韓国は地域にとっての危険国家であるので、高性能兵器を譲渡しないよう米国政府に外務省が公然と要求しなければならない。

 過去にフランス政府が対潜ソナーとガゼルとHOTを、またイスラエル企業が戦闘機設計図や無人機見本を中共軍に売り渡したために、今、周辺国がどれほど迷惑しているか知れない。当時の日本外務省がするべき仕事をサボって仏政府やイスラエル政府に何の抗議もしなかった結果なのである。
 次。
 Joseph Trevithick 記者による2019-1-21 記事「The U.S. Army May Cut Nearly Half Of Its Already Underappreciated Naval Fleet」。
    米陸軍がもっている最大の船舶は、LSV=補給支援船で、8隻ある。別名「ジェネラル・フランク・S・ベッソン級」だ。
 2018-11時点で、米陸軍は、34隻の汎用揚陸艇=「LCU-2000型」、36隻の装甲車両揚陸艇=「LCM-8型」、そのほか多種のタグボート、小型フェリー、非自航型のバージを擁している。
 これらは、米陸軍の現役諸部隊(AC)が運用しているものと、予備役陸軍部隊や州兵陸軍(あわせてRCと略す)の所轄のものとがある。
 今、米陸軍は、「LCU-2000」を18隻、売却しようと考えている。
 また、陸軍予備役部隊と州兵陸軍の運用する雑多な船艇は、いずれ廃止する方針を固めたようだ。
 ※それがほんとうなら、日本政府はただちにこの中古「LCU-2000」等の買い取りを打診し、トランプ政権が経常赤字問題で攻めてくる前に先手を打ってご機嫌を取るべきだ。それは閣議決定された防衛省のクロスドメイン戦略(新大綱)にも全く沿う装備なのだから問題はない。陸自に人手が足らぬなら現在の乗員の一部も「軍属」として雇用するとよい。特殊船艇の運用経験者であるうえ身分の確かな元米軍兵士なら、特技を具えた外国人労働者としていささかも問題ないだろ。「LCU-2000」が石垣・宮古等に常備されているだけでも、中共からの尖閣侵略などありえなくなる。当然ながらLCUは災害派遣でも大活躍してくれる。五輪の前に東京都または消防庁が数隻、装備しておく価値もある。関西空港だって、これを1隻持っていたなら去年の失態は回避できたわけだ。
 予備陸軍と州兵陸軍が持っている船艇は、3隻のLSV、7隻のLCU-2000、9隻のLCM-8、8隻のタグボート、2隻のクレーン付きバージ等だが、これらは陸軍に移管されることになろう。
 それは、米本土ではない海外に展開されているLSVの三分の一、揚陸船艇の二分の一は、米本土に呼び戻されてしまうことを意味する。
 LSVは、船首側ランプからでも船尾側ランプからでも、縦通的に、戦車やコンテナを搭載・卸下できる、排水量4200トンの重宝な輸送艦である。
 また、岸壁クレーンを使えば、中央の低舷スペースに、C-17の胴体のような「長物」を載せて海送することもできる。
 LSVやLSUは、海軍の巨大な揚陸艦と、微小な上陸用舟艇(または水陸両用車両)のギャップを埋めてくれる存在なのだ。
 さらにLSVは、米軍の演習では、同盟国軍の潜水艦に対する「潜水母艦」(潜水艦に物資を洋上補給してやるフネ)としても運用されることがある。つまりそれだけ多機能。
 LSVやLCUの乗員は特技者である。彼らがいったん離職してしまうと、再びマンパワーを充実させようとしてもすぐにはできない。
 こんかい、18隻のLCU売却だけで済むだろうか。
 もしや、米本土沿岸に置かれている陸軍所属の14隻の現役LCU、さらには〔稼動させてないで保存している?〕他の20隻〔それは旧い「LCU-1600」型のことか?〕も処分することになるのではないか。
 米陸軍の構想では、新しく36隻のMSV(L)=機動支援艇(軽)を調達し、それによって、ガタの来ている「LCM-8」をリプレイスしたいらしい。
 ひょっとしてLCU-2000を18隻売るというのが誤報で、18隻の陸軍現役のLCM-8を処分するのかもしれない。LCM-8はベトナム戦争時代からあるものだ。なお陸軍予備隊と州兵陸軍も、合計18隻のLCM-8を保有する。
 MSV(L)の建造かスタートするのが2021年というから、ギャップが生じる心配がある。
 2011年には、そもそも米陸軍が取得した『スピアヘッド』級超高速輸送船EPF(「なっちゃん」にヘリパッドを設けたようなアルミの双胴船)が、米海軍に移管されている。
 ※韓国は7100トンの新鋭戦車揚陸艦LST-IIを2018末時点で4隻体制にした。76mm砲、2機分のヘリパッドに、対ミサイルシステム付き。並行して同国海兵隊の定員も、2万5000人から2万9000人に増強しつつあるところである。「3万人」とすると「対日戦のヤル気満々」であることが海外に悟られてしまうので、数字の上では抑制したが、徴兵制だから陸軍の他部隊の枠を融通するだけで短時間に4万人にも5万人にもできる。人件費が安い分、装備・弾薬も日本以上に増やせる。ボンヤリしていていいんですかい? 陸自は部隊定数では対抗できないので、機能と「リクルート魅力」で対抗するしかない。AHを廃して複座型「スーパーツカノ」を大充実させる以外に、募集難のきょうび、答解などないだろう。スーパーツカノだけが、太平洋戦域の「距離の暴虐」もあっさりと克服してくれる。