ストラテジーペイジの2019-6-10記事。
2003年に米陸軍のペトリオットが友軍機を2機、撃墜してしまった。どうしてそうなったか。
こちらに向かってくる飛翔物体が、イラク軍のSSMなのか、帰投せんとする友軍の有人機なのか、ペトリのソフトには見境がつかなかった。
友軍機のIFF信号は米軍のペトリには不感であった。そしてペトリのSSM迎撃モードはクイックリスポンスが必要なので全自動だった。そのため友軍機はSSMと誤認され即座に撃墜されたのだ。
1991の湾岸戦争では、米軍のペトリは、友軍のごく近くからのECMによって干渉された。多国籍軍の合同作戦では、かつて近接して演習したことのない友軍と異常に近接することになるので、未経験の電子トラブルが起きるのだ。
自軍の軍種間でも実戦になるとトラブルが発生する。
1991に、北行する米軍機は、敵支配地の真上に達する前に、対SAMのジャミング・システムが正常に作動するかどうかのテストをすることが手順となっていた。
ところがそのテストがちょうど味方陸軍のペトリ部隊の上空でなされたものだから、ペトリのソフトは、そのECM発信源は敵機であると認定してしまうのである。
このケースでは手動での手順が噛んでいたので誤発射は回避された。
対砲兵レーダーの場合。
これまでさんざん改善を続けているのだが、いまだに、「誤報・誤探知」をなくすことができない。
しかしこれは、「不探知」のまま敵砲弾が着弾してしまう事態よりはマシだろうというので、許容されているのだ。