ストラテジーペイジの2018-12-2記事。
10-25から11-7のNATO演習期間中、ロシアは国境(コラ半島)の軍事基地内からGPS妨害電波を発信し続けた。
北部フィンランドとノルウェイは、GPS妨害の迷惑を蒙った。
ノルウェーは発信源を正確につきとめた。
ロシアはオレたちは何もやっていないと否定している。
NATOの軍用機や民航のジェット旅客機には、一切の影響がなかった。
しかし個人所有の小型機は影響された。
ロシアのメーカーが長年開発してきたGPSジャマーは、西側の軍隊に対しては効かず、民間に対してだけ効くのである。2014のウクライナ侵略のときもそうだった。進歩していない。
ロシアは湾岸戦争以降、GPS誘導爆弾の脅威を重視し、味方の地上部隊が米国製のJDAMで精密攻撃されずにすむような妨害電波発生器を開発し続けてきた。ところが、それは軍用GPSに対してはちっとも効果が無いことが、一貫して戦地で証明され続けているのだ。2018NATO演習で確認されたように、いまだに同じである。にもかかわらずなんでこんなものを作り続け、売り続けているのか?
買い手がいるからである。
ロシアの初期のGPSジャマー開発企業は「Aviaconversia」社といった。
1997年から同社は4種類のGPSジャマーを市販開始した。出力は4ワットから8ワットで、1個が4万ドルだった。
宣伝では200km先まで妨害できると謳っていたがもちろん誇大であった。
バッテリー抜きの重さは8~12kg。
消費電力は25ワット/時だった。
2002年、AviaConversia社は突如として消えた。ロシア軍の一部門として吸収されたことは明らかだった。
2003年、イラク軍はアヴィアコンヴェルシア社製のGPSジャマーを使って米軍機からのJDAMを逃れようとしたものの、まったく効かないことが立証された。
中共は2007年から、トラック車載のGPS妨害システムを海外へ販売している。
北鮮によるGPSジャマー攻撃は2011~2012年。やはり在韓の米軍機には何の影響もないことが確かめられた。
2016年にロシアは、可搬式GPSジャマー「Pole 21」を海外市場に売り込みはじめた。
このシステムは、既存の携帯電話中継タワーに取り付ける。
そして20ワットの妨害電波を出し、半径80km以内の民間の衛星航法を妨害する。
はやくも90年代なかば、GPSジャマーの回路図はインターネットにUpされ、ネットで部品を買い集めれば100ドルしないで誰でも自作できた。
はんだ付け作業は、必要だったが。
そしてすぐに、完成品キットがネットで40ドルから売られるようになった。
ただちに米国内の専門家が調べたところ、軍隊に対しては無効だが、民間のGPSユーザーに対しては害があると知られた。
2001年から国防総省は独自に実験した。ネットで1万ドルくらいで全部品が買い集められる、ちょっと本格的な装置をテロリストがこしらえたならば、米軍のGPSも妨害されるだろうかと。結果、それでも軍用GPSは妨害されないと確かめられた。
併行してペンタゴンは、GPSジャマーの発信源座標探知機の開発を急がせた。対電波ホーミング・ミサイルの弾頭に収められるくらいのサイズで。
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ストラテジーペイジの2018-12-1記事。
S-400の開発完了宣言は2018-10であった。
ペトリとS-400の最大の差は、実戦経験蓄積。後者はゼロ。
ペトリオットが機能を発揮するかどうかは操作兵の技倆しだいである。だから米国は教育訓練をセットで売る。これが高額である。
後進国はこの費用を嫌がる。
ロシアは、教育訓練の代わりに、操作兵を「メンテナンス・アドバイザー」としてつけてやる。実戦でロシア製SAMの発射が必要になったら、民間人の整備員の格好をしたロシア兵が、発射してやるのだ。
このお手軽さに加えて、購入総費用の何%かを相手国要人にコミッション料としてこっそり払い戻す贈賄工作のおかげで、ロシア製SAMは後進国から好まれる。
サウジ軍が過去三年、ペトリによって100発近いイラン製BMを迎撃したのはすごいことだ。
これに比してシリア兵の水準は酷い。S-200でロシア製の四発哨戒機を誤射して墜としてしまったのが唯一の戦果なのだから。
S-200は60年代からある古モノである。
S-300は1978に登場したが、まだ実戦で1機も撃墜したことはない。
S-400は2007年に露軍に部隊配備されたというものの、これまた実戦では1機も落としたことはない。
セルビア人も優秀だ。1999年にF-117をロシア製SAMで撃墜してみせた。NATO空軍機によるSAM駆りを巧みに逃れながら、反撃したのだ。
