中のヒト、お疲れさまです

 所帯をもつとテレビというものがあるので便利と迷惑が相半ばします。
 昨夜は初めて地上波の「プライド」(この奇妙なネーミングについては何も言いますまい、どうせヤクザの興行なんでしょ)を視てしまいました。
 いや、ハイビジョンでなくともこの映像はおそろしいですね。両方の選手の目の表情がクロースアップで映されてしまう。今回のはメインはほとんど「シナリオあり」だったじゃないですか。いいんですかね、この調子でプロレスになっちゃって?
 まあ、長期の目論見としては、ヤオ試合七分の中にガチ試合三分の配合で、試合場の緊張感と茶の間のドラマ感を維持できれば、もちろん今風の興行として大成功の部類でしょう。いいトシになってもたまにガチを指定される有名選手はたいへんだろうと思いますが、天職ですからね。
 シウバ選手は今回はいろいろなキツいクスリを打って来ませんでしたね。DOPE歴と今の年齢を考えたら確かにもう蓄積が危険な水準に近づいていますでしょう。お金もじゅうぶんに溜まったでしょうし、潮時なのだとお察ししました。
 韓国の柔道選手はずいぶんビジネスに納得したものだなぁと感心しました。しかし人が殴られる危険に直面しているとき、ああいう手のガードをするでしょうか。そこを視聴者に納得させられないと、なんだかんだと言われてしまいますね。
 なぜわたくしがこの番組にあらためて興味をもったかと申しますと、ここのところ週に一回、タダでブラジリアン柔術を教えてくれる人がいて、そのお兄さんにお手ほどきを願っているのです。これをじっさいに体験せずにあの番組だけ視てれば満足という大衆が、わたくしには信じられない。
 人間の最大の戦闘器官は頭脳ですけれども、人も動物である以上、「全身で考える」ことが、より有益です。
 テレビやモニターの前に座っているだけで何かを理解できたつもりになってはいけません。
 こんどのシナ暴動騒ぎでは、「あれは江沢民派の陰謀だ。胡錦濤は被害者で、迷惑している」との風説が日本で流布されました。
 原潜挑発事件のときと、まるで同じですね。
 全身を使わずに物を考えた気になれる大衆は、自分の気が楽になる妄説をドーピングのように求めてしまいます。せっかく、他人の目の表情をクロースアップで視せられても、心のサインが読めません。
 こんどのシナ暴動も、胡錦濤が一から十まで計画し、実施させている政治マヌーバです。