所変われば品変わる。米国人は軍人もふくめて、住居の床下の「ラドン濃度」に戦戦兢兢としているようだ。そんなんで 核戦争に臨めるのかよ? 敵国は、なにも核兵器を使わなくたって、「放射能霧」を撒くだけで、米軍の作戦をフリーズさせられるってことだな?
『星条旗新聞』は、沖縄本島の米軍人家族用住宅敷地における「ラドン値」を十年くらい前から問題にしている。横須賀近辺では数値はじゅうぶんに低いらしいのだが、嘉手納周辺だと数値が高いそうなのだ。記事に言及は無いけれども、三沢でもそんな騒ぎは聞かねえだよ。ということは、福島から沖縄にわざわざ避難した人がいたけれども、それはちっとも安全じゃなかったってことですかい?
以下、Erik Slavin記者による2015-3-20記事「Families struggle with radon in military housing」を見ましょう。
米国EPA(環境省)は、空気1リッターあたりに4ピコキュリー以上のラドンが検出されるかどうか、を、基準値にしている。もしそれ以上あったならば、その建物からラドンを吸い出して外に散らばらせる措置工事が推奨されるのだ。
ノースカロライナ州の海兵隊基地キャンプ・レジューンには地中に汚染物質が遺棄されていて長年、飲料水が汚染されていたというスキャンダルがあった。おかげで腎臓に癌ができて片方を摘出しなければならなかった海兵隊員がいたりする。だから沖縄の放射能に神経過敏になる海兵隊員やその家族がいるのも道理である。
米本国では、住宅のラドン・レベルを客に正直に告げずに売ったり賃借するのは違法である。
米国の多くの学者は、高レベルのラドン雰囲気中で三年暮らせば癌になるという話に同意する。
連邦政府の見解では、米国領土外にある米国施設に関するラドンの公認許容値というものはない。
嘉手納には嘉手納の規準が、米空軍によって設けられている。それは米本土のEPAの設定値より5倍大目である。その数値に達したなら、ラドン軽減工事をするための補助金が出るようになる。
そこから実際の工事がなされるまでに、沖縄では平均442日、待たねばならない。嘉手納以外の米空軍基地住宅では、3年くらいは待たせるというのが普通だから、これでもずいぶん早いのである。
問題は、米空軍の異動転勤は3年ごとにあるということ。3年待ってくれということは、永久に放置されることと、意味が同じなのだ。
米陸軍と海軍では、EPA基準値より5倍のレベルまでの物件については、緩和工事を5年以内にさせるようにしている。そしてもし5倍を超えているならば、そこについては6箇月以内に軽減工事をしなさいと指導している。さらに、もしもEPA規準の40倍のラドン濃度が検知されれば、その住宅には3週間以内でラドン対策工事がなされる。
ラドンは、地中のウランの崩壊によって発生する。通気性の良い家屋ならば、それが屋内に籠ることはない。しかし気密性が高い建物や、地下室、クロゼットなどには、ラドンがトラップされてしまうのである。
米本土全体だと、住宅15棟に1棟は、EPAの基準値以上のラドンをトラップしている。土地としては、北東部、中西部、大草原地帯州において比較的に高い。
グァム島では、住宅の27%が、EPA基準値オーバー。
WHO統計によれば、日本ではほとんどの場所が低ラドン。
ところが沖縄のコンクリート製の米軍用建物に関してのみ、話が変わってくる。
台風に破壊されないように強度が追求されている結果、エアータイトにできているから、ラドンをトラップしやすいのだ。省エネ住宅は、高ラドン住宅となってしまうジレンマがある。
※ちょっと待てよ。礫岩帯の上の家なんて九州以北のどこにでもあるだろう。嘉手納の地中には「原爆の残滓物」でも埋められてるのと違うか? そのウランが地下水で拡散しつつ崩壊してるってことは考えられないのかよ?