これに対してシリア軍は1982年にイスラエル機を1機も落とせず、SAM部隊を壊滅させられてしまったものである。
米国の強みは、S-300の実物を入手して弱点を研究できていることである。ソ連崩壊直後、S-300は誰でも「市場調達」できる状態だった。
2014年に経済制裁を食らう前、露軍は56個大隊のS-400を2020年までに整備する計画だった。
しかし2017年なかば時点で40個大隊しか整備できていない。
しかも、2007年からS-400がモスクワ周辺に展開し始めたというのに、国防省は2012年に古いS-300V(SA-12)を追加発注しているのだ。このことはS-400に欠陥があったことを示唆する。
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Bob Sorokanich 記者による2018-12-1記事「Why the Diesel Jeep Gladiator Pickup Tows Less Than the Gas Engine」。
ジープ社の2020年モデル「グラディエーター」は、V6の3600cc.ガソリンエンジンなのに牽引力が7650ポンドもあるとLAオートショーで公言された。この値はトヨタの「タコマ」より大きい。
あとから、3リッターのディーゼルも発売するが、そのトルクはガソリン仕様車よりも小さく、牽引力はおよそ500ポンド軽くなるんじゃないかという。なぜなのか。
理由はターボだから。圧縮した空気は冷やしてからシリンダーに送り込まねばならない。その冷却システムが、グリルを透過する空気を費消してしまうので。
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Helena Pozniak 記者による2018-11-26記事「The Technology That Will Finally Stop Poachers」。
2009年いらい、自然動物保護管理隊員(ゲームレンジャー)が密猟人のために射殺される事件が全世界で871件確認されており、2017年だけでも100人死んでいる。
南アのクルーガー公園の近辺では8時間に1頭のペースで野生の犀が密猟されて殺されている。
同地のパークレンジャーたちは、「密猟者を見つけたら逮捕せず殺せ。裁判無し」と指導を受けている。敵も高性能ライフルで武装しているので、ほとんど反政府ゲリラ部隊と同然であり、逮捕のために近寄ることが非現実的なのだ。レンジャーが見つけ次第に遠距離から射って死刑に処すしかない。
密猟者は1本で15万ランドを得る。これはカタギの南ア国民の5年分の収入に相当する。
犀の角は1本、7kgぐらいである。
2017年のこの公園付近の密猟人は推定1000人であった。
死の危険があるのに密猟者はあとからあとからやってくる。犀の角は闇市場にキログラムあたり6万ドルで売れるのだ。これは貧乏黒人にとって死のリスクに値する。
下っ端のゲームレンジャーが密猟者から1000ドルで買収されてしまうこともある。そのくらい儲かる商売なのだ。
世界の犀の85%は南アフリカに棲息する。
密猟しても何も得られないようにするため、野生の犀の角をあらかじめ切除してしまう方法や、犀の角に小型発信機を埋め込む方法もあるが、リスクが伴う。体重がデカすぎるので麻酔薬の適量がわからない。ヘタをすると麻酔のせいで失明したり死ぬことがある。
結界に多数の監視カメラを設置し、センサーのネットワークを構成し、侵入者を見張る方法は、南アの特定地所においては、成功した。
密猟人はおきまりの行動パターンを反復してくれるので、そこを見逃さないことだ。
侵入点は毎回変わる。しかし月明がないと猟果もない。だからやってくる日時は絞り込める。
賊が境界フェンスのワイヤーを切ると、それは通電されているのですぐにアラームがセンターに伝わる。
また結界線の地中には磁気センサーが点々と埋められている。銃器などの金属を携行した者がそこを横切れば、やはり無線で管理人センターに通報が行く。
自然公園から密猟者を排除することは南アにとって重大課題。というのは、この国の観光収入は莫大であり、それによって多数の雇用もつくられているから。
※固定脚で軽量(1133kg)な九七式戦闘機多数を保有した沖縄戦当時の旧陸軍と、AHを少数保有し沖縄まで自力飛行もさせられない今の陸自が先島群島で戦闘したら、旧陸軍の方が勝ってしまう。スーパーツカノは四式重爆「飛龍」以上の夜間対艦攻撃能力を持つ。陸幕スタッフは顔を洗って戦史叢書『沖縄・台湾・硫黄島方面 陸軍航空作戦』(S45)を読み返し、先達の遺訓を再度確認すべし。「海兵隊の天下り先互助路線」では情けなさ過ぎるぞ!