「全縦深展開力」を有しない部隊・装備では、たとえば西方を強化せんとすれば北が弱まって、ロシアに舐められるといった事態に悩まされてしまう。
しかし 固定翼軽攻撃機=ライトアタックのように、全縦深に迅速に展開する機能を有した兵科ならば、日本のどの一角に所在していようと、そこから、全方位に睨みを利かせることができるのだ。
たとえば帯広に有力なLA隊があったとして、それは尖閣海域警備のためにも、たちどころに移動&集中ができるのである。
次。
JOHN VANDIVER 記者による2019-3-8記事「Trump wants Germany, Japan and others to pay full cost plus a premium for US troops, report says」。
ブルームバーグの特だね。
「コスト プラス50」だとトランプ様が言い出した。
同盟国は米軍駐留費の全額に、さらにその5割を上乗せして米国に納付しなさい、という新プラン。
独、韓、日の場合、従来の負担額の5倍から6倍の金額となるだろう。
※これにくらべたらF-35のオトナ買いなど安いというわけか。
この要求は先日妥結した韓国との交渉の途中で飛び出したらしい。
ドイツ人は猛反発するだろう。ドイツ国内には3万2000人の米兵とその家族が所在するが、隣のポーランドはすでに敵国ではなく、ドイツは最前線ではない。
つまり在韓米軍の場合とは意味合いか異なる。べつにドイツ国内に米軍がいてくれなくてもドイツ人は困らない。
冷戦最盛期には、西欧に30万人もの米軍が常在した。今は在欧米兵はぜんぶで7万人くらい。
ドイツ国内に限ると、米陸軍は1個歩兵旅団を置いているだけである。
日本は対支の防波堤として在日米軍に期待しているところが大。しかしドイツは米軍無しでも当座困らない。
ドイツ国内の最大の米軍拠点は、ラムスタイン空軍基地である。米軍はここを策源にしてイラクやリビアに介入した。ベルリンはそれを熱烈に支持したわけではなかった。まったく米国の対外政策のインフラとして利用されているだけである。
米国外における米軍最大の軍病院は、ドイツのラントシュトゥール地域医療センター。アフガニスタンで負傷した米兵はみんなここに空輸されてくるのだ。しかしドイツ人はこの病院のお世話にはなっていない。
スペインとイタリアには、米海兵隊が、危機対処部隊を置いている。これは北アフリカ諸国内の米国大使館がもしまた暴徒に襲撃されそうになったときにかけつけるために新設された部隊。欧州防衛には特に貢献はしてない。
イタリア政府とスペイン政府はこの基地について何か金銭的に負担をするべきなのか?
逆に、カネを払うから米軍が常駐して欲しいと正式に要望している国もある。ロシアの侵略に直面しているポーランドは、米軍基地を国内に置いてくれるのなら、開設費用の20億ドルを負担する言っている。
一試算によると、ドイツは米軍関係の駐留コストの2割にあたる10億ドルを支出しているという。
ただしドイツ政府はキャッシュを米政府に納めているわけではない。ほとんどが、現物やサービスの供給。
トランプ政権は、米国の政策に協力的な国に対しては駐留費負担をディスカウントする、といった方針も検討中であると。