Oriana Pawlyk 記者による2018-12-1記事「The Days of Secret Military Operations May Soon Be Over. Does That Matter?」。
いま世界には27億7000万人のSNS利用者がいる。
SNSを含めたオープンソースをマイニングすれば、秘密の軍事情報だって、たいがい分かってしまう。
じつはビンラディンの隠れ家突入作戦も、近所の住民によってリアルタイムにネットに上げられていたことが後から分かった。もしこれをリアルタイムでマイニングできれば、偵察衛星もスパイもいらないわけだ。
ある駐屯地の温水の使用量が急に増えたり減ったりしたら、それは部隊の移動があったことを示唆するだろう。
ある海兵隊員がSNS投稿をパッタリと止めたら、そいつは戦地に動員された可能性が考えられる。
こうなると、ツイッターやフェイスブックを軍隊が逆手にとって敵軍を騙すこともアリだ。たとえば実際には出港している空母が未だに在港しているかのような偽写真を投稿することも可能であるから。
※「港に戻って来るところを撮影しました」というフェイク写真ならば、もっとバレるまでの時間が稼げるだろう。それは岸壁ではなく水道某所におけるチラ見かけの望遠撮影だから、即座にコンファームできなくても不思議がないし、同じ撮影場所ですぐに確認のできるスパイ投稿者も稀少だ。
やがて、この世の真実は、「嘘の海」の中に埋没してしまう。
ロシアが形成しつつあるのは、そんな世界だ。……と、ピーター・ジンガー先生。
モスル市の攻防中、ISは、大損害を受けていたのに「勝利しつつある」とオンラインに投稿し続けた。そうする必要があった。世界のイスラム教徒が視るネットの世界ではISは勝っていることにできる。そうすることでIS戦士の全世界リクルーティングは持続可能なのである。
デザートシールドのとき、米軍はタンカーをいつも同じ時刻、同じコースでイラクの周辺空域に飛ばした。そしてある晩、それにピタリと寄り添ってF-117ステルス攻撃機が飛び、バグダッドに第一弾を落としてやった。
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Karen Hao 記者による2018-12-1記事「Inside the world of AI that forges beautiful art and terrifying deepfakes」。
「ディスクリミネーター(弁別、ダメ出し)AI」と「AI絵描き」の相互対話作業を高速で続けさせると、やがて、細部までホンモノそっくりな図像をCG生成できる。
他人の指紋もリアルに再現できるし、他人のバイオメトリック・データすら複製できるのだ。
ディープ・フェイクもこの原理によれば、どこまでもリアルさを追求できる。
次。
Sydney J. Freedberg Jr. 記者による2018-11-30記事「AI In Your Eye: Army Goggles Will ID Targets Automatically」。
米陸軍は、「イメージ認識ゴーグル」を試験中である。敵の戦車のような高い脅威の存在をAIが自動で認識し、それを装着している兵士に知らせるだけでなく、分隊の仲間全員にも警報。さらに目標の座標を後方の対戦車ミサイル部隊に電送もする。
これはマイクロソフト社の子企業ホロレンズ社が陸軍から4億8000万ドル(2年間)で請け負った一体的視覚増強システム=IVANSの機能のホンの一部にすぎない。
IVANSは、以前には「HUD 3・0」と称されていた。戦闘機のヘッドアップディスプレイの歩兵版を創ろうという発想だった。
だが以前には、イメージ認識の話はなかった。ここへきて、いきなりそれが飛び出してきた。
AUSA AI の会場でクリス・ドナヒュー准将(米陸軍の歩兵近代化担当)が説明してくれた。
いわく。米陸軍部隊が前線で発見して破壊すべき優先目標というのがあり、その順番は、SAM(「SA-22」「S-300」「S-400」)が第一で、戦車(T-90など)は二の次なのである。
今日の陸軍はマルチドメイン・ドクトリンを採用しており、まず味方空軍が活動しやすくするために敵のSAMを排除してやることになっているのだ。
「T-14」だろうと、それはSAMより優先はされない。
IVANSのゴーグルを装着した兵士が戦場を見回す。すると、遠くの樹林に潜んでいる「SA-22」をたちまちにAIが見つけ出してくれる。というのは「SA-22」を撮影した数千のイメージがライブラリに貯蔵されており、AIはそのライブラリとの類似点を瞬時に風景の中に見出すのである。
もちろん無線でつながるクラウドサーバーが必要だが、それはHMMWVやストライカーの車内に置かれている。
ただしペンタゴンの大方針としてAIが敵だと判断したものを攻撃する前には必ず人間が介在してチェックする。さもないと戦車と間違えて孤児を満載したスクールバスを爆砕しちまったとかいうスキャンダルに米国は見舞われるだろうから。
兵士甲のAIゴーグルが風景の中に「T-90」を探知したとしよう。すると、分隊内でジャヴェリン対戦車ミサイルを抱えている兵士乙のゴーグルにその位置データが表示される。兵士乙は目標が確かに敵の戦車だと確認した上で、ジャヴェリンを発射すればいい。
傾向として、若い兵隊ほど、より多くの「データ」をゴーグル上に表示して欲しいと望むのだという。
※島嶼戦では敵が持ち込めるSAMにかぎりがある上、イスラエル軍がやっているように先行して囮ドローンを放てば敵のSAM庫は空になる。空中のスーパーツカノからリリースできるロイタリング自爆型ミニ・ドローンの開発が待たれるぞ。