「読書余論」 2016年8月25日配信号 の 内容予告

▼防研史料 『爆撃兵器関係』
▼中田万之助『徳川氏刑法』M21-3
 反逆、謀殺主尊属、放火強盗でも、その所犯より12月を経過して発覚したるときは、其罪を免ず。
 評定所の目安箱に 受理糺問なし難い事件を3回投じた者は、放江戸。
 武家 卒以下 庶民等より法外の暴言を以て辱かしめられ 止むを得ずして之を殺傷したるときは其罪を論ぜず。
 白痴其他 智覚精神を喪失したる者 火を放ちて家屋建造物を焼毀したる者は流刑に処す。
▼『日本風俗史講座 第五巻』雄山閣S4-7
  所収・有坂【金召】蔵「武器武装」
▼陸軍省編纂『明治卅七八年戦役 陸軍政史』M44、1983復刻。
▼『戦場のならず者――セルビア軍に立ち向かったフランス人雇われ兵』1994-10
▼中央乃木会『御神徳を仰ぐ』S49-1
▼北越製紙(株)『北越製紙70年史』S52-6
 S18~19のヴァルカナイズトドファイバーは、海軍省指定燃料ドラム缶用に充てられた。
▼東陶(株)『東陶機器七十年史』S63-5
 海軍から、「マル呂」ロケット用の耐酸電界槽なども受注。
▼本州製紙(株)『本州製紙社史』S41-2
 S18に陸軍航空本部から、紙製ドラム缶の製作を命ぜらる。仕上がりは竹細工。
▼伊奈製陶(株)『伊奈製陶株式会社30年史』S31-12
 S19-9に、ロケット「まる呂」の耐酸炻器を造れと言われた。
▼高等捕獲審検所 残務調理員『明治三十七八年戦役捕獲審検誌』M39-6
▼クリーガー&オン著『ミサイル防衛――大いなる幻想』2002-11
▼大分バス(株)『五十年のあゆみ』S62
▼高桑純夫ed.『自我と実存』1948
 サルトルのマルクシズム攻撃は次のようなもの。
 思想やイデオロギーは社会の上部構造だという。ならばどうしてそのイデオロギーが逆に下部構造たる社会を変革し得るのか?
▼鮎川信夫『自我と思想』1982
 ヴァレリー、ジッドは、マジノ線が突破されるとは思ってもいなかった。知識人と言ってもその程度か。
 レジスタンスもぜんぜん評価できない。ナチズムはレジスタンスで倒されたんじゃないことは明らか。
 「日本浪漫派」はドイツかぶれにすぎない。鮎川ら大正9年生まれの世代だと外国映画はぜんぶ観ていたが、橋川らの大11世代以降はドイツ映画以外、鑑賞を禁止されたのである。だから大9人には大11人の思想偏向が透視できる。
 「第一、人類が全滅するという考えはおかしいですよ。全滅する何倍かの原爆があると言ってますがね、数学的にはそうかもしれないけど、絶滅はしないんじゃないか」(pp.217-8)。
▼『岩波講座 文学 第五巻』S29
 伊藤整いわく。日本は「現世を逃亡するだけで十分生命感を味ふやうな不合理な社会を長いこと持つていた」。「個我伸展の思想が真面目に考へられたのは文壇のみ」。
▼相田二郎『小田原合戦』S51
▼花見朔巳『鎌倉時代史論』S6
 乗馬には「鞍締まり」の身体ができていないといけない。股関節で内側へ締める力が、昔の乗り手は、強かった。
▼笈田敏野『北條時宗公』S17-1
 元軍が二度目には宗像の石垣海岸に着上できなかったのは、日本の弓の威力による。
▼『今昔物語』M34-10pub. 国史大系第16巻/経済雑誌社
 ※これにて本書のメモは完結。鎌倉時代には大盗賊と乞食がほぼ同義であったことが覗われる。
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。
 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。
 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。
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