目指せ80万票!

 西村議員は議員辞職しないと? なるほど、わかりました。
 検察はあきらかに「バッヂ」を取りにきていたわけです(大阪地検としてはたしか30年ぶりくらいの、「議員首」の大手柄となった筈)。
 ですから「議員を辞める」と表明してしまえば、裁判はごくわずかの量刑判決で、素早く片付く可能性がありました。
 しかしこれで、「創価学会員の検察幹部などに殊勲は与えぬ」という議員の闘争方針が伝わった。これで、裁判は一審では済まず、長引くでしょう。
 西村氏がこのイージーな「取引」をしなかった理由ですが、選挙で信任されている議員は、次の選挙によってのみ、その地位を失うべきだとの信念があるからでしょう。選挙で得た地位を裁判の取引材料にすれば、それは選挙でわざわざ一票を投じた有権者に対する裏切りだという正論です。
 西村支持者は近畿に多いのです。が、選挙では肝心の堺市でいつも苦戦をしている。ですからさっさと参議院に転じてしまえば楽ではないかとわたくしなどは思っていました。
 次の衆議院議員選挙はいつ来るのか、誰にも読めません。西村氏が民主党からはもう出られないことは確かです。ですから、次の参院選を狙うにしろ、衆院にこだわり続けるにしろ、西村氏はただちに新党をつくる必要があります。その場合でも、次の選挙での獲得票数として、80万票が最低ラインになります。大苦戦だと思われます。
 新党を、去年の解散総選挙のときに、作るべきでした。西村氏はもっと早く民主党を捨てるべきだったのです。その決断さえしていれば、今度の訴追も無かったかもしれないでしょう。そして西村氏はけっきょく、去年するべきであった新党結成の決断を、今年、迫られてすることとなります。
 ただし、去年とは異なり、今年は、他の「(前)議員」に頭を下げて頼まねばならない。立場は、去年よりずっと弱くなってしまいました。
 警察のガサ入れは、主にカネの流れの証拠をつかむために行なわれると聞きます。西村事務所のカネの面での透明性は、今回の事件の結果、非常にハッキリしたのではないでしょうか。警察方面での株は、却って上がったでしょう。