EPAによれば、米国のノンスモーカーが肺癌になる原因のトップはラドンであるという。そして、毎年数万人が、ラドンを原因とする癌で死んでいるという。
リッターあたり4ピコキュリーのラドンがある家で1000人の人が70年間暮らしたとする。EPA統計にしたがえば、62人のスモーカーと、7人の非喫煙者が、肺癌になるだろうと推理し得る。
これが20ピコキュリーだったならば、スモーカー260人と、ノンスモーカー36人が、肺癌になるだろう。
ただし4ピコキュリー/リッターというのも、いちおうの基準値にすぎず、これ以下なら安全だと米国政府が保証しているわけでは、ぜんぜんないのである。※ラドンが少しでもあれば、そこは危険なのである。つまり、肺癌に罹りたくなけば、人は沖縄には住んではいけないのか。アメリカ人の健康観・安全観からすると。
じっさい、欧州と中共では、2.7ピコキュリー/リッターから、肺癌の危険が急増すると結論している。WHOはその基準値を支持している。
※日本は基準値がそもそもないんだから、凄いね。これが知れ渡れば日本に土地を買おうというシナ人も減るかもなぁ。
土地の土壌景観が、米国東部諸州のように岩石の多い地帯。そういう場所では、ラドンも全般に高濃度になる。 ※尖閣も岩石でできてますよね。
ラドン軽減対策工事とはどんなものか。沖縄だと、住宅の基礎部分に地中まで穿貫する孔をドリルで開ける。そして地中のガスを換気扇で強制的に吸い出し、オープンエアに放出してやる。システムといっても、それだけだ。だいたい、1日で工事は終了する。
※てことは、いわゆる「ベタ基礎」は、良いことづくめではないのだな。拙著『農業安保論』でも考究してますが、日本でもし「100万円ポッキリ新築住宅」を実現するのなら、「基礎をいかに簡単にするか」が勝負だと思われますので、これはむしろ朗報じゃないか。ノーパンクタイヤのトレーラー・シャシ構造とするのが、いいかもしれない。
ラドンは、児童にとってより危険である。子供の肺は小さいため、呼吸頻度が大人の二倍あるためだ。10歳以下の子供は、おなじ被曝時間でも、大人の2倍、肺がラドンに接触する。
ラドン軽減工事は、米本土なら1軒あたりだいたい1200ドルで済む。しかし沖縄では4500ドルかかる。まずシステム物品を米本土から取り寄せねばならず、アスベスト検査などもせねばならず、また沖縄の作業員の労賃が高いからだ。
次。
ついでなので、肺癌がらみで、ちょっと2ヶ月前の旧聞だが、スモーカーには信じ難い福音と言えるビッグニュースをご紹介しよう。どうしてこういう記事が今まで『新潮45』とかに載らぬのか、不思議に思う。(それにしても『新潮45』の四月号はその内容の濃さで他の月刊誌を圧倒したな……。)
以下、ストラテジーペイジの2015-1-30 記事「The Stress Over Stress Relief」より。
DoDは、将兵に禁煙をすすめてきたが、公式に、そのキャンペーンを中止した。じつは、タバコは兵隊にとってはすばらしいということが、わかってしまったのだ。
イラクとアフガンの10年以上の経験から、戦場の緊張をやわらげるドラッグとしては煙草がいちばん優れていることがしぶしぶ認定された。2001年の調べで、軍人の3人に1人はスモーカー。民間では5人に1人だが、それには理由があったのだ。
そもそも欧州人が新大陸でタバコに出合ったとき、まず彼らは、噛みタバコとして習慣を輸入した。パイプと葉巻喫煙がそれに続いた。
新大陸人は、紙巻タバコを考えたことはなかった。それを欧州人が発明したことにより、喫煙習慣は急速に普及した。
やがて第一次大戦で、タバコが戦場ストレスを緩和することは庶民に広く知られた。
人類が皆、若死にだったころは、たばこの副作用など、なんの問題でもなかった。しかし長生きするようになったために、これがまずい問題だと認識されるようになったのだ。
たとえばタバコが欲しくなるのは、空中給油によって連続30時間も飛び続けなければならない1950年代以降の長距離重爆クルーたちである。
かつて空軍は、これを覚醒剤で解決しようとした。
だが覚醒剤は、人を攻撃的にして判断力を狂わせるというまずい作用がある。
いちおう、新型覚醒剤としてデクストロアンフェタミンdextroamphetamineがある。アンファタミンよりは緩慢であり、食欲抑制剤としても利用されるのだが……。
抑鬱剤や、精神安定剤もいろいろと生み出された。だが、どうも戦場では、タバコほどに、具合はよくない。
※ステロイドの打ち過ぎで平常粗暴になってるから、それを緩和する必要があるのか。
兵隊に暴力ゲームを与えて余暇に遊ばせることは、戦場ストレス中和剤になるか? これは長期副作用が解明されてない。
けっきょく、害が許容範囲内で、効果が間違いなくあり、理想に近いといえる唯一の戦場ストレス中和剤は、いまのところ、煙草だけなのだ。これを、国防総省は、認めざるを得なかった。
※わたくしはノンスモーカーでありますが、自衛隊時代「キャビン」の匂いだけは識別できるようになりました。そして今、軍歌『討匪行』の歌詞:「すで~にィ~たば~こ~はなく~なりぬゥ~、たの~むゥ~マッチは濡れェ~果ァ~てぬゥ~」の味わいが増すのを覚ゆるのであります。