ストラテジーペイジの2017-9-6記事。
ISは覚醒剤戦士だった。
イラクのモスル市奪回後、ISの死体の血液を検査して判明した。
最終局面では数週間にわたり、ほぼ不眠不休で戦闘を継続。負傷しても止めなかった。怪しいと思ってた。
ただし従来と違っているところあり。従来は経口の覚醒錠剤だった。
今のISは、メタンフェタミンを静注しているのである。
イスラム圏では多くの聖職者すらドラッグ・ユーザーであり、これは驚くにあたらない。
昔から、特攻テロリストの死体を調べると、血中にドラッグの痕跡が確認されていた。ずっと前からのイスラム圏の伝統なのである。
有名なのは11世紀イランのハサシーン/ハシシュ団。一箇所の砦に籠もっていたので、モンゴル軍により根絶させられた。今はオムニプレゼンスなので、ラリったテロリストたちを退治しにくい。
イスラムテロリストはながらく、「キャプタゴン(Captagon)」という商標のフェンエチリン剤〔不詳〕を愛飲してきた。これはアンフェタミンと同じ覚醒効能のある合成薬だが、血圧がやたら高まるなどの副作用は少ないものである。
先進国は1980年代までにこの薬を市販禁止しているのに、中東では今でもカプタゴンが普通に買えてしまう。
ISは占領した製薬工場でフェンエチリンを製造した。必要な原料はトルコから密輸入していた。
シリア内のゲリラ達にとって、キャプタゴンは、コーヒーや酒と同じ、ありふれた興奮性嗜好物なのである。
※モスル戦については『月刊宗教問題』の最新号にも総括しておいたよん。隔月なので、出た日にはもうタルアファが陥ちてた……。そういや『SAPIO』も隔月となるらしいが、それって店仕舞い準備だろう。
次。
DEREK HAWKINS 記者による2017-9-5記事「North Korea’s propagandist in pink once again serves up earth-shaking news」。
すっかりアメリカでも有名人になったピンクチョゴリのアナウンサーは、リ・チュンヒーという。
『アトランティック』誌は「ピョンヤン・パティ」と仇名を捧げている。
かれこれ40年以上もニュースアンカーを勤めている李は74歳である。
李は1943に平壌の南東辺で生まれ、平壌の演劇学校に進んだらしい。
北鮮雑誌『月刊朝鮮』の2009記事によると、李は金日成から特に目をかけられ、権威ある声で話すように言われたのだという。
どうやら朝鮮人の耳には、彼女の声質が一種の感動を与えるらしい。
北鮮の国営テレビが1971にスタートすると同時に李はそのTV局に配属された。
1980年代までに、レギュラー・アナウンサーに。
国家行事、政府の声明、天気予報、なんでも語った。
金日成と金正日が死んだニュースは、昼メロの如く涙ながらに読み上げた。
さすがにそのときは黒衣装。ピンクでなく。
レギュラーキャスターとしては2012に降板。
しかし、政府が何か特別な声明を出すときには、臨時に引っ張り出されて来る。
李には亭主も子も孫もあって、平壌市内で優雅に暮らしている。
これまで、李の同僚アナウンサーや上司、多数がTV画面から消えていったのだが、李だけは残り続けた。どんなパージがあったのかは、謎。
脱北者が2009にロイターに語った話。韓国に来て驚いたのは、ニュースキャスターが原稿を読むのにちょくちょく噛んだりつっかえたりしていること。北鮮TVのアナウンサーには絶対にこんなことは許されないのだ、と。
2012の少し前、中共の国営メディアが李にインタビューしている。李は、これからは新世代のブロードキャスターたちを教育するのだと言っていた。
しかしそれから5年経ったのに、依然として李の後継アンカーは顕われていない。おそらく半島で次の戦争が起きたときにも、北鮮の開戦声明は李が読み上げるのであろう。
※本日発売の『Voice』に面白い記事が載っているので、みんなで熟読しよう! 核ミサイルの話? 間に合うわけねえだろ!
次。
Joel Gehrke 記者による2017-9-6記事「Rep. Ted Yoho: North Korea threat means more F-35s to Japan」。
日本はF-35をもっと買うことについて「レター・オブ・インテント」以上の要請をし、米国と合意した、と外交委員会のアジア太平洋小委員会の委員長テッド・ヨホ(フロリダ州選出、共和党下院議員)が『ワシントン・エグザミナー』紙に語っている。
彼は、それが米日どっちの提案なのかは語らなかった。ホワイトハウスも国務省もこの件についてノーリプライ。
※記事は、これが政権の意を受けた国務省側による一方的フェイク宣伝にすぎないことを春秋の筆法で示唆している。
現時点では、日本は42機のF-35を買う計画。うち38機は名古屋で組み立てられる。
※なーんかこのYohoという御仁は韓国の立場を擁護するのにかなり熱心な様子なので、トランプの矛先を逸らす目的で日本がF-35をもっと買うなどとフカしているのかもしれない。