このほど「資料庫」にUpしてもらった、機械訳文にして90万字もある「GLOBAL LOGISTICS AND STRATEGY 1940-1943」は、WWII前半に米国が連合国へ提供したレンドリースがどのくらいものすごいものだったかを、われわれが把握するよすがになる基礎資料です。
ペルシャ・ルートで揚陸された軍需品をいかにしてスターリングラード戦線まで運んだのか、等、ロシア側で秘密にしていて未だに解明されていない話はまだまだ多いのですが、ひとつ確かなことは、1970年代くらいまでであれば、ソ連の指導者層は全員、この当時のFDR給与の圧倒的な恩恵について、個人的にも見聞記憶を保っており、教訓を銘肝していました。米国の補給力には誰も勝てやしないんだという総括は、共産圏内の常識だったのです(1981頃のウスチノフ国防相が、それを知っていた最後の世代で、彼は、それを知らぬ世代であるオガルコフ参謀総長のOMG構想を棚ざらしにさせた)。ただ、真実の歴史は、内外への宣伝上、面白い話ではないので、全員、公けに語ることをしなかった。そしてこれからは、そんなレンドリースなど、そもそもなかったことにされて行くでしょう。米国経済が第三次産業にシフトして、エリートが効率的に大金を稼ぐことに熱中するようになり、当時のような補給力を発揮したくとも、発揮できなくなっている実態が、これからの歴史の書き変えを後押しするはずです。
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Seth G. Jones 記者による2025-9-26記事「The Pentagon’s Missing China Strategy」。
※この記事は現況の概括として優れているので、みなさんは、AIで全訳してお読みになるとよい。「オフセット」は「相殺戦略」と訳される。
記者による注目すべき主張。
米軍は対中国に焦点を当てて総資源を集中投入しなくてはいけないのに、依然として戦車などの陸上システムへの投資を続けているが、それは対支の役には立たず、まったく余計な無駄である。
長射程の空対艦ミサイルは1発が300万ドルもするので、中共軍が動員する艦船舟艇数にまったく数が足らなくなるのは明らか。何か別な手段でフネを沈めてやらなくてはいけない。
※じつは数日前にようやくエルブリッジ・コルビー氏の主著をとりよせて、今、半分近く読んだところなのだが、この人の「当たり」と「外れ」が、わかってきた。それについて、すぐにでも書き散らしてやりたいが、他に、より優先されるべき「人類にとってもっと有意義なミッション」も目白押しであるゆえ、今日は、余談をひとつだけしよう。高度8000mから空挺隊員をガッチャマンのように飛翔させて台湾海岸に送り届けるなんていう研究を、このヘリコプター時代に、なんで中共軍がする必要がある? このような荒唐無稽な夢プロジェクトに人民解放軍を集中させておくことは、「誘導オナニー」なんですよ。つまり、習近平は、リアルな対台湾戦争を軍に始めてもらっては困るので、余りに余って捌け口に困る軍の少壮クラスのエネルギーを、まったく意味のないハイテク研究に射精させているところなのです。党中央軍事委員会の奥の院には、もちろんその呼吸が分かってますよ。コルビー氏に欠けている観点のひとつは、トウ小平氏が深く理解していた「拙速」(孫子)の至上性です。台湾は「一撃離脱」が不可能な戦場なので、作戦開始が即、一党独裁体制の崩壊に直結してしまう。それを、奥の院のエリート・クラスだけでなく、全中国人が明快に理解するように、わが陣営が平時に具体的な戦備を整えることが、有効な抑止です。
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ストラテジーペイジの2025年9月27日記事。
2022以降、ウクライナは、2000億ドルを超える軍事・経済支援を、西側から受けた。
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Shaun Wilson 記者による2025-9-27記事「Fears of disaster as Russian nuclear submarine reports major malfunction in Mediterranean」。
キロ級の非核動力潜水艦『ノヴォロシイスク』が金曜日、ジブラルタル海峡近くで緊急浮上。
艦内で燃料漏れがあり、それが爆発するかもしれないからだという。
場合によっては、大量の液体燃料を海洋投棄することになるだろう。
ただし、問題は、軽油ではなくて、もっとヤバい液体かもしれない。
2000年8月12日にバレンツ海で爆沈した『クルスク』は、過酸化水素水が何かと反応して爆発、それが前部魚雷室の誘爆につながって、乗っていた118人全員が死亡した。
外洋では『ノヴォロシイスク』には常に英海軍の攻撃型原潜がマンツーマンで張り付いて監視していると考えられる。