Benjamin Cook 記者による2025-9-3記事「Ukraine Expands Its Own Kinetic Sanctions VS Russian Oil/Gas」。
ドゥルジバのような石油用の幹線パイプラインは、「API 5L」クラスの炭素鋼であることが普通である。
※APIとは「アメリカ石油協会」の略号で、そこが決めているスタンダード。「API 5L パイプ」は「ライン・パイプ」とも呼ばれ、シームレスのこともあれば熔接鋼管の場合もある。保守修理の必要から、熔接は容易でなくてはいけない。高品質であり、高圧にも、過酷な環境にも耐える。内側も外側も、耐腐蝕コーティングされている。今日では中共のメーカーが高性能品をロシア向けにいくらでも供給する。
公表値によれば、管径は420ミリから1020ミリ。鋼管の壁厚は8ミリから32ミリである。高圧区間だと、40ミリ厚のこともある。
この厚い鋼管が、さらに土中に埋設されていたりすると、特攻ドローンでは手が出ない。
しかし地上に敷設されているパイプラインは、特攻ドローンで破壊できる。
貯油タンクはどうか。
ロシアの石油産業は「API 650」規格の大気圧貯留槽を貯蔵タンクとして使っている。その尾根プレートは厚さ5ミリなので、ねらい目だ。
シェル・コース(shell courses)〔=円筒槽を輪切りにした時の1区画。日本では単に「シェル」とも呼ぶ。大型タンクの場合、下層のシェルほど壁厚は増さねばならない。つまり1個の巨大な円筒槽があったとしたら、それは必ずや、厚さが異なった複数層のシェル・コースを数段(往々、5段)、下から上へ積み重ねたものなのである。各層の継ぎ目はもちろん、熔接されている〕の壁厚は最薄でも8ミリから12ミリある。
上の段ほど、貯留槽の壁は薄くなるのだが、最上縁の環の部分だけは、ぶ厚く強化されている。
貯留槽のいちばん低い層の壁厚は、10mm未満ということはない。巨大タンクだと20~30ミリある。素材はスチールである。
次。
Povilas M.記者による2025-9-6記事「Ukrainian Drones Are Dropping Spike Strips on Russian Supply Roads」。
スパイク・ストリップとは、「撒き菱」を線状に植え付けてある大道具で、米国の交通警察が車両のタイヤをパンクさせてやるときに「手投げ」にて奇襲的に展張して、ロードブロック代わりに使える重宝なものだ。
モノクロビデオなのでおそらく夜間なのであろう。これを宇軍が6軸のマルチコプター「ババヤガ」から農道にいくつも投下して、露軍の歩兵を追い詰めている動画がSNSに出ている。
相手が装軌車両なら穿刺針など効きはしないが、いまの露軍は、民間のワンボックスカーや自動二輪車を徴発して最前線部隊を動かし、あるいは最前線部隊に需品を推進補給しているので、線状の「マキビシ」が、高性能地雷と同じくらいの阻止期待率を発揮してくれるようだ。
敵軍の軽車両の動きが止められたところで、こんどは「ババヤガ」から爆弾を落とすという段取りになっているのだと思われる。
次。
2025-9-4の「ttps://mezha.media/en/oboronka/cukorok-chuyka-dziga-tinysa-whoover-yak-obrati-detektor-droniv-304569/」記事。
※これは陸自の現役隊員は必読ではないかと思った。部隊で全文を精密に訳して情報を共有するとよいだろう。
この記事は、ウクライナ兵たちがポケット携帯して、迫る危険を察知するのに役立っている電波検出警報器の製品解説である。
面白いのは、小さなモニター画面付きのものがあり、そこには、敵のFPVドローンが今、誘導員に対して電送中の画像が傍受されて映示される。もし自分が狙われている場合は、その画面に自分の姿が映るわけである。
対応周波数の変遷史も、概略、これで確認することができる。
なお、光ファイバー・ケーブルで誘導される特攻機は、こうしたデバイスによっては探知ができぬ。
次。
西側各国軍の深刻なニトロセルロース不足を解消するため、第三世界のゴミ捨て場に山のように捨てられている古着/売れ残り衣類の「合繊」を原料素材にして、ニトロセルロースの代用物質をこしらえられるプラントを日本が開発するべきだと思う。正規のニトロセルロースより低性能でもかまわない。それはドローンの弾頭やドローン用のRATOに使うものなのだから。
次。
ストラテジーペイジの2025-9-6記事。
フィンランド政府は、これまで干拓を進めて来た、ロシア国境沿いの湿原を復活させ、その面積をむしろ拡大させようことを考えている。天然の対戦車濠にするために。
ポーランド国防省も同じことを考えており、すでに昨年から工事を始めている。
領土の1割が湿地であるリトアニアも、その湿地と要塞を組み合わせる方法をもっか研究中。