし、海外から米本土に工場を呼び返すことができたとしても、昔と同じ数の工員は、もはやそこでは雇用されないのである。
単に呼び返すだけではダメで、政府が、人と機械に投資しなくてはいけないはずだ。しかし、トランプの頭の中には、そのビジョンは無さげに見える。
※輸入品の飼料、輸入品の肥料、そして輸入品の石油をその生産の不可欠要素として依存しつつある日本国内の農産物は、どれひとつ、保護する必要がない。そんなのはすべて無関税でいい。真に保護すべきなのは、飼料をすべて「地産地消」でなんとかしている実験的畜産業者や、肥料のすべてを「地産地消」でなんとかしている上に石油動力マシンもまったく使ってませんよという実験的な農業経営主体。また、石油を使わない「廻船」や「荷車」の運行業者。彼らこそが、もし日本国が「海上封鎖」に遭った場合の、最後の頼みの綱だから。今の国内のコメは、輸入石油と輸入肥料がなくなれば、ただちに翌年の反収は五分の一となり、流通はせいぜい隣県までが限界となるだろう。そんなものを「防衛」しても、「安全・安価・有利」にはならないのである。
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「mil.in.ua」の2025-4-17記事「Not only ground-based: Ukraine codifies amphibious UNEX UGV」。
ウクライナ軍は、前線で、水陸両用の4×4無人車を使い始めた。荷台に負傷兵1名を寝かせて運べる。橋がない河川を渡渉可能。
大直径のワイドタイヤを用い、その接地圧は、歩兵の靴裏より軽い。だから、これが対人地雷の上を通過しても、地雷を反応させにくい。対戦車地雷だとなおさら反応しない。
2022年いらい、ウクライナ国内でこしらえて戦場投入したUGVの総数は80台近いという。2025年だけを数えると、18台くらい。
<正論>日清戦争の教訓と明治の大局観/軍事評論家・兵頭二十八
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