Maximilian K. Bremer and Kelly A. Grieco 記者による202510-2記事「Hybrid air denial: The new gray zone battleground raging above Europe」。
9月9日から10日にかけての夜、19機のロシアの無人機がポーランド領空に侵入した。それをNATO軍戦闘機が撃墜したが、使用されたAAMは1発が50万ドルから100万ドルであった。かたやロシア製ドローンの製造コストは約1万ドルにすぎない。それよりももっとチープなドローンをロシアの工作員や工作船は西欧各地の空港に向けて奇襲的に飛ばすことができる。その都度、空港は閉鎖を余儀なくされて、数万人の旅客と数百万ドル相当の貨物が滞留を強いられる。デブリなどのリスクはすべて、西側に押し付けることができる。
UAVを用いるこうしたイヤガラセは、仕掛けた側が圧倒的に安全・安価・有利である。だから、敵国としては、やめる理由などまったく無い。むしろ、全資源をそこに傾注して回数を増やすことが、軍事経済的にすこぶる合理的だ。
※台湾は各種軍用ドローンをとりあえず5万機年産すると公表している。露軍の「シャヘド型」の主要パーツ(水平対向ピストン・エンジンやGNSS受信アンテナなど)は中共メーカーがロシアに供給中である。ロシアのタタルスタンの《製造》工場とやらがエンジンや電装品について担任しているのは、ほとんどが「最終アセンブル」工程だけなのだ。ところで日本国内では「50cc.原付」の製造が終了している。世界で最も効率的(30km/時定速ならリッター150km)であった、この原付用の内燃エンジン、ほとんどが中共国内の工場でマスプロされていた。つまり中共は、オートバイの「クリーン化」の波とともに遊休化せんとしている旧来形50cc.(+)級エンジンの量産ラインを、片道無人特攻機のエンジンとして、これから転用できるのである。その相手をするのに、年産5万機では、話にならない。桁が2つ、足りないのだ。
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オバマ政権時に財務長官の顧問だったスティーヴン・ラットナー氏によれば、共和党の狙いはオバマケアを完全廃止することだと。
これが狙い通りに進むと、来年、2000万人以上の米国人の保険料が爆上がり。また今後10年内に1400万人の米国人は健康保険無しとなろう。
※米国は《新・鎖国》に向かいつつあるだけでなく、「この世の地獄」も実験したいらしい。今後、わざわざ外部世界から「地獄」へ移住したいと願う人がいたとしたら、その背景には、「地獄以下」の生活環境があるのだろうと推理して可だろう。
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ストラテジーペイジの2025年10月2日記事。
2004~07年のイラク戦争がたけなわになる前、米陸軍の新兵のうち高校中退者だったのは10%未満だった。
割合はその後、24%まで昂進した。
2005年、国防総省は、いまや全米の都市部の高校はひどい状況にあって、そこからは新兵をリクルートできない、と認めるしかなくなった。
べつに、左翼教師が跋扈していたのではない。どういうわけか、他人とうまくやっていけない、態度の悪い無責任人間ばかりが、輩出してくるようなのだ。
米国の人口の「五分の一」だけが、非都市部に住んでいる。しかし軍隊が「こいつなら新兵テスト合格だ」と思える青年の半分は、農村地域出身だ。これは奇妙だ。農村部では、生徒1人あたりにかけている教育費が、都市部よりも低額なのだ。
1990年代以降、アメリカ青年がおそろしくデブになり、17歳から24歳までの3400万人のうちで軍隊で採用ができそうな許容体形の者は950万人しかいなくなってしまった。
これは、コンピュータ・エンターテインメントが原因だとされている。
※ブルームバーグによると、データサーバーのために天然ガス発電所を増やそうとしても、その発電用の大型ガスタービンを供給できるメーカーは3社しかない。すなわちジーメンス・エナジー、GE・ヴェルノバ、三菱重工である。いずれも、受注が増えたからと、おいそれとタービンを量産できはしない。ゆえに、世界の電力がこれから足りなくなることは、ほぼ確定だという。カネモチ国は、メーカーに代金を先払いすることで、優先的に製造&納品してもらおうとしている。最も多数のタービンを買い付けねばならない中国では、国内のメーカーはどこも、300MW以上の出力のガスタービンを生産するノウハウは持っていない。