ストラテジーペイジの2019-6-26記事。
CMF=発泡コンポジットメタル が、軽量強力防弾素材として超有望だと発見されてから3年。とうとう実用化するぜ。
従来の戦車のチョバム式複合装甲。そのスチール素材(米戦車においては劣化ウラン素材)の層を、このCMFで代置すると、すごいことになる。
これまでより装甲が軽くなるのに、これまでより防護力を強靭にできるのだ。
セラミクスの層は、いままで通り。
なぜそんなに防弾力が高まるのか。CMFに高速物体が衝突すると、CMFは圧縮されるのである。その圧縮するときに、徹甲弾のエネルギーを75%も奪ってしまうわけ。
CMFを製造するには、ガスの泡を、熔けた金属の中に無数に封入しなければならない。
このCMFは2015年に、各種放射線を防護するための軽量なブロック材として発明された。
CMF単体でも役に立つ。たとえば人工衛星を宇宙線から守る目的で。
するとあるとき、このCMFをセラミクスで挟んでやったら、複合防弾構造になりはしないかと思いついた技師が、実験してみたら、じっさい凄かった。
CMF装甲の応用ポテンシャルは広範囲に及ぶ。いままで、エンジンが非力で、とても重い鋼鈑など被せられなかった非装甲車両を、あらためて防弾化してやれることにもなるのだ。
正面装甲より防護力の手薄であった、AFVの側面や背面でも、APFSDS弾をストップできるようになる。
とうぜん、歩兵のボディアーマーへの応用も考えられるだろう。
重くて割れ易いセラミック挿入板の代わりに、このCMFを使えるだろう。
※イランや中共は、特に価値の高いものを蔵めた地下室を覆う、防空壕の天蓋に応用しようとするだろう。これで米軍の地下侵徹爆弾は無力化されてしまうことになる。
次。
Andrew Greene and Michael Park 記者による2019-6-23記事「Secret plans for new port outside Darwin to accommodate visiting US Marines」。
豪州政府は、ダーウィン港の北東40kmにあるグライド岬地区に新商港を建設し、それを米海兵隊専用に充てる計画。
グライド岬地区は海岸の水深が大なので、かねてからノーザンテリトリー州政府が、臨海工業地区として開発できると目していたところ。
岸壁水深が大であるということは、米海軍の『ワスプ』や、豪州海軍のLHDも横付けができるということ。
築港が成れば、将来、2000人のローテーション派遣の米海兵隊が宿営するのにも適するだろう。
7月に米豪合同演習の「タリズマンセイバー」が実施される。そのとき、公式アナウンスがあろう。
豪州政府高官によると、公式発表を遅らせている理由は、インドネシアの大統領選挙が済んでしまう前にインドネシア人を刺激したくないから。
しかしいずれにしても、公式発表はシナ人を怒らせるだろう。
事情通いわく。米軍はダーウィン港が99年間シナ企業「ランドブリッジ」社にレンタルされてしまったときから、代替基地を模索していた。2015にグリーナート米海軍作戦部長も、豪州の別なところに恒久海軍基地を探すと明言している。じつはそのときいらい、候補にはシンガポールまで含めて検討を続けてきた。けっきょくの結論として、大面積の埠頭を確保できるところは豪北しかない。
※中共の中距離弾道弾が届くシンガポールなどまじめに検討したはずがない。それは対豪州人の交渉を強気で進めるためのマヌーバだろう。豪北のヴァンディーメン湾の立地はとにかく軍港として最初から素晴らしいのである。目の前にメルヴィル島があり、艦隊は、その東を回っても、西を回っても出撃できる。マハンも、こういう地形が最高なんだと言ったはず。英ポーツマス軍港前のワイト島、米NY港前のロングアイランド島の如し。中共の弾道弾から遠いという点では豪州西海岸もまた捨てがたかっただろうが、やや都市化していてすでにシナ人密度が高いのと、なんといっても Van Diemen Gulf のような天与の軍港地形(敵潜水艦の接近路が限られる)には恵まれていないのだ。
最近、4000万ドルを投じて、グライド岬に近いガン岬までの新道が開通している。表向き、釣り人の利便改善のために造ったと言われていた。だがダーウィン市住民は、すでに基地移転計画がスタートしているのだと皆、察している。