謹んで媒体を公募いたします。

あたらしいマッカーサー伝を書きたいと思っております。ただし、この企画は雑誌連載でないと成り立たないと思いますので、下記のように媒体を公募し、応ずる声が皆無ならば、企画そのものを無期延期します。
○執筆の狙い:
 戦後62年になりますが、いまだに日米関係は尋常妥当であるようには見えません。その原因は人々の憲法無知にあり、さらにその原因の一つには、古い世代の戦後左翼から戦後保守までに共通する「マッカーサーの神格化」があるのではないでしょうか。
 一例に挙げて恐縮ですが、渡部昇一先生のマッカーサーの神格化も、困ったものだと思うのです。
 愚生の思いますところ、ダグラス・マッカーサーは、非アメリカ的な異常な人生観をもっていたのであって、それを自己演出の才能でごまかしていました。戦場指揮官として凡庸であり、マネージャーとして有能でした。まさにその故に、フィリピン人と日本人と朝鮮人の支配者としては適任ではないかと、米国東部人からは見積もられていたのです。「マッカーサー、イコール、アメリカ」ではありません!
 日本人を特異的に良好に支配できたマックの立場に、一度なりきってみることにより、尋常妥当でない憲法と、尋常妥当でない対米関係を、クールに観察できる視力を、わたしたちは獲得できるでしょう。
○雑誌連載でないと困る理由:
 これまで愚生はあらゆるテーマを「単発書き下ろし」で追求してきましたが、1歳児を抱える家計の維持という最近の免れ難い任務から、取材に手間のかかる、この重いテーマに限っては、雑誌連載形式でないと、とうてい完遂不能――と予見しております。
○希望する媒体:
 特にありませんが、月刊ですといちばん助かります。アカ系でも宗教系でも朝鮮系でも「無問題」です。破格の稿料をいただけます場合は、愚生じしんが転向入信or顧問就任するかも……! ご連絡は、管理人さん経由で。
 ……という世知辛い話のあとで、雑談に移りましょう。
 S51刊の『最後の参謀総長 梅津美治郎』によると、二・二六事件で刑死した将校の遺家族が窮乏してその日暮らしをしているのを、昭和13年に石丸志都麿・予備少将(S6待命)が救済してやろうと運動したのだそうです。陸軍省では、天皇と世間に誤解を与えかねないというのでこれに関与することを渋りましたが、けっきょく今村均(兵務局長)が次のような方策をまとめてやったといいます。
 すなわち、遺家族のうち、10歳以下の男子を徴兵保険、女子を嫁入保険、さらに40歳以上の人々を養老保険に入れ、その掛金は陸軍省が一括払いし、保険証書を各家庭に贈呈する。もしも家族が至急に現金を必要とするときには、証書を担保として、保険会社から低利で借金ができるという特約もあったんだそうです。
 この逸話には、これから最も市場で歓迎されそうな現代の金融商品のヒントが隠れているような気がします。
 また、おびただしい資産を退蔵させている団塊世代から、より消費性向の強い若い世代に、途中で贈与税を抜かれないように「遺産」を「安心(綜合保険)」に転換して移転(生前継承)させてやるという便法は、もっと私企業によって研究され、また国によって奨励されるべきではないのかと思いました。